Trademark Appeal Case
著名商標の称呼類似と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成4年審判第22528号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)、かさ、つえ、これらの部品及び付属品」を指定商品として、平成3年4月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、ペプシコ インコーポレーテッド(アメリカ在)が清涼飲料等に使用して著名な『PEPSI』の商標と類似する『ペプシー』の文字を有してなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは、恰も上記会社と何等かの関係を有する商品であるかの如く商品の出所の混同を生じさせるおそれがあるものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
外国会社年鑑(1996年版株式会社日本経済新聞株式会社発行)の「PepsiCo,Inc.」の項、英和商品名辞典(1990年株式会社研究社発行)の「Pepsi(−Cola)ペプシ(コーラ)」の項及びペプシの、ホームページ(1999年7月19日け)等をみるところ、米国ニョーヨーク州所在のペプシコ インコーポレーテッドは、1919年設立され、1965年に現商号に変更してなるところ、1890年代後半より、同国においてペプシコーラと称する飲料を販売し、1960年代前半からその飲料に「PEPSI」の文字をゴシック体で表した標章(以下、「引用標章」という。)を付して販売しているものである。そして、上記の外国会社年鑑及びペプシのホームページによれば、引用標章を付した飲料は世界168ケ国以上において販売されているものであって、わが国においては昭和33年(1958年)頃から販売されたものであり、現に世界統一の新パッケージをもつて販売されているものである。
そして、朝日新聞(1986年1月25日付け)にあっては「米国の清涼飲料水業界第2位のペプシコが第3位のセブンアップ社を買収することを発表した。これでペプシコは、業界に君臨したコカ・コーラ社とほぼ肩を並べることになる。」、日経金融(1989年2月17日付け)にあっては「ソフトドリンク部門は『ペプシ』『ダイエット・ペプシ』を中心に、国内販売数が伸びそうだ」、日本経済新聞社(1991年9月3日付け)にあっては「コカ・コーラとペプシの広告戦争は日本でも話題になっている」等の記事がみられ、そして、日刊工業新聞(1997年10月6日け)にあっては「サントリーと米国ペプシコの業務提携に清涼飲料各社は強い関心を寄せている」旨の記事がみられることからすれば、取引の事情及び広告の状況からして、引用標章はペプシコ インコーポレーテッドの取り扱いに係る商品を表示するものとして、本願商標の出願時はもとより現在に至るまで継続して、取引者、需要者の間に広く認識されているものと認められる。
しかして、引用標章は「PEPSI」の文字を書してなるから、その構成文字に相応して、「ペプシ」の称呼を生ずるものである。
一方、本願商標は別紙に示すとおり、白抜き黒輪郭縁取りした片仮名文字の「ペプシー」とそれに縁取り修飾したローマ字の「P」とからなるところ、「ペプシー」文字と「P」の文字はその構成態様を異にするものであって、視覚上、それぞれの文字部分に分離して看取されるから、これに接する取引者、需要者は、その構成中に書された「ペプシー」の文字を捉え、これより生ずる「ペプシー」の称呼をもって取引に当たる場合も少なくないものと認められる。
そして、本願商標より生ずる「ペプシー」の称呼と引用標章より生ずる「ペプシ」の称呼とは、称呼上相紛らわしいものであって、そして、引用標章が前記したように広く知られているものあれば、本願商標に接する取引者、需要者は、上記事情よりして、本願商標をして容易に引用標章を想起し、連想し得るものと認められる。
してみると、本願商標の指定商品中「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」は、ペプシコ インコーポレーテッドの販売、製造に係る商品と、その商品分野を異にするものであるとしても、企業経営の多角化は異業種間においても行われている点をも勘案すれば、請求人(出願人)が本願商標をその指定商品に使用するとき、これに接する取引者、需要者は、その商品が恰もペプシコ インコーポレーテッド若しくはこれと組織的、経済的に何らかの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
なお、請求人は過去の審査例及び審決例を提出して、種々主張するが、いずれも本件と事案を異にするものであり、上記の判断に影響を及ぼすものでないから、係る主張は採用できない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であり、これを取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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