結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30298(T2002−30298/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2560151号商標(以下「本件商標」という。)は、「EST」の文字を書してなり、昭和63年4月25日に登録出願され、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコード、これらの部品および付属品 」を指定商品として、平成5年7月30日に商標権の設定登録がされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。
本件商標は、その指定商品中、「運動具」について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存在しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
商標法第50条第1項は、いわゆる不使用取消審判制度の公益的重要性等を考慮し、請求人適格を「何人」としたものであり、請求人適格として審判請求に直接の利益を有することを要求しない。その趣旨は被請求人の提出した乙第3号証(工業所有権法逐条解説[第14版]第1086頁第19行から第1087頁第9行)にも記載されている。被請求人の指摘する同号証第1087頁第9行から第11行の記載は、被請求人を害することを目的とする場合などには民法に規定される権利の濫用を理由として請求を棄却し得るとの解釈が記載されたものであり、あくまで請求人適格は「何人」であるのが原則であって、被請求人が権利の濫用を主張するのであれば、その立証責任は被請求人にあるとするべきである。
乙第1号証は、請求人が商標登録出願人となっている出願及び請求人が商標権者となっている商標登録が存在しないこと、即ち現時点において請求人が何らかの商標の出願人でも商標権者でもないことを示すのみである。また、乙第2号証は、請求人が、称呼が「イーエステイー」に類似し、商品が類似群「24COl」に含まれる商標登録あるいは商標登録出願の商標権者あるいは出願人(以下「本件商標の関連出願人等」という。)ではないことを示すのみである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第3号証を提出している。
本件審判請求は、被請求人を害することを目的とするものであり、「権利濫用」というべきである。以下その理由を述べる。
まず、特許庁の特許電子図書館(IPDL)で、出願人/権利者等の「野中誠一」を検索しても、請求人である「野中誠一」に該当する者は存しない(乙第1号証)。また、特許庁の特許電子図書館(IPDL)で、称呼検索「イーエスティ」でヒットする者のなかにも、請求人である「野中誠一」に該当する者は見当たらない(乙第2号証)。したがって、本件指定商品中の「運動具」に不使用取消審判をしても、請求人には何の意味がないものであるから、「権利濫用」以外の何物でもない。
このことは、工業所有権法逐条解説(乙第3号証)に「...もっとも、請求人適格を『何人』としても、当該審判の請求が被請求人を害することを目的としていると認められるような場合には、その請求は権利濫用として認められない可能性がある。」と記載されており、本件審判請求はこれに該当するものである。 してみれば、本件審判請求は被請求人を害することを目的とする不当な請求といわざるを得ない。
被請求人は、本件審判請求は被請求人を害することを目的とする不当な請求である旨主張しているが、平成8年6月12日法律第68号をもって、同9年4月1日から施行された商標法第50条第1項の規定によれば、同審判は「何人も請求することができる。」ものであり、本件審判請求において被請求人が提出した特許庁の特許電子図書館(IPDL)の検索結果(乙第1号証、乙第2号証)をもって、請求人による権利の濫用があったとする事実とは認められないし、他にその事実を証明していないものであるから、この点に関する被請求人の主張は理由がないものというべきである。
そして、不使用取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取り消しを免れない。
しかるところ、本件審判の請求に対し、被請求人は、前記3の答弁をするのみで、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していることを何ら答弁、立証するところがない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判の請求に係る商品「運動具」について、使用されていたものとは認められず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとは認められない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「運動具」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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