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Trademark Appeal Case

商品機能と立体商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−3841(T2001−3841/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成12年8月28日に登録出願されたものであるが、指定商品については、同13年1月24日付け手続補正書をもって、「コーンカップ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、その指定商品、例えば、『スナック菓子、ソフトクリーム、アイスクリーム』等との関係よりすれば、その商品の形状或いは形状(収納容器)の一形態であることを容易に認識させる立体的形状をもって表したものであること、また、その構成中の『DESSERT』の文字部分は、『食事の最後のコースとして出るパイ・プディングなど』等の意味を表し、本願指定商品中、前記文字に照応する商品、例えば、『洋菓子』との関係において、デザート用の意味の、商品の用途を表す語とみられること等から、このようなものを出願人が本願指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の形状或いは形状(収納容器)、並びに商品の用途を、一体として表したものと理解するに止まり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」と認定し、さらに、「補正後の指定商品『コーンカップ』にあっても、本願商標は、その形状の一形態であることを容易に認識させるものである。」として、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、別掲のとおり、外周面に、上から約3分の1を占める部分に凹凸模様を、該凹凸模様の下の部分に浮き彫りの四角模様を施し、前記凹凸模様内の一部に、輪郭部を浮き彫りにした横長楕円図形を描き、該横長楕円図形内に浮き彫りの「Dessert」の文字及び扁平な輪状図形を書してなる「コーンカップ」、すなわち、アイスクリームを盛るコムギ粉製の容器(株式会社調理栄養教育公社、「調理用語辞典」第1版第10刷発行)の立体的形状よりなるものである。

(2)本願商標に関し、請求人(出願人)は、「本願商標は、商品『コーンカップ』の全体模様に係る立体商標であって、横長楕円輪郭内の『Dessert』の文字及びその下に描かれた線、並びにコーンカップの外周上に描かれた凹凸模様及び四角模様との組合せにより、自他商品の識別力を有するものである。」旨主張する。

そこで、前記(1)で認定した模様及び文字等が施された「コーンカップ」の立体的形状について、これに接したその需要者が指定商品の形状そのものの範囲を出ないと認識するか否かについて検討する。

(3)商品の立体的形状は、本来、商品の目的とする機能を効果的に発揮させたり、あるいはその美感を高める等の見地から選択されるものであって、本来的(第一義的)には商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として採択されるものではない。

そして、商品の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように商品の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品の形状を表示したものであると認識するにとどまり、このような商品の機能又は美感に由来する形状は、多少特異なものであっても、未だ商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。

また、当該商品そのものの立体的形状に、単なる地模様的装飾、その他自他商品の識別機能を有しない文字等が付加されている場合には、商標全体として自他商品の識別力を有しないことはいうまでもない。

(4)これを本願商標についてみるに、コーンカップの外周面の下部に施された四角模様は、商品の美感を高め、消費者の購買意欲を高める働きがあることもさることながら、これを持つ場合に、滑らず持ちやすいといった商品の機能を効果的に発揮させるために施されたものと容易に理解されるものである。また、四角模様が施された部分が下に向かって細くなっているという点、及び底部が平らである点についても、持ちやすさ、置きやすさといった商品の機能に由来するものであるといえる。

さらに、コーンカップの外周面の上部に施された凹凸模様は、商品の美感を高めるための装飾とみられないこともないが、単なる地模様を表したと理解されるものであり、格別顕著なものであるとの印象をその需要者に与えるものとは認めることはできない。

加えて、コーンカップの外周面上のありふれた横長楕円図形内に書された「Dessert」の文字部分は、「西洋料理で、食事の最後に出す菓子・果実など」(広辞苑 第5版)を意味するものとして、需要者の間で広く知られているものであり、コーンカップは、前記したとおり、アイスクリームを盛るコムギ粉製の容器であることからすれば、これがアイスクリームを入れて使用された場合には、「デザート用の商品」なる意味合いを看取させ、自他商品の識別機能は極めて弱いものというべきである。さらに、該「Dessert」の文字の下に描かれた線は、付記的なものと認められる。

また、本願商標の立体的形状中、上部の口に当たる縁の部分の形状は、商品の美感を高めるために採られたものであると同時に、内容物であるアイスクリームが入れやすい、あるいは溶けたアイスクリームがコーンカップの外周にこぼれ出ないようにするために採択されたものといえるから、商品の機能、又は美感をより効果的に発揮させるために施されたものと認められる。

以上を総合すれば、本願商標は、コーンカップの立体的形状そのものに、凹凸模様及び四角模様を施してなり、かつ、その口部に多少の変更、装飾等が施されているものであるとしても、それは商品の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであり、また、ありふれた横長楕円図形内に書された「Dessert」の文字及び線図形は、それ自体自他商品の識別機能が極めて弱いものであると認められるから、構成全体をもって、この種商品の分野において普通に用いられる商品の形状の範囲内のものといわなければならない。

したがって、本願商標は、需要者をして、コーンカップの形状を表示したものと認識させるにとどまるものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。

なお、請求人は、コーンカップの製造、販売をする会社として最大手であり、本願商標を平成4年2月より継続して使用し、その販売数量は、例えば、平成9年度は5400万個弱、平成10年度は6000万個弱、平成11年度は5000万個弱であるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない旨主張し、商品カタログを提出しているが、該商品カタログからは、請求人主張の売上数量が明らかになるものではなく、まして、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至った商標であると認定することもできない。

その他、本願商標が、自他商品の識別標識としての機能を有するものであるとして、需要者に認識されているという格別の理由は見出せない。したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

(5)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は、妥当なものであって取り消すべき理由はない。

よって、結論のとおり審決する。

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