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Trademark Appeal Case

著名商標と結合商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第1991号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ROMEO GUCCI」の欧文字を横書きしてなり、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、平成8年5月2日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『ROMEO GUCCI』と欧文字で横書きしてなるものであるが、これは、イタリア国フィレンツェ市在の『グッチオ グッチ ソチエタ ペル アツィオーニ』が『バッグ,衣料品』等に使用している著名な商標『GUCCI』の文字を含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

(1) 本願商標は「ROMEO GUCCI」と欧文字で横書きして構成された商標であり、「ロメオグッチ」と発音する特定の名称を形成した商標であり、その構成中に「GUCCI」の文字を有しているといえども、その文字に称呼が似ている文字が引用商標中にあるからといって直ちに類似するものではない。蓋し、一般に商標を構成する各文字が一様に連なり、その各語に対応する文字の大きさや、形態に差異がない場合は、仮に一連の商標の構成中に一つの語意を有する単語を含む場合であっても、そのうちの一方が日常使用されていない特異な語であるとか、その語自体が特別顕著な印象を与えるとか、称呼が全体として殊更冗長であるなどの特段の事情がない限り、商標の類似判断は主要部と付加部に区分して観察すべきでなく、商標全体としての称呼、観念を通して一体的に類否判断されることが相当である。特に、現代の流通過程においては、欧文字の同一書体で構成されている商標は、構成全体を直感的に認識し、一連の状態のままで称呼、観念を想起するものである。

すると、引用商標は外観を「GUCCI」、称呼を「グッチ」として需要者、取引者に認識、受認せしめるものであり、本願商標の「ROMEO GUCCI」なる商標とは、全く別異の商標である。

(2) 本願商標は、横一連に書して構成されていることよりすれば、「ロメオグッチ」と称呼され、引用商標における単なる「グッチ」の称呼とは、称呼上両商標は彼此相紛れる虞は無いものである。

(3) 本願商標は、人名であり、特定の観念を生じる商標であり、イタリアで一般的な姓である「GUCCI」の文字を有してなるものである。

(4) 特許庁の審査登録例においても著名になったザ ポロ/ローレン カンパニーの商標「POLO」「ポロ」を一部に有してなる多数の商標が登録され、公告されている。

したがって、これらの例からも出願人が本願商標を指定商品に使用したとしても「GUCCI」と何らかの関係を有する商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。

4 当審の判断

(1) 「GUCCI」の著名性について

イタリア国フィレンツェ ビア トルナヴォーニ 73/ロッソ在のグッチオ グッチ ソチエタ ペル アツィオーニ(以下「グッチオ グッチ」という。)が、各種かばん類、財布、スカーフ、ネクタイ、ブラウス、スーツ、コート、靴、アクセサリー、時計、文房具、香水等の幅広い商品分野において「GUCCI」乃至「グッチ」の商標を使用してきたものであり、我が国においては、昭和39年頃より、株式会社サンモトヤマを総代理店として商品の販売を開始し、宣伝活動を行うとともに販売活動を続け、その結果、同社の商品は、各種ファッション雑誌及び一流品カタログなどで、イタリアの高級品、世界の一流品として紹介されるようになり、本願商標の登録出願時に、既に「GUCCI」及び「グッチ」の標章は、商品表示(商標)として、また、営業表示として、我が国において周知、著名なものとなっていたものと認められる。

(2) 本願商標は、前記構成のとおり、「ROMEO」及び「GUCCI」の各欧文字よりなるところ、「GUCCI」の文字が吸収されて埋没しているものではなく、かつ、全体として不可分一体の既成の観念を示すものとして一般に広く認識されているものともいい難いものである。

この点について、請求人は、本願商標「ROMEO GUCCI」は人名であり、特定の観念を有する商標である旨、主張しているが、本願商標がかかる人名を表すものとして著名なものとなっているものとは認められないし、請求人も何らその証左を示すところがないから、請求人のこの主張は採用することができない。

そうとすると、本願商標をその指定商品に使用した場合には、前記実情からして、これに接する需要者、取引者は、その構成中の「GUCCI」の文字に注目し、前記周知著名になっているグッチオ グッチに係る「GUCCI」標章を想起し、該商品がグッチオ グッチ又は同社と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

なお、請求人は当庁における審査例を示して種々主張しているが、これらの点を考慮しても、本願商標は前記のとおり認定できるものであるから、請求人の主張は採用することができない。

(3) したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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