Trademark Appeal Case
複合商標の称呼・観念類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90705(T2002−90705/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4583597号商標(以下「本件商標」という。)は、「ミラクルナッツ」の片仮名文字と「MIRACLENUT」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成13年8月7日登録出願、第1類及び第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年7月5日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、以下(a)ないし(d)のとおりである。
(a)登録第428396号商標(以下「引用商標A」という。)は、「MIRACLE」の欧文字を横書きしてなり、昭和26年6月19日登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同28年7月21日に設定登録されたものであるが、指定商品中の「粉状、粒状、液状、泥状のプラスチックス」についての登録は、昭和63年6月23日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同63年10月27日になされているものである。
(b)登録第854100号商標(以下「引用商標B」という。)は、「ミラクル」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和39年10月6日登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同45年4月22日に設定登録されたものである。
(c)登録第3201638号商標(以下「引用商標C」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成5年12月29日登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年9月30日に設定登録されたものである。
(d)登録第4034385号商標(以下「引用商標D」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成5年12月29登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年7月25日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用各商標と称呼及び観念において類似する商標であり、また、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、その生産、販売に係る商品に、引用商標A及び引用商標Bを昭和26年より一貫して使用し、また、引用商標C及び引用商標Dは、平成6年から現在に至るまで継続して使用しており、それぞれの指定商品である「化学品、薬剤、植物成長調整剤」等の商標として需要者の間に広く認識されている周知・著名な商標であるところ、本件商標は、これら引用各商標をその語頭に含むものであるから、本件商標をその指定商品中の「化学品」に使用した場合、申立人と経済的もしくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
(4)むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してなされたものであるから、指定商品中「化学品」について、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおり、その構成中、上段に書された文字及び下段に書された文字は、いずれも同一の書体をもってまとまりよく一連に表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「ミラクルナッツ」の称呼も冗長でなく語呂よく一気に称呼し得るものである。また、本件商標は、構成全体をもって「不思議な木の実」といった意味合いを看取させるものであるから、これを「ミラクル/MIRACLE」と「ナッツ/NUT」の文字とに分離して称呼、観念しなければならない格別の理由は見出せないものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ミラクルナッツ」の称呼のみを生ずるものであって、前記したとおり、「不思議な木の実」の観念を生ずるものといわなければならない。
これに対し、引用各商標は、それぞれ前記した構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「ミラクル」の称呼及び「奇跡」の観念を生ずるものである。
そして、本件商標より生ずる「ミラクルナッツ」の称呼と引用各商標より生ずる「ミラクル」の称呼は、音構成、構成音数において顕著な差異を有するものであるから、称呼上相紛れるおそれはないものである。
また、両商標の観念は、それぞれ前記したとおりであるから、類似するものではない。
さらに、両商標は、前記したそれぞれの構成よりみて、外観上十分に区別し得る差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれからみても非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人が、引用各商標の著名性を立証するものとして提出した甲第8号証ないし甲第14号証は、その殆どが審決・判決例であって、他に日本有名商標集及び証明願(一通)のみであるから、これらの証拠のみでは、引用各商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時に取引者、需要者の間に広く認識されていたとするには不十分なものといわざるを得ず、たとえ、引用商標が「工業用水処理剤」について使用され、その取引者、需要者の間にある程度知られていたものであるとしても、本件商標は、上記認定のとおり、引用各商標とは、商標それ自体異なるものとして需要者等に印象付けられるというのが相当であるから、本件商標に接する需要者等が引用各商標を想起することは極めて少ないというべきである。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品中の「化学品」に使用しても、該商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認めることはできない。
(3)むすび
したがって、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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