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Trademark Appeal Case

著名商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第316号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成7年4月5日に登録出願されたものである。

2 当審における拒絶の理由

(1)本願商標は、その構成中に「STEFANO VALENTINO」の文字を有してなるところ、後述するとおり、イタリア国在住のデザイナー「VALENTINO GARAVANI」(オランダ国在の関連企業「バレンチノ グローブ ベスローテン フェンノートシャップ社」)が「紳士・婦人服」等に使用している著名な商標「VALENTINO」の文字を含むものである。また、本願商標中の「STEFANO VALENTINO」の文字が、一般に親しまれた特定の熟語を表すものとか、特定の人名を表すものとして知られているとかの事情は認められない。そして、本願商標はその指定商品を「洋服,コート,セーター類,ネクタイ,スカーフ、ベルト,靴類」等とするものである。

(2)「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)の文字(標章)について職権により証拠調べを行ったところ、下記の事実を発見した。

(ア)「ライフカタログVOL.1世界の一流品大図鑑」(昭和51年6月5日株式会社講談社発行)の「ヴァレンティノ・ガラバーニ」の欄において、「イタリアファッション界の旗手と呼ばれ、女性を最高に美しく見せるデザイナーとして高く評価されています。(略)ヴァレンティノは、1952年、ジャン・デシーのアトリエ主任をした後(略)ファッションオスカー賞を獲得し、国際的な名声を得ました。(略)今シーズンのヴァレンティノのデザイン傾向はクラシック。」との内容(第44頁)、「ヴァレンティノ」の見出しでの「ブラウス、セーター」(第54頁)、「ネクタイ」(第91頁)の商品掲及び「一流ブランド物語ヴァレンティノ・ガラバーニ」の欄において「(前略)ヴァレンティノ・ブティックには(後略)」(183頁)とそれぞれ掲載されていること。

(イ)「EUROPE一流ブランドの本」(昭和52年12月1日株式会社講談社MOOK発行)において、「ヴァレンティノガラバーニ」の所有する店舗の紹介(ローマだけでも四店、世界中だと100店と超えるという。)と簡単な経歴が「婦人服」の商品と共に掲載(95頁)されていること。

(ウ)「ライフカタログVOL.8世界の一流品大図鑑’78年版(昭和53年5月10日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ」の見出しでの「ネクタイ」(第32頁)、「シャツ」の商品の掲載(第134頁)及び「ヴァレンティノ・ガラバーニ、(略)イタリアで『王様』の称号を与えられる世界一のプレタ・ポルテ界の第一人者」(第134頁)と記載されていること。

(エ)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)において、「ヴァレンティーノ(valentino)」の項にイタリアのデザイナーと記載(第64頁)され、また、「イタリアヴァレンチィーノガラヴァーニ『Valentino Garabani、1932〜』」の項に、「イタリア北部の都市(ヴォゲラ)に生まれる。17才でリセオ(中学)を中退、パリに行く。スチリストになるため、パリのサンジカ(パリ高級衣装店組合の学校)で技術を身につける。1951年、ジャン・デッセ(オート・クチュール)のもとで5年間アシスタントとして仕事をする。その後2年間、ギ・ラローシュのアシスタントをし、1958年独立、ヴァレンティーノ・クチュールの名でローマに店を開いた。(略)彼の最初の仕事は、フィレンツェのピッティ宮殿でのコレクションである。このコレクションは、〈白だけの服〉という珍しい演出であったが、その美しさはジャーナリストの間で評判となり、『ニューズ・ウィーク』『ライフ』『タイム』『ウィメンズ・ウェア・デイリー』各誌紙で取材、モードのオスカー賞を獲得した。1967年、ヴァレンティーノの名は世界に知れわたった。1972年には紳士物も始め、その他アクセサリー、バッグ、宝石類、香水、化粧品、家具、布地、インテリアと、その仕事の幅はたいへん広いが、すべてヴァレンティーノ独特のセンスを保っているのはみごとである。ヴァレンティーノの洋服に対する考えは、まず個性が第一で、彼のコレクションからは、デテールでなくそのエスプリをくみ取ってもらうことに重きをおく。(略)ヴァレンティーノは現在、ローマのオート・クチュール界で最も好調なデザイナーといえる。以前から東洋風なエキゾティシズムが好きで、時によってトルコ風、アラブ風の特色がみられるが、最近はキモノのセクシーさを1950年代のハリウッドの雰囲気に表現、あやしく美しいヴァレンティーノの世界をつくり出している。」旨の紹介記事が掲載(第29頁及び第30頁)されていること。

(オ)「朝日新聞」(昭和57年11月20日夕刊第3頁)において、世界の服をリードする3人のうちの1人として「バレンチノ」の紹介記事が掲載されていること。

(カ)「ライフカタログVOL.22男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」の文字と共に、「スーツ、ブルゾン、シャツ、ネクタイ、ベルト及びバッグ」の商品が掲載(第13頁、第37頁、第49頁、第75頁及び第83頁)されていること。

(キ)雑誌「non-no’89No23」(平成元年12月5日株式会社集英社発行)において、「ヴァレンティノ・ガラバーニ」が単に「ヴァレンティノ」と略称され、商品「婦人服」等と共に掲載(173頁)されていること。

