Trademark Appeal Case
著名作品の観念類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90615(T2002−90615/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4574635号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年7月25日に登録出願、「リトルプリンス」の片仮名文字と「LITTLEPRINCE」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年6月7日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、昭和62年7月7日に登録出願、「PETIT PRINCE」の欧文字を横書きしてなり、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年6月28日に設定登録された登録第2240740号商標(以下「引用商標A」という。)、昭和62年7月7日に登録出願、「PETIT PRINCE」の欧文字を横書きしてなり、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録された登録第2250469号商標(以下「引用商標B」という。)、昭和63年1月14日に登録出願、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年5月31日に設定登録された登録第2668361号商標(以下「引用商標C」という。)及び平成10年3月13日に登録出願、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年3月3日に設定登録された登録第4364550号商標(以下「引用商標D」という。)と「小さな王子」の観念を同じくする類似の商標であって、かつ、引用各商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
また、本件商標は、フランスの作家サン=テグジュぺリ作の童話「Le Petit Prince」の英語訳として知られる「リトルプリンス/LITTLEPRINCE」の文字からなるところ、かかる童話のタイトルからなる本件商標を登録異議申立人(以下「申立人」という。)とは何ら関係のない者が商標として採択使用することは、公正な商取引の秩序を乱し、国際信義に反するものであって、公の秩序または善良の風俗を害するおそれがある商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
さらに、該童話は我が国においても、日本語訳「星の王子さの」として広く親しまれ、また、申立人によって、「Le Petit Prince」、「The Little Prince」又は「星の王子さま」グッズが世界中において幅広く商品展開されているものであるから、申立人の使用商標と観念上類似する本件商標がその指定商品に使用された場合には、取引者、需要者は、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
したがって、本件商標は、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、「リトルプリンス」と「LITTLEPRINCE」の文字よりなるのに対し、引用商標A及び引用商標Bは、「PETIT PRINCE」、引用商標Cは、「Le Petit Prince」の文字よりなり、引用商標Dは、「Le Petit Prince」の文字と図形よりなるところ、「リトルプリンス」、「LITTLEPRINCE」及び「PETIT PRINCE」、「Le Petit Prince」の文字は、いずれも成語として存在していないから、特定の意味を有しな造語よりなるものとみるのが相当である。
しかして、「Le Petit Prince」の文字は、フランスの作家サン=テグジュペリ作の童話の題名であり、この童話は、ドイツ語、イタリア語、オランダ語、スペイン語などに翻訳され、我が国においても、日本語訳「星の王子さま」として広く知られていると認められるが、「The Little Prince」若しくは「LITTLE PRINCE」(リトルプリンス)が、「Le Petit Prince」の英語訳として一般に広く認識されているものとは認め難いものである。
してみれば、本件商標よりは、「Le Petit Prince」、「星の王子様」を想起しないものというのが相当である。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、観念において相紛れるおそれのないものである。
また、本件商標より生ずる「リトルプリンス」と引用商標A、引用商標Bより生ずる「プチプリンス」及び引用商標C及び引用商標Dより生ずる「ルプチプリンス」の称呼とは、その音構成、音数の相違よりすれば、互いに聴別し得るものであり、外観においても区別し得る差異を有するものであるから、本件商標と引用各商標とは、その観念、称呼及び外観のいずれの点においても非類似の商標というべきである。
さらに、申立人の提出に係る甲第15号証ないし甲第35号証(枝番を含む)等によれば、申立人若しくはライセンシーが「Le Petit Prince」、「The Little Prince」、「星の王子さま」(以下まとめて「使用商標」という。)の文字を童話の題名又は香水、絵はがき、メダル、腕時計等各種商品に我が国において使用していることは認め得るとしても、前記したとおり、本件商標と使用商標とは、非類似の商標であり、別異の商標と認識、理解されるものであるから、本件商標は、申立人若しくはライセンシーの使用商標を連想、想起させるものとはいえないものである。
してみれば、本件商標は、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と経済的、組織的の関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
また、本件商標は、申立人若しくはライセンシーの使用商標を連想、想起しない以上、公正な取引の秩序を乱し、国際信義に反するものであって、公の秩序または善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第7号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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