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Trademark Appeal Case

記述的商標の使用による識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第7998号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ひようたんサブレー」の仮名文字を横書きしてなり、第30類「サブレー」を指定商品として、平成9年1月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

本願商標は、ひょうたん型のサブレー菓子であることを認識させる「ひょうたんサブレー」の文字を普通に書してなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは単に商品の形状を表示するにすぎないものと認める。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審の判断

本願商標は、前項1のとおり「ひようたんサブレー」の仮名文字からなるところ、「ひょうたん」の文字は、「ウリ科の蔓性一年草であって、果実は普通中央部にくびれがあるが、そうでないもの、小型のセンナリビョウタンなど」を意味する語として親しまれているものであり、「サブレー」の文字は、本願商標の使用に係る商品(指定商品)を表す語である。

ところで、「ひょうたん」は、一般的に「ひさご」「ふくべ」ともいわれ縁起の良いものとされ、身近に栽培されている。そして、その果実は容器、置物等へ加工され、またその独特のくびれた形状は人工池や菓子等の形状に模されることが多々ある等極めて親しまれているものであり、菓子の業界においても、例えば、インターネット情報によると、ひょうたん形状の最中、ケーキ菓子、和菓子、ハッカ糖、水羊羹、どらやき等その独特の形状を模した菓子があり、それらについて「ひょうたん最中」、「ひょうたんケーキ菓子」、「ひさご糖」、「ひょうたん菓子」、「ひょうたん焼き」等と呼ばれ、各地で製造・販売されている実情が窺える。

そうしてみると、本願商標は、「ひょうたん」と「サブレー」の語を連結してなるものであり、その両語が連結されることにより全体として、それぞれの意味を超えて特定の意味合いを表すものとは認められないことから、需要者をして、ひょうたん形状のサブレー菓子を端的に表しているものと認識するにすぎず、結局、商品の形状、品質を表わしているものであって、自他商品の識別標識として機能し得ないものといわざるを得ない。

しかしながら、請求人(出願人)は、神奈川県大井町の特産品として町のシンボルとなっているひょうたんを模した菓子を製造販売するもので、町おこし振興事業として本願商標を採択し、大井町を始め神奈川県内のデパート、その他の土産屋等で販売しており、本願商標は商標法第3条第2項所定の要件を満たすものであると述べ、証拠方法として第1号証ないし第3号証及び第5号証ないし第111号証を提出しているので、それについて検討する。

請求人が提出している証拠によると以下のことが認められる。

(1)本願商標を使用したサブレー菓子の包装用容器(紙箱見本)である第1号証によると、紙箱の裏面に表されている商品販売票には、名称「焼菓子」、販売者「大井町ひょうたん文化推進協議会」等と記載され、その表面には、他の文字よりも大きく「ひょうたんサブレ」の文字が記載され、そして、包装箱に貼り付けられている封緘紙には、全体が茶色のひょうたん形状の紙片に金色の細線によるひょうたん形の輪郭が施され、それにほぼ内接するように金色で「ひょうたん」の文字とその「たん」の文字の左側に「サブレ」の文字を二行に縦書きされている。

(2)「ひょうたんサブレ」商標に関する意見書(平成10年11月19日付足柄上商工会会長が作成したものの写し。宛名、書類管理番号の欄の番号は空欄となっている。)である第2号証には、大井町は町のシンボルとして「ひょうたん」を取り上げていること、町の特産品として大井町商工振興会が、町の特産としてひょうたんを育てあげようと諸事業を行っていること、「地域産品等開発事業」の中で請求人に開発委託して「ひょうたんサブレ」が誕生したこと、「ひょうたんサブレ」の販売拡張は請求人と商工会の2ルートで行っていく計画であること等が記載されていることが認められる。

(3)「ひょうたん漬け&ひょうたんサブレ」販売店募集案内書(平成9年2月4日付大井町商工振興会会長作成)である第3号証では、販売商品名及び小売価格等として「■ひょうたんサブレ 1000円」と記載し、その説明として『モンテローザさんと共同開発した「ひょうたんの形のサブレ」、・・』等と記載されている。

(4)本願商標が周知著名であることの証明書である第6号証ないし第110号証によると、「証明願」(依頼者は請求人)と題し、本願商標を記載し、その下段に「・・・弊社(請求人を指す。)が盛んに製造しているものであって、商品洋菓子サブレーについて、足柄郡、大井町を始め横浜市内などを中心にして広く使用した結果、「ひょうたんサブレー」といえば「大井町ひょうたん文化推進協議会」、「ひょうたん文化推進協議会」といえば「ひょうたんサブレー」と想起認識できる程周知著名となっている商標であることをご証明願います。」等と記載し、その下段に「証明書」「上記の通り相違ないことを証明します。」と定型化された用紙に事業者が証明書の所定の欄に記名捺印されているものである。

(5)請求人におけるひょうたんサブレー製造販売実績証明書である第111号証によると、平成9年2月ないし同11年4月の製造販売セット数(12枚入り)は5,992セット、製造販売バラ数量は24,474枚と記載されている。

上記事実よりすると、神奈川県大井町の「大井町ひょうたん文化推進協議会」による町おこし事業の一環として請求人がサブレー菓子を製造し、その商品に「ひょうたんサブレ」の商標を付して「大井町ひょうたん文化推進協議会」が相当数販売しているものと認められる。

ところで、その商標の構成態様からして自他商品を識別する標識として機能し得ないものであるとしても、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものと認められる商標は、その需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる表示(使用商標)と同一の商標に限られると解される。

しかしながら、本願商標は「ひょうたんサブレー」の文字からなるものであるところ、第1号証ないし第3号証(包装容器、意見書及び販売店募集案内書)に表されている商標は「ひょうたんサブレ」の文字からなるもので、語尾に「ー」(長音)の有無の違いがあり、また、包装容器に貼り付けられている封緘紙の表示も、「ひょうたんサブレ」の文字を含むものであるとしても、その構成態様が全く相違するもので、いずれも本願商標と異なる商標を使用しているものと認められる。

また、事業者による証明書(第1号証ないし第110号証)は、予め用意され定型化された依頼文書に事業者が記名捺印して作成されたもので、請求人(出願人)が提出している証拠資料では、この証明は、関係している事業者により作成されたものと推測され、同業他社や公的機関の証明もないことも考慮すると、本願商標が需要者の間において何人かの業務に係る商品であるかを認識するに至っていることを反映しているものとは認め難いものである。

してみれば、本願商標は、上記で認定したとおり、商品の形状、品質を表すものであり、菓子の業界においてひょうたん形状を模した菓子が各地で製造販売されている実情を考慮すると、請求人が提出している証拠のみによっては、本願商標が需要者の間に何人に係る業務の商品であるかを認識されるに至っているものと認めることはできないものである。その点についての請求人の主張を採用することはできない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した、原査定は、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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