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Trademark Appeal Case

不使用取消審判の指定商品認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30613(T2001−30613/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3187792号商標の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3187792号商標(以下「本件商標」という。)は、「AUTHENTIC」の欧文字を横書きしてなり、平成5年2月19日登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同8年8月30日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。

1 請求の理由

請求人が調査したところ、本件商標は指定商品のうち「電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者により使用されている事実は発見することができなかった。また、本件商標について、専用使用権、通常使用権の登録もされていない。したがって、これらの者による使用の事実もない。

よって、請求人は商標法第50条第1項の規定に基づき、請求の趣旨のとおりの審決を求めるものである。

2 第一弁駁の理由

平成13年10月1日付の答弁書並びに該答弁書添付の証拠方法によっては、本件商標が本件取消審判の予告登録前3年以内に商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれの者によっても、その指定商品中、本件取消審判に係る「電子応用機械器具」について使用されていたことが何ら立証されていない。

被請求人は、「CS−PCM音声放送チューナ」及び「NXTフラットパネルスピーカー」について、登録商標「AUTHENTIC」を使用していると主張し、これらの商品のカタログ等を証拠として提出し、これらの商品が「電子応用機械器具」に属すると主張しているが、この根拠を示すような主張並びに証拠方法は全く提出していない。

この「音声放送チューナー」は、ディジタル音声放送用の特定の周波数又は周波数帯域幅をもった信号を選択する装置といえる。したがって、当該商品は、「電気通信機械器具」に属するものと考えられる。現に、特許庁の電子図書館においても各種チューナーは「電気通信機械器具」に属するものとされている(甲第2号証)。本件「チューナー」がこれら「チューナー」と別異に取り扱われる理由は見出せない。

また、「NXTフラットパネルスピーカー」は、「音声周波数機械器具」として、「電気通信機械器具」に属するものと考えられる。現に、特許庁の電子図書館においても、「スピーカー」は、「電気通信機械器具」に属するとされている(甲第3号証)。

以上のとおり、これらの商品は「電子応用機械器具」ではなく、「電気通信機械器具」に属する商品である。したがって、被請求人の答弁は、何ら、本件取消審判に係る商品の使用を立証するものではなく、本件商標の商標登録は取消しを免れない。

3 第二弁駁の理由

被請求人は、本件商標が取消請求に係る商品「電子応用機械器具及びその部品」について使用されていることを何ら立証していない。

被請求人が本件商標が使用されていると主張、立証する「カードプレイヤー」(別売アダプター)は、同人も主張するように、ICカードで構成される音声カードを内部に挿入し、この音声カードに録音されているアイドル歌手などの音声メッセージや歌や音楽などを再生しスピーカーから拡声するための携帯用の音声再生装置である。また、「ICカード」はアイドル歌手などの音声メッセージや歌や音楽が録音され、上記カードプレイヤ一に挿入されると、録音された音声メッセージや歌や音楽が再生されるものである。

したがって、これら商品は音声再生のためのものであるから、「電気通信機械器具」に属するものと考えられる。

被請求人は「再生装置とスピーカー」とが内蔵された「ICカード」を取り扱っている旨を主張、立証するが、これはその用途、機能から上記「カードプレイヤ−」と「ICカード」とが組み合わされたものであるから、「音声再生装置」であると解される。したがって、当該商品も、同じく「電気通信機械器具」に属するものと考えられる。

被請求人は、上記商品がディジタル音声情報が符号化(圧縮)された形式で記録され、再生時復号化(伸長)を行うというディジタル・データの変換機能を備えるので、電子応用機械器具に属すると主張しているが、これはCDプレーヤーと何ら変わるところはない。CDプレーヤーが「電気通信機械器具」に属することは明らかである。したがって、この被請求人の主張によっても、「カードプレイヤ−」、「ICカード」が「電子応用機械器具」に属するものとはなり得ない。

