Trademark Appeal Case
著名商標POLOとの混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成5年審判第7274号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「POLO COLLECTION」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く。)布製見回品(他の類に属するものを除く。)寝具類(寝台を除く。)」を指定商品として、平成3年8月5日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、出願人とは他人であるアメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識として本願出願時には既に著名に至っていた『POLO』の文字を含んでなるものであるから、このような商標をその指定商品に使用するときは、その商品が上記他人と何らかの関係がある商品であるかの如く、その出所につて混同を生じさせるおそれがある。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)「POLO」の文字からなる商標について
▲1▼ラルフ・ロ−レン(Ralph Lauren)について
「男の一流品 大図鑑」(株式会社講談社昭和53年7月20日発行)、及び、「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(サンケイマーケティング(サンケイ新聞データシステムマーケティング事業部)昭和58年9月28日発行)によれば、以下の事実が指摘できる。
(ア)ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして迎えられ、幅が広いネクタイをデザインし、これが若者に支持され、世界に広まったこと。
(イ)ラルフ・ローレンは、翌年独立し、社名を「ポロ・ファッションズ」(現在の「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ」の前身)として、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、カバンなどのデザイン製作を開始し、1971年には婦人服デザインにも進出したこと。
(ウ)ラルフ・ローレンは、アメリカのファッション界では最も権威のある「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、他にも賞を受賞し高い評価を受け、そのブランドを世界に通用させたこと。
(エ)そして、ラルフ・ローレンは、自己の取り扱いに係る商品に使用する商標を「ポロ競技」にヒントを得て採択したこと。
▲2▼「POLO」及び「Polo」の文字からなる商標について
原査定が引用した「POLO」の文字からなる商標は、その配列すべてを大文字で表示したものであるところ、前掲の「男の一流品 大図鑑」、「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、及び、「世界の一流品大図鑑’80年版」(株式会社講談社昭和55年6月20日第二刷発行)、によれば、「Polo」と、第2文宇目以降を小文字で表示した商標が、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして使用されていることが認められ、これは、「POLO」の文字からなる商標と、相互に同一の称呼(「ポロ」)及び観念(「ポロ競技」)が生ずるものと認められ、本願の出願時においても、両者は社会通念上同一の商標であったとみなして差し支えないといえるものである。
▲3▼そこで、以下、本件審判請求事件を審理するにあたり、「POLO」及び「Polo」の文字からなる商標を一括して「POLO商標」という。
▲4▼「POLO商標」の我が国での使用・紹介について
「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」(株式会社洋品界昭和55年4月15日発行)の「ポロ」の項、「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」(ボイス情報株式会社昭和59年9月25日発行)の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項、及び、昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事を総合すれば、我が国においては、ポロ・ファッションズ社(あるいは、ラルフ・ローレン)との契約に基づき、西武百貨店が、昭和52年にラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴の取り扱いを、同53年からは婦人服の取り扱いを開始したことが認められる。
また、前掲の書籍・新聞の外、「別冊チャネラー ファッション・ブランド年鑑’80」(株式会社チャネラー昭和54年9月20日発行)、「男の一流品大図鑑’81年版」(株式会社講談社昭和56年4月25日第二刷発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(株式会社講談社昭和56年6月20日第二刷発行)、「流行ブランド図鑑」(株式会社講談社昭和60年6月25日第2刷発行)によれば、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ジャケット、シャツ、ネクタイ、眼鏡に「POLO商標」が使用されていることが認められる。
▲5▼「POLO商標」の著名性について
以上、認定の事実を総合して検討すれば、「POLO商標」は、我が国においては、遅くとも本願商標の出願の時までにはラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、被服類、眼鏡等のいわゆるファッション関連の商品分野の取引者、需要者の間において広く認識され、かつ著名となっていたものと判断され、その状態は現在もなお継続しているというのが相当である。そして、他にこの判断を覆すに足りる証拠はない。
(2)本願商標の構成について
本願商標は、前記のとおり、「POLO COLLECTION」の文字よりなるものであるところ、「POLO」と「COLLECTION」の各文字が、半文字程度の間隔をもって表されていることより、視覚的にこれら両文字より構成されていると容易に看取されるものであって、これらを常に一体のものとして認識しなければならないとすべき格別の事由が存するものとは判断し得ないものである。
(3)出所の混同のおそれについて
本願商標は、その構成中に「POLO」の文字を有するものである。
一方、前記認定のとおり、「POLO商標」が、我が国において、遅くとも本願商標の出願の時までには、「ラルフ・ローレン」のデザインに係る商品である被服類、眼鏡等のいわゆるファッション関連の商品を表示するものとして、当該商品に関する取引者、需要者の間において著名となっていたといい得るものである。
しかして、本願商標の指定商品は「被服(運動用特殊被服を除く。)布製見回品(他の類に属するものを除く。)寝具類(寝台を除く。)」であって、「POLO商標」が使用されている商品と同一または類似し、ファッション性を有する関連の深い商品であることから、これに係わる取引者、需要者が、本願商標に接した場合には、「POLO商標」との構成上の相違があったとしても、その著名性ゆえ「POLO」の文字部分に着目することで、「POLO商標」を連想・想起し、それがあたかも、「ラルフ・ローレン」、あるいは、同人の事業と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
なお、請求人は、本願商標は「POLO COLLECTION」の一体不可分の標章として機能し得るものであって、」取引者あるいは需要者等においても「POLO」と「POLO COLLECTION」は十分に区別し認識し得るものであり、出所の誤認混同を生ずる虞もない旨述べるとともに、「POLO」の文字を含む商標の登録例を提示し、証拠方法を提出してる。
しかしながら、本願商標は、これをその指定商品に使用するときには、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標と判断されること前記のとおりであって、さらに、「ラルフ・ローレン」の「POLO」、「Polo」の商標について、本件判断とほぼ同様の東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)もあり、この判決における認定の内容をもあわせみれば、提示の事例が本件の結論を左右するものとは認められない。したがって、請求人の主張は採用できない。
4 結語
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、この理由をもって本願を拒絶した原査定の内容は妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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