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Trademark Appeal Case

商標使用の有無と態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−31388(T2000−31388/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2602532号商標(以下「本件商標」という。)は、「プレリュード」の文字を横書きしてなり、平成3年7月31日に登録出願され、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として平成5年11月30日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標の指定商品中『文房具類』の登録はこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。

1 本件商標は、その商標登録原簿の記載より明らかなとおり何人にも専用使用権又は通常使用権の設定の登録はなされていない。

また、請求人は、本件商標が請求に係る指定商品について使用された事実については不知である。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項に規定する「継続して3年以上日本国内において商標権者等が指定商品についての登録商標の使用をしていない」の要件を充足し、その登録は、取消を免れ得ないものである。

2 答弁に対する弁駁

(1) 被請求人は、商品「BOXメモ」に「Prelude」なる文字(筆記体で表してなる:以下同じ。)を付し、得意先に見本的に配布したと述べている。

しかし、「Prelude」は英文字の筆記体からなるもので、片仮名文字でゴシック体の「プレリュード」からなる登録商標とは外観において顕著に異なるから、「Prelude」の使用は、登録商標と類似する商標の使用ではあっても、商標法第50条第1項における登録商標の使用ではない。

また、被請求人は、「BOXメモ」を見本的に配布した、と述べているが、この配布が宣伝用のサービス品として行ったものであれば、同法における「商品」に該当せず、指定商品「文房具類」に登録商標を使用したことにならない。

一方で、被請求人は、「『BOXメモ』の発売」、「『BOXメモ』の売行不振」との文言を使用している。

したがって、「見本的に配布」が商品としての発売であるならば、その取引事実をその商品の購入者が証明することが可能である。通常過去3年以内であれば、「請求書」「領収書」等の取引書類が保存されている。

しかし、この事実の立証がなされていない。

(2) 被請求人は、パンフレットについては、「『BOXメモ』の発売の時点で使用」、「『BOXメモ』の売行不振・・・のため、これ(3,000枚)を頒布し尽くした平成12年1月以後は、カラーコピーしたものを・・・使用している」と述べている。

これによれば、被請求人は平成11年の1年間で3,000枚のパンフレットを頒布している。

しかし、この頒布の事実についても頒布を受けた者による立証がなされていない。また、カラーコピーのものを頒布した事実も立証されていない。

(3) 以上のとおり、提出された答弁書等によれば、被請求人が登録商標をその指定商品「文房具類」について使用をした事実が立証されていない。外箱やパンフレットの作成業者の証言を得たとしても商標権者による登録商標の使用の事実を証明できるものではない。

第3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第6号証(枝番を含む。)を提出し、証人尋問の申立てをしている。

1 被請求人は、少なくとも1999年1月より現在に至る迄、「Prelude」なる商標を商品、文房具類に引続き使用しているものである。

してみると、本件商標は、商標法第50条第1項の要件を充すものではなく、したがって、当然のことながら同条項によって商標登録を取消されるべきものではない。

2 被請求人会社は、平成10(1998)年11月に商品「BOXメモ」(箱型容器に天糊して一体化した多数枚のメモ用紙を収納した商品)を顧客における販売促進若しくは贈答向けの商品として企画し、同年12月にその完成品(乙第1号証)を得てこれに同社所有の登録商標「プレリュード」を英文字で表示した「Prelude」なる商標を付すると共に翌年1月よりその一部を得意先に見本的に配布するなどして営業態勢を整えたが、その反響が必ずしも期待通りではなかったので、同商品については、爾後、敢えて積極的な売込活動を行わず、現在に至っているものである。

なお、上記商品の「BOXメモ」(乙第1号証)の外箱は、東京都台東区元浅草1丁目1番2号株式会社深山(代表者 深山三郎)に外注して納品せしめたものであり(メモ本体は自社製)、また、乙第2号証パンフレットは、上記の「BOXメモ」の発売の時点で使用したものであるが、その発注先(納品元)は東京都台東区北上野1丁目9番10号、朝日プロセス株式会社(代表者 豊泉 博)である。

3 平成11年1月当時被請求人が発売を開始した「BOXメモ」には、請求人会社製のメモ用紙を黒色の外箱に収納したもの(品番「り092」<乙第1号証の1>と同メモ用紙を白色の外箱に収納したもの(品番「り093」)<乙第1号証の2>の2種があり、その何れについても、外箱は株式会社深山(前出)に製作を依頼し、黒(り092)、白(り092)共に300個ずつ納品を受けたものである。(乙第3号証)