また、被請求人は「音声ガイドシステム」及びこれに挿入される「フラッシュメモリカード」と呼ばれる「ICカード」に本件商標を使用している旨を主張、立証しているが、これら商品は音声のガイド(案内)情報を記録しておく「ICカード」と、その音声のガイド(案内)情報を再生する装置からなるものである。したがって、これら商品も他の商品と同じく「電気通信機械器具」に属するものと考えられる。

ちなみに、請求人が特許庁における電子図書館の「商品・役務名リスト」で検索したところ、「音声及び映像再生用フラッシコメモリーカードプレイヤ−、ヘッドフォン型音声再生用フラッシュメモリーカードプレイヤー、電子回路が埋め込まれた音声の録音及び再生の機能を有するICカード、録音・再生機械器具用の磁気ディスク・磁気テープ・フラッシュメモリーカード」等に音声の録音、再生するための商品には「電気通信機械器具」を意味する「11BO1」が付されていた(甲第4号証)。このことから、特許庁も請求人と同じ見解を採っていることは明らかである。

以上述べたように、被請求人は本件商標が取消請求に係る商品に使用されていることを何ら立証していない。

したがって、本件商標の登録の取消は免れない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第30号証を提出した。

1 第1答弁の理由

(1)被請求人は、本件取消審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、指定商品のうち取消の請求に係わる「電子応用機械器具」に属する「CS−PCM音声チューナ」について、商標法第2条第3項第1号及び同第2号に規定する登録商標の使用をしていた。この事実を乙第1号証ないし乙第6号証によって立証する。

被請求人は、乙第1号証の裏面の下部に記載されたその作成年月日によって立証されたように、平成10年9月に、指定商品CS−PCM音声放送チューナ「APM−10XX」の製造販売と、この指定商品の正面パネルに登録商標を印刷によって付すこと、そして、この登録商標を付した指定商品を譲渡するという、商標法第2条第3項第1号及び同第2号に規定する登録商標の使用を開始している。また、この指定商品の製造、販売とこれについての登録商標の使用は、乙第2号証と乙第3号証とに示されるように平成13年9月7日現在まで、ほぼ3年間にわたって継続されてきた。

そして、乙第4号証として提出した物品受領書は、被請求人が商標権者となった平成12年7月14日以後で、かつ本件取消審判の請求の登録前3年以内の平成13年3月21日に、乙第1号証で立証したように本件商標を正面パネルに付したCS−PCM音声放送チューナ「APM−10XX」が商標権者から有限会社オーディオかもんに譲渡されたという事実、したがって、本件商標が指定商品について使用されたという事実を立証している。

(2)被請求人は、商標権者として、指定商品のうち審判請求に係わる「電子応用機械器具」について、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標法第2条第3項第7号の使用をしていた。この事実は上記乙第1号証から乙第6号証によって立証されている。

そして、被請求人が商標権者になった平成12年7月14日以降で本件取消審判の請求登録前3年以内の平成13年3月に、この登録商標が付された商品カタログが音響機器の販売店である上述した「オーディオかもん」の店内に展示され顧客に対して頒布された。念のため、この事実を証明する「有限会社オーディオかもん」による証明書を乙第7号証として添付する。

要するに、本件商標を付した乙第1号証の商品カタログが、乙第4号証によってこの商品の取引の実在が立証される平成13年3月に、商品の宣伝、広告用として販売店の店内に展示され、顧客に頒布されるという登録商標の使用が行われことは明らかである。

また、乙第8号証の裏面の下部に記載されたその作成年月日によって立証されるように、遅くとも平成11年10月に、指定商品に属する「NXT薄型スピーカシステム」の製造、販売と、この商品に登録商標を付すこと、そして、この登録商標を付した指定商品を譲渡するという、商標法第2条第3項第1号及び第2号に規定する登録商標の使用を開始している。

そして、この指定商品の製造販売とこの指定商品についての登録商標の使用は、乙第9号証が立証するように平成13年9月10日現在まで継続されてきた。

さらに、乙第10号証と乙第11号証は、被請求人が商標権者となった平成12年7月14日以後で、かつ本件取消審判請求の登録前3年以内の平成13年2月9日に、乙第8号証のカタログによって立証される本件商標を付した指定商品スピーカシステムの「ミュージックギャラリー」が商標権者から株式会社エムツ−に販売されたという事実、したがって、本件商標が指定商品に使用されたという事実を立証している。

