Trademark Appeal Case
称呼の音の差異と聴別性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90790(T2002−90790/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4593610号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年8月17日に登録出願、「デルマチン」の片仮名文字と「DERMATIN」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」を指定商品として、平成14年8月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、昭和43年11月29日に登録出願、「DERMARIN」の欧文字を横書きしてなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和49年1月10日に設定登録された登録第1049588号商標(以下「引用商標」という。)と称呼において類似する商標である。また、本件商標と引用商標は、その指定商品についても抵触するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、「デルマチン」の片仮名文字と「DERMATIN」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、上段の「デルマチン」の片仮名文字は下段の「DERMATIN」の欧文字の読みを特定したものと認識、理解されるものであるから、本件商標は、その構成文字に相応し「デルマチン」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、「DERMARIN」の欧文字よりなるところ、特定の意味を有しない造語よりなるものであるから、該文字に接する取引者、需要者は、我が国で一般に親しまれた英語の発音に倣って生ずる「ダーマリン」又はその指定商品の関係では親しまれた独語の発音に倣って生ずる「デルマリン」の称呼をもって商取引に資するものというのが相当である。
してみれば、引用商標は、「ダーマリン」又は「デルマリン」の称呼を生ずるものである。
そこで、先ず、本件商標より生ずる「デルマチン」の称呼と引用商標より生ずる「デルマリン」の称呼を比較すると、第4音において「チ」と「リ」の音の差異を有し、他の音を共通にするものである。
しかして、該差異音「チ」と「リ」は、前者が舌尖と硬口蓋との間で調音される無声破裂音「t∫」と母音「i」との結合した音であるのに対し、後者が上歯茎と舌先との間で調音される有声子音「r」と母音「i」との結合した音であって、その音質、音感を異にする音であるから、この差異音が全体の称呼に及ぼす影響は大きく、両称呼は、それぞれ一連に称呼するも、その語感も相違し、互いに聴別し得るものというのが相当である。
次に、本件商標より生ずる「デルマチン」の称呼と引用商標より生ずる「ダーマリン」の称呼を比較すると、その音構成は明らかに相違するから、両者は十分に聴別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、外観において区別し得る差異を有するものであり、観念においても、両者は、特定の意味を有しない造語よりなるものと認められるから、観念において比較することはできない。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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