結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 昭和63年審判第15205号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1541151号商標(以下、「本件商標」という。)は、「國會春秋」の文字を書してなり、第26類「新聞、雑誌」を指定商品として、昭和53年12月22日に登録出願、同57年9月30日に登録、その後、平成5年2月25日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
2請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ、添付書類として、新聞「國會春秋」の第1号、被請求人を愛宕警察に告訴した告訴状、政治団体設立届、商標登録第1541151号の登録原簿の謄本、国会プレス社三室幸雄氏宛の回答書及び平成元年1月8日発行の新聞「國會春秋」を提出している。
(1)国会春秋社及び国会春秋会(以下、「国会春秋」という。)は、昭和52年5月、東京都中央区銀座3−3第2増田ビルに請求人が設立したものである。
(2)国会春秋の第1号新聞は、昭和52年6月8日に発行した。
(3)上記第1号に、第1380号、昭和35年2月25日第買取ったものであるために、古い番号となっているのである。
(4)上記買取りのために、請求人は被請求人に対して、下記の通りの対価を支払っている。
▲1▼被請求人に対して、会長の肩書きを与えた。
▲2▼国会春秋運営のための経費については永久に請求人の負担とし、過去において既に7億円を支払ってきた。
▲3▼被請求人には、実質的に年間200万円の報酬を支払っている。具体的には、国会議員からの購読料(年間2万円)を、被請求人が自由に領収できるようにしてあったので被請求人の努力の如何では、上記報酬が増えることも減ることもあった。
▲4▼被請求人の高齢を考慮して、出勤は自由とし、時間的拘束は一切行わなかった。
(5)上記商標登録は、昭和53年12月22日に、出願番号53−92355にて行われているが、この時点では国会春秋は前記の通り請求人の所有であった。
(6)出願公告年月日が、昭和56年11月18日であり、出願公告番号が、56−61363であるが、この時期も国会春秋が請求人のものであることに変わりはない。
(7)査定年月日が、昭和57年3月12日であり、登録年月日が、昭和57年9月30日であるが、この時点においても、国会春秋が請求人の所有であることに変化はない。
(8)特許法第51条に依れば、
▲1▼審査官は、特許出願について拒絶の理由を発見しないときは、出願公告をすべき旨の決定をしなければならない。
▲2▼特許庁長官は、出願公告をすべき旨の決定があったときは、決定の謄本を特許出願人に送達した後、出願公告をしなければならない。
▲3▼出願公告は、次に掲げる事項を特許公報に掲載することにより行う。
1.特許出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
2.特許出願の番号及び年月日
3.発明者の氏名及び住所又は居所
4.願書に添付した明細書に記載した事項及び図面の内容
5.出願公告の番号及び年月日
6.前各号に掲げるもののほか、必要な事項
▲4▼特許庁長官は、出願公告の日から2月間特許庁において出願書類及びその付属物件を公衆の縦覧に供しなければならない。
(9)被請求人は、特許法の盲点を巧みについたものである。
すなわち、
▲1▼登録事項欄によれば、被請求人の住所は東京都葛飾区青砥8−11−11−2となっているのであるから、国会春秋の事務所には全く連絡が無かった。
▲2▼したがって、請求人が上記事実をしることは全く不可能であり、実に6年間の歳月について真相を掴めなかったのである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、添付書類として菊川氏の申立書、太田武氏宛の通知書、平成元年3月15日発行の新聞「國會春秋」を提出している。
(1)次の理由により、本件審判の請求は成り立たない。
▲1▼本件商標「国会春秋」は私の発案である。
▲2▼本件商標を出願する直前に、私は請求人太田武と共有で登録しても良いと考え、請求人に出願の話しを持ちかけたが請求人はこれを無視した。
▲3▼請求人と私は最初から雇用関係はなく、私が請求人に営業権を貸し与えていたものである。
(2)請求人の審判請求は、全くその根拠を欠く、独善的請求であるが、以下本件商標の登録が有効であることを証明するため答弁する。
▲1▼政治新聞「国会春秋」発行の経緯について、私(被請求人)と太田武(請求人)との関係は、昭和52年5月、私の友人菊川佳三氏((株)日本マガジン社・副社長)から請求人を紹介されたことから始まった。
先ず当時の状況は、
(イ)私が既に新聞発行に必要な第三種郵便物の認可(昭和35年2月認可)を保有していた。
(ロ)私は既に新聞発行の実績があったので、新聞の購読料や賛助金などを支払ってくれる相手方を確保していた。
(ハ)私は既に国会議員などとの交流が50年にも及んでおり、国会議員や政治新聞の同業者などからも信頼され、評価もされていた。
以上の如く、新聞業として必要な第三種郵便物認可があり、新聞の知名度もありそしてスポンサーまでも付いていたのである。正に営業権である。当時、私にとって必要だったのは記者的役割を果たす人材のみであった。このような事情を知っていた菊川氏が請求人である太田武を私に紹介したのである。