そして、平成11年10月に一括して作成された商品カタログが、広告、宣伝対象の商品の全製造、販売期間にわたって店内に展示され、顧客に対して頒布され続けることは、商取引の実情から明らかである。

要するに、本件商標を付した乙第8号証の商品カタログが、乙第9号ないし乙第14号証によって、この商品の取引の実在が現在にいたるまで立証される。

したがって、本件取消審判の請求の登録日の前3年以内に商品の宣伝、広告用として販売店の店内に展示され、顧客に頒布されるという登録商標の使用が行われていたことは明らかである。

2 第2答弁の理由

請求人は、平成13年12月17日付けの弁駁書において、被請求人が本件取消審判の予告登録前3年以内に本件取消の請求に係わる「電子応用器械器具」について、商標権者等が登録商標を使用している根拠を示すような、証拠を全く提出していないと主張している。

しかしながら、被請求人は、本件取消審判の請求の登録前3年以内の平成10年8月6日以降今日に至るまで、日本国内において、指定商品のうち取消の請求に係わる「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる電子回路に属する「カードプレーヤー」と大規模集積回路に属する「ICカード」に本件商標「AUTHENTIC」を付して販売しており、したがって、商標法第2条第3項に規定する登録商標の使用をしている。

以下、この事実を乙第15号証ないし乙第19号証に基づいて立証する。

まず、乙第15号証は平成10年8月6日付けで商標権者が郵送により特許庁に提出した意匠登録願の写しであり、乙第16号証はこの意匠登録願に添付された新規性喪失の例外証明書提出書の写しである。

さらに、乙第17号証はこの意匠登録出願に基づく意匠公報の写しである。乙第15号証及び乙第16号証は、それぞれの先頭頁の右下隅に付された特許庁出願課の受領印(受理日平成10年8月7日)が示すように、いずれも商標権者の請求に基づいて特許庁の包袋の中から複写されたものである。

そして、乙第18号証は「Mカードシステム、M1タイプ、M2タイプ」と称する商標権者の商品カタログであり、乙第19号証は、平成11年8月に上記商品カタログを印刷して商標権者に納入されたことを証明する印刷業者の「株式会社サンセイ」の証明書である。

以上のことから、乙第18号証の商品カタログに記載されたM1タイプの「別売アダプター」と、乙第15号証の「参考正面図」に記載された「カードプーイヤ−」とが同一の商品であることが明らかである。そして、この「カードプレーヤー」は、乙第16号証中の新聞紙面に記載されたように、「Mカードシステム」の名前で、平成10年8月6日に発売を開始されたものと同一の商品であることが明らかである。

上記商品についての説明から明らかなように、商標権者の製造、販売に係わる商品のMカードは、商標法施行規則(別表九類)の十五「電子応用機械器具及びその部品」の(四)に記載された「集積回路」か「大規模集積回路」に該当し、また、このICカードから音声信号を再生する「別売アダプター」は同じく(四)に記載された「電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く)に該当する。また、この種の音声カードにはディジタル音声情報が符号化(圧縮)された形式で記録され、再生時に復号化(伸長)を行うというディジタル・データの変換機能を備えるという点で、同十五「電子応用機械器具及びその部品」の(一)電子応用機械器具に属する「電子計算機」の性格も備えている。

以上要するに、商標権者は、本件取消審判の請求の登録前3年以内の平成10年8月6日以後、今日に至るまで(少なくとも乙第18号証の商品カタロが印刷された平成11年8月まで)、日本国内において、指定商品のうち取消の請求に係わる「電子応用機械器具及びその部品」に属する「カードプレーヤー」と「ICカード」に本件商標「AUTHENTIC」を付して販売しており、したがって、商標法第2条第3項第1号及び同第2号の登録商標の使用をしている。

