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Trademark Appeal Case

商標の類否と商品類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35372(T2002−35372/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4344643号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4344643号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年12月2日に登録出願、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第16類「紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製テーブルクロス,印刷物,書画,写真,写真立て,トランプ,タイプライター,チェックライター」を指定商品として、平成11年12月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4002290号商標(以下「引用商標1」という。)は、平成6年4月19日に登録出願、「KANSAI」の欧文字及び「寛斎」の漢字を横書きしてなり、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印刷用インテル,印字用インクリボン,活字,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,装飾塗工用ブラシ,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,封ろう,マーキング用孔開型板,郵便料金計器,輪転謄写機,観賞魚用水槽及びその付属品」を指定商品として、平成9年5月23日に設定登録されたものである。

同じく、登録第1078546号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和47年1月19日登録出願、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)その他本類に属する商品」を指定商品として、同49年7月19日に設定登録され、平成6年11月29日に2度目の商標権存続期間の更新登録がされているものである。

同じく、登録第2423452号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成1年2月21日登録出願、第19類「台所用品、日用品(ただし、なべ類、湯沸かし類、はえ取り紙、はえたたきを除く)」を指定商品として、同4年6月30日に設定登録されているものである。

同じく、登録第2435879号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成1年2月21日登録出願、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同4年7月31日に設定登録されているものである。

同じく、登録第4206038号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成8年4月12日登録出願、第16類「文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,青写真複写機,あて名印刷機,印刷用インテル,印字用インクリボン,活字,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,装飾塗工用ブラシ,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,封ろう,マーキング用孔開型板,郵便料金計器,輪転謄写機,観賞魚用水槽及びその附属品」を指定商品として、同10年10月30日に設定登録されているものである。

同じく、登録第4216560号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成9年5月19日登録出願、第3類「化粧品,歯磨き,せっけん類,香料類,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」、第8類「はさみ類,カッターナイフ,その他の手動利器,電気かみそり及び電気バリカン,ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット,かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切,くるみ割り器(貴金属製のものを除く。),スプーン,フォーク,アイロン(電気式のものを除く。),糸通し器,チャコ削り器,水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル,五徳,殺虫剤用噴霧器(手持ち工具に当たるものに限る。),十能,パレットナイフ,火消しつぼ,火ばし,ピンセット,手動工具,くわ,鋤,レーキ・組ひも機及び靴製造用靴型(手持ち工具に当たるものに限る。)、第14類「時計,キーホルダー,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,記念カップ,記念たて,貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具」、第16類「文房具類,紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製テーブルナプキン,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印刷用インテル,印字用インクリボン,活字,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,装飾塗工用ブラシ,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,封ろう,マーキング用孔開型板,郵便料金計器,輪転謄写機,観賞魚用水槽及びその附属品」、第34類「喫煙用具(貴金属製のものを除く。),たばこ,紙巻きたばこ用紙,マッチ」を指定商品として、同10年12月4日に設定登録されているものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第36号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

(ア)本件商標

本件商標は、角を丸めた矩形の上辺を切り欠いた図形とローマ字「KANSAI」及びギリシャ文字の1字「α」よりなる商標である。そして、前記矩形は、ありふれて使用されているものであり、これより特定の称呼は生じない。また、前記「α」からは、「アルファ」の称呼が生ずるが、該文字は、商品の記号・符号として用いられているものであるから自他商品の識別標識として機能するものではない。

なお、「KANSAI」からは「カンサイ」の称呼を生ずることはいうまでもない。

したがって、本件商標はその構成全体として認識されるほかに、「KANSAI」のローマ字部分が独立して識別機能を果たすものであるから、本件商標全体から生ずる「カンサイアルファ」の称呼のほかに、「カンサイ」の称呼を生ずるものである。

(イ)引用商標

(a)引用商標1は、「KANSAI」の欧文字と「寛斎」の漢字を二段に横書きしてなるところ、これは「山本寛斎」の著名な略称を表したものであって、これより「カンサイ」の称呼を生ずること明らかである。

(b)引用商標2は、矩形内に筆書きした漢数字「一」と欧文字「kansai」を顕著な大きさで表し、その上部に「YAMAMOTO」の欧文字を小さく配置してなる商標であるから、これより「ヤマモトカンサイ」の称呼のほかに「カンサイ」の称呼を生ずるものである。

(c)引用商標3及び引用商標4は、第1文字「k」を図案化した「kansai」の欧文字よりなるものであるから、これより「カンサイ」の称呼を生ずること明らかである。

(d)引用商標5は、「CC」の欧文字の下部に「KANSAI」の欧文字を配置してなるものであるから、構成全体として認識されるほかに、「KANSAI」の欧文字部分が独立して識別機能を果たすものであるから、構成全体から生ずる「シイシイカンサイ」のほかに、「カンサイ」の称呼を生ずるものである。

(e)引用商標6は、「CC」の欧文字を筆書きして表し、その下部に「KANSAI」の欧文字を配置してなるものであるから、構成全体として認識されるほかに、「KANSAI」の欧文字部分が独立して識別機能を果たすものであるから、構成全体から生ずる「シイシイカンサイ」のほかに、「カンサイ」の称呼を生ずるものである。

以上よりすれば、本件商標は、引用各商標と類似する商標であって、本件商標と引用各商標の指定商品は、それぞれ前記のとおりであるから、引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(2)商標法第4条第1項第8号について

