結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2002−35166(T2002−35166/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4518473号商標(以下「本件商標」という。)は、「楽天グルメ」の文字を標準文字で横書きしてなり、平成12年8月12日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供に関する情報の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供,飲食物の提供の契約の媒介又は取次ぎ,気象情報の提供,求人情報の提供,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供に関する情報の提供,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,建築物の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として、平成13年11月2日に設定登録されたものである。その後、本件商標に係る商標権は、放棄により消滅し、平成14年7月22日にその抹消の登録がされているものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4453054号商標(以下「引用商標」という。)は、「楽天」の文字を横書きしてなり、平成11年4月12日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,救命用具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,遊園地用機械器具,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,火災報知機,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,金銭登録機,計算尺,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,電気溶接装置,メトロノーム」、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印刷用インテル,印字用インクリボン,活字,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,封ろう,マーキング用孔開型板,郵便料金計器,輪転謄写機,観賞魚用水槽及びその附属品」、第35類「広告,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,文書又は磁気テープのファイリング,広告用具の貸与,タイプライター、複写機及びワードプロセッサの貸与」、第41類「図書及び記録の供覧,映画、演芸、演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映、制作又は配給,放送番組の制作,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,通信を用いて行うゲームの提供」、第42類「電子計算機用プログラムの提供,電子計算機のプログラムの設計・作成及び保守,電子計算機の貸与」を指定商品又は指定役務として、平成13年2月16日に設定登録されたものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第23号証を提出している。
請求人は、現在、「楽天市場」「楽天」等の登録商標を用いて、インターネット・ショッピング・モール等を運営している(甲第4号証,甲第5号証)。請求人が提供している複数のサービスの一つとして、「楽天グルメ」との商標を用いて、平成14年2月から、メール・マガジンのサービスをインターネットを用いて行っている(甲第6号証及び同第7号証)。また、この商標を登録すべく商標出願(甲第8号証)を行っている。
(1)本件商標は、請求人の所有する引用商標や請求人が使用している商標である「楽天」と類似し、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に該当する。 ‐
本件商標は、「楽天グルメ」の文字を書してなるものであり、漢字「楽天」と片仮名「グルメ」の2つの部分から構成されていること、「グルメ」は一般的に「美食家」というフランス語であることが知られていることから、これより「ラクテン」の称呼及び「楽天」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、「楽天」からなるものであるから、「ラクテン」の称呼及び「楽天」の観念を生ずるものである。
また、請求人は、インターネット等でよく知られているとともに、社名でもある「楽天」をハウスマークとして使用して、「楽天」なる語を使用したいろいろなサービスを、インターネット上等において提供しており(甲第11号証ないし同第15号証)、「楽天」といえば、請求人が行っている事業であることの認識が、インターネット等の利用者に広く存在している。
そして、本件商標にかかる指定役務第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」と引用商標の指定役務中第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」とは、同一又は類似の役務である。
以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定役務も同一又は類似する役務である。
その上、本件商標と請求人が使用している「楽天」とは、相違するとしても、上述のように「ラクテン」の称呼、「楽天」の観念を共通にしているので類似しており、「楽天」が上述のような請求人の多角的な業務に使用していることが広く知られているので、本件商標にかかる指定役務中、上記以外の役務においても、請求人の役務と混同を生じさせる。
(2)本件商標は、被請求人の自己の業務に係る商品又は役務について使用をしないことが明らかであるので、商標法第3条第1項柱書きにより登録を受けることができないものである。
被請求人は、合計18件の商標出願を行っている(甲第16号証)。
これらの出願の指定商品や指定役務は多岐にわたっている。