したがって、商標権者は、本件審判の請求の日前3年以内に、本件取消請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に属する「カードプレーヤ−」と「ICカード」の商品カタログに本件登録商標を付して展示し、頒布するという商標法第2条第3項の登録商標の使用を行っている。

第4 当審の判断

1 本件について、本件商標の使用者が本件商標権者であること、使用に係る商標が本件商標と社会通念上同一の範囲内であること、商標権者による使用の時期が本件審判の請求の登録前3年以内であり、日本国内での使用であることについては、当事者間に争いがない。

そこで、被請求人が使用していると主張する商品が請求に係る「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品であるか否かについて検討する。

2 被請求人の提出した乙各号証によれば、以下のとおり。

(1)乙第1号証ないし乙第7号証は、いずれも被請求人が本件商標を取消の請求に係る「電子応用機械器具」に属する「CS−PCM音声チューナ」について使用しているとする商品カタログ、被請求人のホームページに掲載された音響製品のカタログ、取引書類及び証明書等であるところ、これらには本件商標が使用され、商品記号「SPM−10XX」もすべて一致しているが、その使用に係る「CS−PCM音声チューナ」と称する商品は、上記のカタログの商品説明によれば「CS−PCM音声放送の受信専用機」と記載されており、該商品は本件商標の指定商品中の「音声周波機械器具」を包含している「電気通信機械器具」に属する商品と認められるものであって、「電子応用機械器具」に属する商品とは認められない。

(2)乙第8号証ないし乙第14号証は、同じく「電子応用機械器具」に属する「NXTフラットパネルスピーカ」について使用しているとする商品カタログ、取引書類及び証明書等であるところ、これらには本件商標が使用され「ミュージックギャラリー」と称する商品名も一致しているが、その使用に係る「NXTフラットパネルスピーカ」と称する商品は、上記のカタログの商品説明によれば「高音質薄型パネルスピーカ」と記載されており、該商品は、上記(1)と同じく「電気通信機械器具の部品および附属品」を包含している「電気通信機械器具」に属する商品と認められるものであり、「電子応用機械器具」に属する商品とは認められない。

(3)乙第15号証ないし乙第19号証は、同じく「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる電子回路に属する「カードプレーヤー」と大規模集積回路に属する「ICカード」について使用しているとする、意匠に係る物品を「カードプレーヤー」とする被請求人が意匠登録出願人の平成10年8月6日付の意匠登録願(写し)及びこれに添付された「新規性の喪失の例外証明書提出書」(写し)とこれを立証する関連記事が掲載された日刊新聞(4紙)、意匠公報それに証明書等であるところ、これらの商品が被請求人によって販売されたのは上記の証明書類によって、本件取消審判の請求の登録前3年以内の平成10年8月16日であり、これらの商品には本件商標が使用されていて、「Mカードシステム M1タイプ,M2タイプ」と称する商品記号等も一致しているものであるが、その使用に係る「カードプレーヤー」と称する商品は、上記の意匠に係る物品の説明によれば「携帯用の音声再生装置」と記載されているものであって、該商品も上記(1)、(2)と同様に「電気通信機械器具」に属する商品と認められるものである。

(4)被請求人が「ICカード」と称する商品は、添付の証明書(乙第16号証 日刊電波新聞)の記事によれば、上記(3)の「カードプレーヤー」の専用の附属品と認められるものであり、このカードが別売りされているとしても、該商品は「カード上の半導体に音声を格納した超薄型音声カード」と記載されており、その商品の用途、機能等からすると、これは本件商標の指定商品中の「録音済み磁気カード」を包含している「レコード」の範疇に属する商品(「画像」も記録されている場合は、「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」の範疇に属する商品)とみるのが相当であり、上記の各証拠によっては、少なくとも、本件取消請求に係る「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品とは認められない。

3 以上のとおりであるから、被請求人が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る商品「電子応用機械器具及びその部品」について使用していることを証明したものとは認めることはできない。また、被請求人は、本件商標をその請求に係る指定商品について使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標は、その指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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