(ク)雑誌「marie claire」(1996年2月1日中央公論社発行)において、今月の大特集/ファッション界最大のスター「ヴァレンティノ」の文字が表紙に大きく表示され、「ヴァレンティノの赤」、「ヴァレンティノを着た女性」、「ヴァレンティノをめぐる美しき女神たち」の文字とともに24頁にわたって掲載(第66頁ないし第89頁)されていること。

(ケ)「英和商品名辞典」(1990年株式会社研究社発行)の[Valentino Garavani]の項において、「イタリアRomaのデザイナーValentino Garavani(1932〜)のデザインした婦人・紳士物の衣料品・毛皮・革製バッグ・革小物・ベルト・ネクタイ・アクセサリー・婦人靴・香水・ライター・インテリア用品など。Roma,Firenze,Milanoなどにあるその店の名称はValentino(vは小文字でかくこともある)。・・・」との記事及びデザイナーとしての紹介記事が掲載(第447頁)されていること。

(コ)「世界の一流品大図鑑’93年版」(平成5年5月20日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO」ブランドの香水が掲載(第278頁)されていること。

(サ)「岩波ケンブリッジ世界人名辞典」(1997年11月21日株式会社岩波書店発行)の[ガラヴァーニ]の項において「ヴァレンティノGaravani,Valentino通称ヴァレンティノValentino(伊1933-)服飾デザイナー・・・・」との紹介記事が掲載(223頁)されていること。同じく、[ヴァレンティノValentino]の項において、「ガラヴァーニ、ヴァレンティノ」を見よとの表示(84頁)があること。

(シ)「別冊チャネラーファッション・ブランド年鑑2001」(2001年1月20日株式会社チャネラー発行)において、インポート「株式会社ヴァレンティノブティックジャパンの『ヴァレンティノ(VALETINO)、直輸入(後略)』」(第550頁)、アクセサリー&ファッション雑貨「ヴァレンティノ(VALENTEINO)」の『(品目)紳士ベルト、(商品特徴)イタリア、ファッション界の大御所的存在のヴァレンティノ・ガラバーニ(後略)』」(第739頁)と掲載されていること。

(ス)雑誌「JJジェイジェイ1月号」(2001年1月1日光文社発行)において、「VALENTINO、小物が評判のヴァレンティノ実は洋服も上品なセンスで注目」の記事及び「Vのロゴ」の背景入りの写真が掲載(第99頁)されていること。

(3)以上の事実よりすると、「VALENTINO」「valentino」(ヴァレンティノ)「VALENTINO GARAVANI」「valentino garavani」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)よりなる商標(以下「引用商標」という。)は、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ(VALENTINO GARAVANI)氏がデザインした婦人服、紳士服、アクセサリー、バッグ等のファッション関連の商品におけるデザイナーブランドとして、少なくとも本願商標の出願前において、わが国の取引者、需要者の間に広く知られていた事実が認められる。

(4)ところで、本願商標は、その構成中に「VALENTINO」の文字を有するものであるところ、前記(3)において認定したとおり、「VALENTINO」の文字は、周知、著名なものであるから、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「VALENTINO」の文字部分に自ずと注意を惹かれ強く印象づけられるものと認められる。そして、本願商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品とは、その用途、品質又は製造・販売過程よりしてともにファッション関連分野に属する商品であって、需要者を共通にする。そうすると、「VALENTINO」の文字を含む本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、周知、著名である引用商標「VALENTINO」を容易に連想、想起し、その商品が前記デザイナーブランドに係る商品の一種ないしその兄弟ブランド、ファミリーブランドであるかの如く誤認し、その商品があたかも上記デザイナーあるいは同人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生じさせるおそれが少なからずあるものといわなければならない。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

請求人は、上記2の当審における拒絶の理由に対して、平成13年12月21日付け提出の意見書において、本願商標は、全体としてある欧米人の氏名を表したものと認識されるものであり、本願商標より生ずる「ステファノヴァレンチノ」の称呼も、格別冗長なものではなく、淀みなく一連に称呼し得るから、本願商標は、後半部のみで「ヴァレンチノ」と略称されることはなく、称呼上も引用商標とは十分に区別し得ることが明らかである旨主張する。

しかしながら、V字状の図形の下に表記されている「STEFANO VALENTINO」の文字は、「STEFANO」と「VALENTINO」の各文字が分離して表示されているばかりでなく、「STEFANO VALENTINO」という人名がわが国において広く知られている事実も認められないから、取引者、需要者は、デザイナーであるヴァレンティノ・ガラヴァーニ(VALENTINO GARAVANI)氏に係る商品を表示するものとして著名な商標「VALENTINO」と同一の文字よりなる「VALENTINO」の文字部分に注意を惹かれ強く印象づけられるものと認められる。

そして、上記2の当審における拒絶の理由に示したとおり、「VALENTINO」の文字を含む商標は、わが国においてファッション関連商品に使用された結果、取引者、需要者に上記デザイナーに係る商品を表示するものとして広く認識されているものであり、本願商標は、構成中の「VALENTINO」の文字部分から周知、著名である引用商標「VALENTINO」を容易に連想、想起し、その商品があたかも上記デザイナーあるいは同人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものというべきであるから、請求人の主張を採用することはできない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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