sokuhyo

Trademark Appeal Case

結合商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90990(T2001−90990/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4510722号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4510722号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成12年9月1日に登録出願され、第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、和服、エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児用おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、バンダナ、保温用サポーター、マフラー、耳覆い、ずきん、すげがさ、ナイトキャップ、ヘルメット、帽子、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)、靴合わせくぎ、靴くぎ、靴の引き手、靴びょう、靴保護金具、げた、草履類、仮装用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)、乗馬靴」を指定商品として、同13年10月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立の理由

本件商標は、欧文字「EVIAN・VERT」とこれに相応する仮名文字「エビアン・ヴェール」から構成されたものであるが、該仮名文字が該欧文字と比べかなり小さく表示されているため消費者がそれを「エビアン ヴェール」と瞬時に視識するのは困難であるといえる。

そこで、欧文字「EVIAN・VERT」について考えてみると、前半部分の「EVIAN」は世界で最もその名を知られているミネラルウォーターの商品名であって現在世界104カ国に輸出され日本では1984年から販売されている。世界全体の生産量は年間13億リットルであり、採水地であるエビアンの町もまたヨーロッパ有数のリゾート地で世界中から観光客が訪れる。片や、後半部分の「VERT」が「ヴェール」と発音されかつその代表的な語彙が「緑色」であるフランス語だと認識する需要者は少ない。まして、フランス語教育が一般的でない日本の実情を勘案すれば、需要者は本件商標の構成部分の馴染みがないフランス語「VERT」を無視する一方で、全国的に知られている商標「EVIAN/エビアン」単独でもって取り引きする可能性がないとは言い切れない。

してみれば、商標権者は、本件商標が登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品を表示するものとして日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一若しくは類似の商標であることを承知のうえ、著名商標の顧客吸引力を希釈若しくは便乗し不当な利益を得る等の目的のもとに出願し、権利を取得したものと推認せざるを得ないところであるから、本件商標は、不正の目的をもって使用する商標に該当する。

したがって、本件商標は、申立人の商品を表示するものとして日本国内及び外国において需要者の間に広く認識されている商標「EVIAN/エビアン」と類似の商標であって、本件商標の使用により出所表示機能を希釈化させたり、その名声等を毀損させるおそれがあり、商標法第4条第1項第19号の規定に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

3 取消理由の通知

当審は、平成14年10月18日、商標権者に対し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与え、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものと認める旨通知した(通知書発送日同年11月1日)。理由の要旨は次のとおりである。

申立人は、採水地であるフランス国のエビアンで「ミネラルウオーター」を製造し、長年に亘りその商品に「EVIAN」の文字よりなる商標を付し、我が国を含め世界の多数の国に輸出してきた結果、今日、「EVIAN」の商標は、申立人の「ミネラルウオーター」を表す商標として、各国の需要者間で広く認識されていることが認められ、本件商標登録出願の当時すでに我が国の需要者間でも著名になっていたと認められる。

一方、本件商標は、その構成中にデザイン化されているものの申立人が商品「ミネラルウォーター」に使用する上記商標と同じ綴りの「EVIAN」の文字及その読みに相当する「エビアン」の文字を下段に書してなるものである。そして、中点「・」を介して書された「VERT」「ヴェール」の各文字部分は、「緑色」を意味する仏語及びその読みであるとしても、我が国において一般に親しまれた語と言い難いものである。

してみれば、本件商標は、常に一体のものとして把握されるというよりは、これに接する需要者をして、「EVIAN」の文字部分に着目して取引に当たることも決して少なくないものといわなければならず、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標である。

また、本件商標は、フランスはもとより我が国を含め世界各国で著名な申立人の使用商標「EVIAN」と同一の綴り字及びその読みを他の構成部分より独立して認識される構成よりなることよりすれば、著名な申立人の使用商標の信用力に便乗して不正の利益を得る目的をもって使用するものであると推認される。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見

上述した取消理由の通知に対し、商標権者は意見書を提出していない。

5 当審の判断

本件商標の登録は、上述した取消理由により、商標法第4条第1項第19号に違反してされたと認められるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

本件商標

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。