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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「品質表示と識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:平成9年審判第13629号|請求不成立)

審判番号
平成9年審判第13629号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
品質表示と識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成9年審判第13629号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「品質表示と識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「蓬の香」の文字と「よもぎのかおり」の文字(「蓬の香」の文字より小さく書されている。)を上下二段に書してなり、第29類「よもぎを粉末状にした加工食品,その他の加工野菜及び加工果実」を指定商品として、平成7年7月14日に登録出願されたものである。その後指定商品については、平成9年4月25日付け手続補正書により、「よもぎを粉末状にした加工食品」と補正されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、『蓬の香』『よもぎのかおり』の文字を普通に用いられる方法をもって書してなるものであるから、これを本願の指定商品について使用するときは、よもぎのにおいがするもの、よもぎを用いたものであることを表したものと認識するにとどまり、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、よもぎを用いた商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記したとおり、「蓬の香」「よもぎのかおり」の各文字を書してなるものであるところ、その態様において格別特異なものではなく、「蓬の香」の文字とその下に小さく「よもぎのかおり」と振り仮名を付記した構成よりなるものであり、その構成中の「蓬」(よもぎ)の文字は山野に自生するキク科の多年草(植物)を意味する語であり、また、その構成中の「香(かおり)」の文字は「磯の香」「梅の香」等の用例に見られるように、「におい、よいかおり」の意味を有するもので全体として「(植物の)蓬の香」の意味を認識させるものである。

ところで、「蓬(よもぎ)」については、株式会社岩波書店発行 広辞苑第四版には、「よもぎ(蓬)」の項に、キク科の多年草。山野に自生。葉に香気があり、若葉を餅に入れ、成長した葉は灸の「もぐさ」とする。との記載が、株式会社主婦の友社平成8年7月27日発行 料理食材大辞典には、「よもぎ」の項に、キク科。若葉を食用にする春の野草の一つ。・・・特有の香りがある。草餅の材料となることから餅草ともいう。との記載があることが認められる。

そして、ブレーン出版株式会社2000年6月20日発行 改訂新版健康食品百科には、「ヨモギ 別名:艾葉」の項に、ヨモギは昔から草モチの材料として使われています。ヨモギの葉はビタミンに富み、100g中AはA効力として2,000IU,Cは22mg,無機質中Ca140mg,P70mg精油のシネオールやアルファーツヨシ,ミネラルなどが含有されています。精油分には温熱効果があるので、葉を木綿袋に入れて湯船に入れると芳香が呼吸を楽にし、身体があたたまり湯ざめをしません。入浴中にこの袋で体をこすると腰痛や腹痛などの痛みをやわらげます。ヨモギには気管支拡張作用があり、中国では気管支炎の治療に使われています。・・・止血,収斂作用があり、生の葉のしぼり汁を切り傷や打撲した部位につけるだけでも血を止める効果があります。との記載があり、胃腸病、止血作用、ぜんそく等の効能が認められる。

また、よもぎ(蓬)は、前記したように餅草と呼ばれ、葉に芳香作用があることから、まんじゅうや団子等の和菓子、クッキー等の洋菓子、生そば等の麺類、竹輪、蒲鉾等の練製品などの添加物としてよもぎ(蓬)の香りを加えた各種食品類が製造、販売されている実情を窺うことができる。

上記実情よりすると、本願商標は、これをその指定商品について使用した場合には、取引者、需要者は「よもぎ(蓬)を原料、成分とし、蓬の香を有する商品」であると理解するに止まり、それ以上に当該商品の出所識別標識とは認識し得ないものというのが相当である。

したがって、本願商標は、上記のとおり指定商品が補正された結果、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないが、その指定商品「よもぎを粉末状にした加工食品」について使用しても、単にその商品の品質、原材料を表示するにすぎないものといわざるを得ない。

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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