なお、これらの事実は、乙第1号証の1及び2、乙第3号証及び別に尋問を申し立てた証人高島定夫(被請求人会社の当該商品の担当責任者)及び同清水一明(株式会社深山の上記の外箱に関する当時の営業担当者)の証言等を以てこれを立証する。

また、この「BOXメモ」拡販用のパンフレットは当初、朝日プロセス株式会社(前出)に依頼して製作せしめた(納品総数3,000枚)が、このパンフレットについては同「BOXメモ」の売行不振のため、これを頒布し尽した平成12年(2000)1月以後は同社に追加発注を行うこと無く、被請求人会社においてこれをカラーコピーしたものを同商品の正式なパンフレット(乙第2号証)として使用しているものである。

このパンフレットについての事実関係は、乙第2及び第4号証並びに別に尋問を申し立てた証人高島定夫(前出)及び佐藤尚男(朝日プロセス株式会社の前記パンフレットの担当者)の証言等を以てこれを立証する。

第4 当審の判断

被請求人は、商品「BOXメモ」(箱型容器に天糊して一体化した多数枚のメモ用紙を収納した商品)について、本件商標を英文字で表示した「Prelude」なる商標(以下「使用商標」という。)を使用しているとして、乙号証を提出している。

そこで、被請求人提出に係る各乙号証について検討する。

乙第1号証の1及び2は、被請求人が「BOXメモ」と称する商品(以下「本件商品」という。)の現物であるところ、本件商品の外箱の蓋の中央に、楕円形内に黒く(乙第1号証の1)又は白抜きで(乙第1号証の2)筆記体の「Prelude」の文字が書されていること、本件商品を包装している透明のパラフィン紙には、本件商品の裏面に相当する部分に「り092」、「BOXメモ」等の文字と共に「プレリュード 黒」の文字が書され(乙第1号証の1)、又は「り093」、「BOXメモ」等の文字と共に「プレリュード 白」の文字が書され(乙第1号証の2)、更に最下部に「KANKO KOGYO CO.,LTD. TOKYO JAPAN」の文字が書されたシールが貼付されていることが認められる。

そうすると、本件商標と社会通念上同一と認められる「プレリュード」の文字が本件商品の包装に付され、かつ、使用商標が本件商品自体に付されているというべきであり、このことは、とりもなおさず、商標法第2条第3項第1号にいう使用に当たるというべきである。なお、使用商標は、本件商標を英文字に変更したものであって本件商標とは同一の称呼及び観念を生ずるものであるから、本件商標とは社会通念上同一と認められるものである(商標法第50条第1項括弧書き参照)。

乙第2号証は、本件商品についてのパンフレットと認められるところ、該パンフレット中には、使用商標が付された本件商品の写真が掲載されており、該写真の右上部に使用商標と同一の「Prelude」の欧文字が大きく書され、その右肩上方に「プレリュード」の片仮名文字がやや小さく書されると共に、下段には、品番、品名、仕様、価格等が表形式で記載されている。そして、品名欄には「BOXメモ プレリュード」の文字が記載されている。また、該パンフレットの右下には「98-12-3000」の数字が小さく表示されている。

乙第4号証(朝日プロセス株式会社による証明書)によれば、上記パンフレットは被請求人の依頼によって朝日プロセス株式会社が作成し、平成10年12月に被請求人に3,00部納入されたものと推認される。上記パンフレットが平成10年12月に3,000部作成されたであろうことは上記パンフレットの右下に小さく表示された「98-12-3000」の数字からも首肯し得るものである。

そうすると、少なくとも上記パンフレットが作成された平成10年12月には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が本件商品に付されていたものと認められる。

以上によれば、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、本件商品について、本件審判請求の登録前3年以内である平成10年12月に被請求人によって使用されていたものといわなければならない。

請求人は、本件商品が商標法上の商品に該当しない旨主張しているが、単に販売促進又は贈答向けの商品という理由のみで、あるいは、被請求人が見本的に配布したことのみを捉えて、本件商品が商標法上の商品ではないと断定することはできないし、むしろ、上記パンフレットによれば、商品として取引されているとみるのが自然であるから、請求人の主張は採用できない。 なお、本件商品は、その現物及び請求人の説明に徴すれば、文房具類の範疇に属する商品と認められるところ、この点については当事者間に争いはない。

したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者によって取消請求に係る指定商品について使用されていたものというのが相当であるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録を取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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