これらの多岐にわたる指定商品や指定役務を全て、個人である被請求人が「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する」ことや「業として役務を提供し、又は証明する」ことを行うとは考え難い。
また、被請求人は、IDEA SUPPORTというグループに所属しており、特許・商標等調査・ネーミング・商標見本作成・サービスマーク作成を担当している(甲第17号証)。
これらのことを勘案すると、被請求人が、自己の業務に係る商品又は役務について使用をしないことが明らかである。
(3)本件商標は、請求人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、日本国内の需要者に広く認識されている商標である引用商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用するものであるので、商標法第4条第1項第19号により登録を受けることができないものである。
ア 商標「楽天」は、上述のように、日本国内における特にインターネットを利用しているユーザに請求人の業務として、広く認識されている。
そして、上述のように、本件商標は「楽天」と類似している。
イ 被請求人が勤めていた矢間総合事務所が行っている「ネーミングの会」では、「商標の売り込みのポイント」に関する情報を提供している(甲第19号証)。
そして、この「ネーミングの会」の売り込みの成功例として、被請求人の所有している「完勝」(登録商標)をインターネット上等で公開している(甲第20号証及び同第21号証)。
ウ 被請求人は、本件商標を含めて、「楽天」関連の商標出願を3件(「楽天グルメ」(登録商標)、「楽天市場」(商標出願))行っている(甲第16号証)。
被請求人は、上述のように自分の業務に使用しないと明らかに思われ、しかも請求人が使用している商標と関連している商標を複数出願しているのは、前述の商標である「完勝」と同様に、他人に使用させて不正な利益を得る目的で取得したことが推認できる。
本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号及び同法第3条第1項柱書きに違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、商標出願・登録情報の検索資料、完勝グッズのホームページ資料を提出している。
被請求人は、友人と楽天グルメのホームページを作る予定で本件商標を登録出願したが、その後友人が病気になり、被請求人も複数の病気が見つかったために予定を停止している。
現在 特許庁のホームページから、商標「楽天」に関する商標出願・登録情報検索を行うと67件が検索される。
結果、商標「楽天」に関係する他社が所有する商標登録件数は49件ある。
別途、商標「楽天」を商標出願・登録情報検索を行うと、請求人以外に他社が所有する商標「楽天」が7件検索される。
商標「楽天」については、多数の会社が種々の指定商品又は指定役務について登録を受けており、単なる「楽天」だけでは自他商品又は役務の識別力は弱いものである。
被請求人が所有する本件商標は、請求人の所有する引用商標に類似していないので、同一又は類似の役務について使用するものでなく、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に該当しない。
なお 商標登録「完勝」に関し、被請求人が使用していないと請求人が審判請求書に記載されているが、商標登録「完勝」は、完勝グッズとしてインターネットで販売しており、今後も新商品を増やしていく予定である。
本件商標は、「楽天グルメ」の文字よりなるものであるところ、請求人の提出に係る「有価証券報告書」(甲第4号証)によれば、平成9年2月にオンラインコマースサーバーの開発及びいわゆるインターネットショッピングモール「楽天市場」の運営を行うことを目的として株式会社エム・ディー・エムを設立、同年4月には楽天市場ニュースの配信を開始、同年5月にいわゆるインターネットショッピングモール「楽天市場」のサービスを、また、同10年7月に「楽天オークション」のサービスをそれぞれ開始していて、同年11月に財団法人マルチメディアコンテンツ振興協会主催第13回マルチメディアグランプリ1998ネットワーク部門ビジネス賞を、同11年8月に日本経済新聞社主催「’99日経インターネットアワード」にて日本インターネット協会賞をそれぞれ受賞し、また、楽天市場への出店企業も、同12年2月には2,000社を超えていたことが認められ、また、社名については、平成11年6月に請求人の「楽天株式会社」へ変更されたことが認められる。
そうすると、請求人の提出に係る証拠を総合すれば、請求人がインターネットサービス事業に使用する「楽天市場」の文字からなる商標及び「楽天」の文字からなる商標は、本件商標の登録出願時において、取引者、需要者の間に広く認識され、著名なものとなっていたと認められ、その著名性は登録査定時(平成13年9月18日)においても継続していたものと推認される。
そこで、本件商標についてみるに、本件商標は、上記のとおり「楽天グルメ」の文字よりなるものであるところ、当該文字は、漢字と片仮名文字という文字の種類を異にすることから、漢字の「楽天」と片仮名文字の「グルメ」の両文字で構成されているものと認識され、したがって、本件商標は、視覚上、その構成中に「楽天」の文字を含むものと容易に看取されるものである。
そして、近年、インターネットを通じて、多くの商品、役務に関する情報が配信され、あるいは商品、役務が取引されている実情があることは請求人の提出した証拠(例えば、甲第6号証、同7号証、同11号証、同12号証、同13号証)によっても認められること、上述のとおり、請求人の使用する「楽天」の文字からなる商標がインターネットサービス事業において著名であることを併せ考慮すると、本件商標がその指定役務に使用された場合、これに接した取引者、需要者は、これより直ちに請求人の使用する「楽天」の文字からなる商標を連想、想起し、当該役務が請求人又は請求人と何らかの関係のある者の業務に係る役務であるかのように、その出所について混同するおそれがあるものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第19号及び同法第3条第1項柱書きに該当するか否かを判断するまでもなく、商標法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効にすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。