(3)私と太田武、紹介者菊川氏の3名で話し合って決まったこと、あるいは昭和52年5月の発足時の前後に決まったことは、次のようなことである。
▲1▼新聞名は私が従来使用していた「国会新報」から、私の発案による「国会春秋」にする。
▲2▼発行する場所は、私の友人である日本タイムス社長谷口秋市氏(中央区銀座3−3第二増田ビル)の事務所の一部を使う。(私は、この事務所を10年前から借りて使用していた。)
▲3▼私についていたスポンサーからの入金の内、国会関係は営業権的なものの見返りとして私が受領する。
私が新聞発行に必要な営業権的なものを保有していたのであって、請求人は単に私の営業権を借りて新聞発行を行ったにすぎないものである。私が請求人に第三種も営業権も譲渡した事実はなく、また請求人が国会春秋社など設立した事実も全くない。これら事情は菊川氏の良く知るところである。
(4)商標「国会春秋」の登録について、
私は請求人に営業権を貸している立場であり、請求人に単に新聞の作成を委せているのみである。登録は請求人の承諾などは必要なものではなくj当然に私個人の資格で登録してよいものである。請求人に対しては単に商標の使用を与えているのみである。
当時国会春秋社は法人登記されていなかったので、私は請求人に実体を明確にするため、法人登記を勧め、尚且つ「国会春秋」を商標登録することも勧めたのである。しかし、請求人はそのいずれも無視したもので、本件審判請求の資格は欠如しているものである。
(5)請求人の「請求の理由」への反論、
請求人の「請求の理由」の項目順に以下反論する。
▲1▼(1)について、請求人は「国会春秋社及び国会春秋会を設立した」とある力瓢私も請求人も個人の資格による営業であり、法人登記はされていない。国会春秋会の名称は最近付けたものである。
▲2▼(2)について、第1号の発行は私が請求人に営業権を貸し与えて発行したものである。
▲3▼(3)について、請求人は「第三種郵便物認可を買い取った」とあるが、第三種の認可も私名義であり、請求人に売った事実はない。
▲4▼(4)について、請求人は上記の対価として次のものを列挙しているが、▲1▼の「会長の肩書きを与えた」は単に対外的なもので、実体を表すものではない。▲2▼の「過去の経費7億円負担した」はノレン貸のような立場にある私には関係のないことである。しかし、7億円支払ったということは7億円の収入があったことにもなり、私の営業権や商標権の価値を示すことにもなる。▲3▼の私に「年間200万円の報酬を支払った」とあるが、これは最初の新聞発行の経緯で分かるように、営業権、商標権の使用料に相当するものである。▲4▼の「時間的拘束はしなかった」とあるが、私と請求人とはノレン貸のような関係でありく雇用関係もなく、従って時間的拘束などある筈がないことである。
▲5▼(5)について、昭和53年12月22日の出願した時点は、私と請求人で発足した後であるが、出願の前に請求人に商標登録することを持ち掛けたが、それを無視された事実がある。
▲6▼(6)及び(7)について、上記理由により出願し登録を受ける権利は私にある。
▲7▼(8)について、この項目は単に特許法の条文の羅列につき、答弁の必要はない。
▲8▼(9)について、請求人は「自宅住所で出願、登録した」を問題にしているが、法律的には個人営業であり、自宅住所で登録するのは当然である。
(6)結論として、
請求人の理由は本末転倒の発想である。例えば、ファミリーチェン店「不二家」店主がノレンを借りていることも忘れて本家の(株)不二家に商標を使うなというが如きものである。
請求人は、私の営業権並びに商標権を使用していながら、昭和63年1月から5カ月以上にわたって新聞を発行しなかった。新聞を発行しなければ私の収入もなくなり、このことは商標権などの使用料の不払いを意味することになる。
したがって、昨年6月請求人と私の信頼関係が損なわれ、遂に「国会春秋」の商標の使用中止を請求人に通告するに至ったのである。
この通告により、請求人は審判請求の理由がないにもかかわらず、独善的審判請求を行ったものである。
尚、この通告後、私は当然のことであるが、独自に政治新聞「国会春秋」を発行している。
請求人は政治団体を称しているが、私は政治団体に本件商標の使用を認めた事実はなく、又本件商標を登録した昭和57年当時は国会春秋社であった。国会春秋社は前述の通り、法人登記されていないので、個人営業の屋号である。政治団体の名称の使用は最近のことであり、審判請求の資格は無いものである。
よって判断するに、請求書の請求の理由の項をみると、請求人は、「本件商標は、請求人が被請求人から買い取ったものであるにもかかわらず、被請求人が請求人に無断で登録出願し、商標権を取得したものである」旨主張している。
しかしながら、請求人の提出した添付書類を精査するも、本件商標を請求人が被請求人から買い取ったとする事実を認めることができないばかりでなく、請求人は他にその事実を認めるに足りる証拠を提出していない。
また、商標登録を無効とするには、当該商標登録が商標法第46条(商標登録の無効の審判)第1項各号のいずれかに該当することを要件とするところ、請求人は、本件商標が前記条項のいずれに該当するのかを明らかにしておらず、立証するところもない。
してみれば、請求人の前記主張は理由のないものであり、かつ本件商標登録は商標法第46条第1項各号のいずれの規定にも該当しないものと認め得るものである。
したがって、本件商標は、商標法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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