Trademark Appeal Case
容器形状の識別力と使用による識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−20614(T2000−20614/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年12月28日に立体商標として登録出願されたものであるが、指定商品については、同12年3月17日付け手続補正書により、第5類「20%ホルマリン液(ホルムアルデヒド7%含有)の病理検査用臓器保存用液」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、商品の責任者票を貼付した蓋付きの透明の容器と認められるものであるから、その立体的形状は、商品の容器の一形態を表したものと容易に認識され、これを指定商品に使用しても、単に商品の容器の形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲に示すとおり、内容物を記す欄が設けられた商品の責任者票のごときシールが貼られた蓋付きの透明容器の形状からなるものであるところ、該形状は、液状又は粉状等に係る薬剤を収納する容器(蓋付きの収納容器)の形状の一形態を表すものである。また、そこに貼られたシールにしても、容器の内容物を記すためのものとして認識されるに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものということができないものである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、単に商品「20%ホルマリン液(ホルムアルデヒド7%含有)の病理検査用臓器保存用液」の収納容器と認識するにすぎないものというのが相当である。
なお、出願人(請求人)は、本願商標は、実際の取引段階において、十分な自他商品識別力を発揮しているので、商標法第3条第2項の適用により、商標登録を受ける適格性を有する旨主張し、平成12年11月28日付け物件提出書により、証拠として第1号証ないし第5号証を提出し、さらに、当審において、これらの写しを再度提出している。
ところで、商品等の形状に係る立体商標が、商標法第3条第2項に該当するものとして登録を認められるためには、原則として使用に係る商標が出願に係る商標と同一の場合であって、かつ、出願人(請求人)がその商標が使用により識別力を有するに至ったものであることを書面等により立証しなければならないものと解される。
そこで提出に係る前記各号証を検討するに、これらは、健康診断センター、クリニック、病院の検査科を証明者とする証明書であるが、いずれも出願人(請求人)の作成に係る画一的な証明書に、出願人(請求人)とは取引先あるいは、顧客の関係にあると思われる者が署名捺印したものであって、客観性に欠けるものであり、また、これらの者が、証明に係る立体商標を「20%ホルマリン液(ホルムアルデヒド7%含有)の病理検査用臓器保存用液」の自他商品識別標識として認識した上で署名したものであるかどうかについても定かではなく、これらの証拠のみでは、本願商標が使用により自他商品識別力を有するに至ったものであるとすることができず、出願人(請求人)の上記主張は、採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの原査定は、妥当であって、取り消すことはできないものであり、かつ、同法第3条第2項の要件を具備しているものとも認められないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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