Trademark Appeal Case
略語「創エネ」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第10189号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「創エネ」の文字を横書きしてなり、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,有価証券・金融先物取引・ゴルフ会員権に係る投資に関する情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,慈善のための募金」を指定役務として、平成8年12月27日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『省エネルギーからより進化し、廃熱活用、太陽光発電等を活用し、エネルギーを創り出す。』の意味の造語として本願出願以前より新聞等に掲載・使用されている(参考 職権による調査では、古くは通産省が省エネルギーに代わる新語の候補としている旨の記事が1990年5月の日経新聞に掲載されている。)『創エネルギー』の略と認識される『創エネ』の文字を書してなるものであるから、エネルギーの節約、省資源、リサイクルの推進の意識が高まっている現代において、このような商標を本願指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「創エネ」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「創」の文字は、請求人の提出に係る甲第1号証によれば、「はじめる。はじめてつくり出す。」等の意味をも有する語であり、同じく、「エネ」の文字は、証拠方法に記載された甲第2号証の「コンサイスカタカナ語辞典」(甲第2号証の実際の提出はない。)によれば、「エネルギー」の略語であることが認められる。
そして、これらの文字を結合した「創エネ」の語は、「創エネルギー」の略語として、省エネと共に又はそれに代わるものとして、太陽熱、太陽光、風力及び地熱等を利用した、電気エネルギー等の新たなエネルギーの創出を意味するものと理解、認識されるとみるのが相当である。
また、近年、とみに温暖化問題など地球規模での環境問題への関心が高まり、環境に配慮したクリーンエネルギーの研究・開発が進められ、太陽電池や太陽熱温水器等を設置した住宅の建築が促進されていることも周知の事実であるから、該文字(語)は、本願指定役務に関する業界との関係からみれば、太陽熱、太陽光等を利用した新たなエネルギーの創出機能を備えた住宅又はその設備をも容易に想起させるものである。
以上のことは、例えば「創エネ」について、株式会社ジー・サーチの提供に係る新聞記事情報データベースをみると、以下のような記事があることからも十分に裏付けられるところである。
(1)「『省・創エネ』で身近な貢献を その第一に挙げられるものは『省エネ』と石油代替エネルギーの利用拡大(創エネ)である。・・・創エネは個人の力では限界があるが、太陽熱温水器などはもっと普及したい。省・創エネは、生活防衛への一歩である。」(「西日本新聞」1991年1月20日朝刊7頁)
(2)「『太陽電池は無尽蔵のエネルギー源で、いわば“創エネ”。』」(「産経新聞」1993年10月25日東京夕刊7頁)
(3)「CEFでは、二酸化炭素の抑制をはじめ、省エネや太陽、風力、バイオガスなどクリーンエネルギーによる創エネ、ごみ発電などリサイクルエネルギーなどの研究開発と提言、普及に力を入れていく。」(「読売新聞」1996年9月5日東京朝刊17頁)
(4)「同フォーラムは、推進すべきエネルギーについて、(1)電気自動車やLPGなどの『省エネ』(2)風力や水力、地熱などの『創エネ』(3)廃棄物から出るメタン発酵ガスやごみ焼却発電などの『リサイクルエネルギー』ーの三形態に分類。」(「日本工業新聞」1996年9月26日12頁)
(5)「省エネから『創エネ』へと、太陽光発電システムがここにきて普及の兆しをみせている。この4月にはシステムを標準装備した住宅が初めて発売されるなど、“エネルギー自給型”の住宅が次代をうかがう。」(「日本工業新聞」1997年3月26日32頁)
(6)「積水化学工業は、10月9日から“省エネ”と“創エネ”でエネルギー自給率100%を達成した『セキスイツーユーホーム Newアーシア』=写真=を発売する。空調換気設備などで省エネを高めただけでなく、『光・熱複合ソーラーシステム』と呼ばれる太陽光発電と太陽熱給湯を一体化した業界初のシステムを採用。3キロワット規模のシステムの場合エネルギー自給率は58%、6キロワットであれば100%自給出来るという。ソーラーシステムは工場で屋根に組み込むため品質が安定し、外観も屋根と一体化してデザインを損なわない。」(「毎日新聞」1999年9月30日東京夕刊15頁)
(7)「積水化学、省・創エネ住宅を拡充、光・熱複合ソーラーシステム塔載 積水化学工業は、太陽光発電などによる“省・創エネルギー”を軸として、住宅事業の拡充を推進する。昨年四月に発売した鉄骨系ユニット住宅『進パルフェ』(フラットルーフ)が太陽光発電システムを標準搭載し予想を上回る受注を得たことから、今月末に発売する勾配屋根系『進ドマーニ』では新たに太陽光発電と太陽熱給湯を組み合わせた光・熱複合ソーラーシステムを開発、四タイプのうち三タイプに標準搭載した。」(「化学工業日報」2000年4月14日3頁)
(8)「七〇年代に創エネの『サンシャイン計画』と、省エネを目指す『ムーンライト計画』が誕生。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が太陽光発電、太陽熱利用、風力・地熱発電や燃料電池さらにバイオマス(生物エネルギー資源)などの開発に取り組む。」(日本農業新聞」2000年6月18日2面)
(9)「R&D戦略 わが社の手の内:松下電工住建分社(下)赤阪保氏に聞く 『省エネから“創エネ”を目指した商品として、戸建て住宅用の太陽光発電システム『サンベスト』を発売している。』」(「日本工業新聞」2002年1月22日2頁)
(10)「発進『創エネ住宅』:住まいと太陽の共生(1)第1部〜(25)第3部」(「日本工業新聞」2002年3月1日〜同年9月13日)
そうすると、本願商標をその指定役務中「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供」等に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その役務が前記機能を備えた建物に関するものであるという、役務の質(内容)を表示したものと直ちに理解、認識するというべきであり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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