1 本件商標
本件登録第4570674号商標(以下「本件商標」という。)は、「First Taylor」の文字と「ファーストテイラー」の文字とを二段に横書きしてなり、平成13年8月22日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年5月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4389162号商標(以下「引用商標」という。)は、「J TAYLOR」の文字を標準文字により書してなり、平成11年3月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年6月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は、分離した構成になっていること及び「First/ファースト」の文字は「最高の、一流の」等の意味を有し、商品の品質・性能を誇示するものとして普通に使用されているものであって、それ自体としては識別力がないか若しくは極めて弱いものであることから、自他商品の識別機能を果たす部分は「Taylor/テイラー」の文字部分にあるものと認められ、これより単に「テイラー」の称呼をも生ずるものである。
一方、引用商標も単に「テイラー」と称して取引に資することが多いものと思料される。
したがって、両商標は「テイラー」の称呼を共通にする類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、構成各文字は外観上まとまりよく一体的に表現されていて、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「First/ファースト」の文字部分が「最高の、一流の」等の意味を表すものであるとしても、かかる構成においては商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ファーストテイラー」の称呼のみを生ずるものというべきである。
してみれば、本件商標から単に「テイラー」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。