(ア)請求人について

本件審判請求人たる「株式会社寛斎スーパースタジオ」は、昭和48年(1973年)6月15日に、世界的に著名なデザイナーである「山本寛斎」によって設立された会社であって、各種商品について「KANSAI」ブランドの展開やイベントの企画等の事業を行っている(甲第18号証)。

(イ)「KANSAI」の著名性について

「山本寛斎」は、1944年横浜市に生まれ、1967年には、ファッション界の芥川賞といわれる「装苑賞」を受賞した(甲第19号証)。

そして、1971年ロンドンで日本として初のファッション・ショー「KANSAI IN LONDON」を開催し、その後、1972年東京で「KANSAI’72」(甲第20号証)、1974年パリで「KANSAI IN PARIS」(甲第21号証)、1979年のニューヨーク・コレクションを経て、世界的なファッション・デザイナーとしての地位を確立した。なお、「山本寛斎」は、被服等ファッションに関係する商品のみならず、自動車や陶磁器等の商品や店舗のインテリア等、幅広い分野においてデザイナー、プロデューサーとして活動している。

近年では、1993年にロシアで、1995年にベトナムで、1997年にインドで、2000年に岐阜県で、2001年には山口県で、スーパー・イベントを開催して、各イベントとも好評を博している。

また、同氏がテレビ番組に出演する等して幅広く活躍していることは顕著な事実であると思料する。

上述したファッション・ショーやイベントにおいて、また、新聞・雑誌及びテレビ等のマスコミ(甲第22号証ないし甲第30号証)において、「山本寛斎」「KANSAI YAMAMOTO」は、「寛斎」「KANSAI」との略称をもって紹介されており、この略称は極めて著名なものとなっている。

(ウ)本件商標について

本件商標は、前述したとおり、角を丸めた矩形の上辺を切り欠いた図形と、ローマ字「KANSAI」及び「ギリシャ文字の1字「α」よりなる商標であるから、「山本寛斎」の著名な略称である「「KANSAI」を含むものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

「山本寛斎」は、「寛斎」「KANSAI」と略称され、ファッションに関係する商品のみならず、自動車や陶磁器等の商品や店舗のインテリア等、幅広い分野において活躍していることは前述したとおりである。

また、同氏を代表取締役とする請求人を通じて「KANSAI」プランドは各種商品・役務についてライセンスされている。

さらに、請求人の関連会社「有限会社寛斎デザイン研究所」は、本件商標の指定商品とは異なる商品についてではあるが「kansai」と「α」の文字よりなる登録第4006812号の商標(平成6年出願、甲第35号証及び甲第36号証)を登録し、請求人はこれを使用している。

そうとすれば、被請求人が本件商標をその指定商品について使用するときには、あたかも「山本寛斎」及び請求人らとなんらかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく認識され、出所混同を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により、その登録は無効にすべきものである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁していない。

5 当審の判断

本件商標は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなるものであるが、構成中の「KANSAI」及び「α」は、二段にそれぞれ文字の大きさ、書体を異にして表わされているところから、視覚上分離して看取されるものであり、また、これを常に一体のものとしてのみ把握しなければならないとする格別の事情は見当たらない。

そして、その「KANSAI」の文字部分より、デザイナーとして著名な「山本寛斎」を想起することも少なくないと認められる。

そうとすれば、本件商標は、その「KANSAI」の文字部分が独立した自他商品の識別標識として取引者、需要者に認識され得るものであり、構成全体より生ずると認められる「カンサイアルファ」の称呼のほかに、単なる「カンサイ」の称呼を生じ、また、デザイナーとして著名な山本寛斎を観念させるものといわなければならない。

他方、引用商標1は、「KANSAI」及び「寛斎」の文字よりなるものであるから、該文字に相応して「カンサイ」の称呼を生じ、また、デザイナーとして著名な山本寛斎を観念させるものと認められる。

そして、引用商標2は、別掲(2)に示すとおり、構成中の、筆書き風に表された漢字の「一」の右下に、やや図案化された「kansai」の文字及びその上部にかなり小さく「yamamoto」の文字を配してなるものであるが、取引者、需要者は、判読し易く表された「kansai」の文字に着目し、「カンサイ」の称呼をもって取引に資されることも少なくないとするのが相当である。

そうすれば、引用商標2より、「ヤマモトカンサイ」の称呼を生じ、また、デザイナーとして著名な山本寛斎を観念させるものといえる。

また、引用商標3及び引用商標4は、別掲(3)に示すとおり、「k」の文字をやや図案化してなる「kansai」の文字よりなるものであるが、これよりデザイナーとして著名な「山本寛斎」を想起することも少なくないと認められ、該文字に相応して「カンサイ」の称呼を生じ、また、デザイナーとして著名な山本寛斎を観念させるものというのが相当である。

さらに、引用商標5及び引用商標6は、別掲(4)、(5)に示すとおり、「CC」及び「KANSAI」の文字を二段に横書きしてなるものであるが、引用商標5及び引用商標6は、本件商標と同様の理由により、その「KANSAI」の文字部分が独立した自他商品の識別標識として取引者、需要者に認識され得るものであり、構成全体より生ずると認められる「シーシーカンサイ」の称呼のほかに、単なる「カンサイ」の称呼を生じ、また、デザイナーとして著名な山本寛斎を観念させるものと認められる。

以上よりすれば、本件商標と引用商標1ないし6とは、「カンサイ」の称呼及びデザイナーとして著名な山本寛斎の観念を共通にする類似の商標といわなければならない。

また、本件商標の指定商品と引用商標1ないし6の指定商品とは同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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