Trademark Appeal Case
称呼・観念の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90624(T2002−90624/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4574278号商標(以下「本件商標」という。)は、標準文字により「バッケンハウス」の片仮名文字を横書きしてなり、平成13年4月9日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年6月7日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る、「Backenheim」の文字と「バッケンハイム」の文字とを二段に横書きしてなり、昭和63年9月26日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年8月30日に設定登録され、その後、平成13年3月1日の書換登録の申請により、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として書換登録が平成13年10月10日にされた登録第2332216号商標(以下「引用A商標」という。)、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、昭和63年9月26日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年12月25日に設定登録され、その後、平成13年8月9日の書換登録の申請により、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録が平成14年2月13日にされた登録第2361001号商標(以下「引用B商標」という。)、及び別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和63年11月30日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年5月29日に設定登録され、その後、平成13年12月12日の書換登録の申請により、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録が平成14年11月20日にされた登録第2416413号商標(以下「引用C商標」という。)と、「バッケンハウス」と「バッケンハイム」の称呼、及び「(パン・クッキー等を)焼く家」の観念において類似する商標であり、その指定商品においても同一若しくは類似するものである。また、引用B商標の構成中の「Juchheim’s」の文字部分は申立人の商標として広く一般に知られているもので、これと結合した引用B商標は、申立人の商標である旨が把握されるものである。そして、引用A、B、C商標とも昭和63年9月からの使用により、申立人の商標である旨が広く知られているので、これと類似する本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
以下、引用A商標ないし引用C商標を一括していう場合は「引用各商標」と総称する。
3 当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおり、「バッケンハウス」文字よりなるものであり、その構成文字に相応して「バッケンハウス」の称呼を生ずるものである。
これに対し、引用A商標は、「Backenheim」及び「バッケンハイム」の両文字よりなり、引用B商標及び引用C商標は、別掲(2)又は別掲(3)に示したとおりの構成よりなるものであり、それぞれの構成よりすれば、「Backenheim」の文字部分は独立しても自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえるから、引用各商標は、上記それぞれの文字に相応して「バッケンハイム」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「バッケンハウス」の称呼と引用各商標より生ずる「バッケンハイム」の称呼とを比較すると、両称呼は、共に6文字と構成音数が同じであるものの、第5音と第6音において「ウス」と「イム」の差異を有し、これらの音は両音とも異質の音といえるから、これらの差異音が全体の称呼の音調、音感に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼した場合、彼此相紛れるおそれはないものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、引用各商標と称呼において相紛らわしい商標ということはできない。
(2)次に、観念の点よりみるに、本件商標の指定商品の「菓子及びパン」との関係を考慮すると、本件商標は、前半部の「バッケン」の文字は「(パン・クッキー等を)焼く」を意味する独語の「backen」の単語を仮名文字で表したものと解されることもあり、また、後半部の「ハウス」が「家、住宅、建物」等を意味する語として広く親しまれている語であることからすると、全体として「(パン・クッキー等を)焼く家(建物)」の意味合いを認識される場合も十分に考えられる。そうすると、本件商標は、「(パン・クッキー等を)焼く家」の観念を生ずるものということができる。
他方、引用A商標は「Backenheim」及び「バッケンハイム」の両文字よりなり、引用B商標及び引用C商標は「Backenheim」の文字部分をもって取引に資される場合があること上述のとおりである。そして、「Backen(バッケン)」の文字は独語で「(パン・クッキー等を)焼く」を意味する単語であり、また、「heim(ハイム)」の文字は独語で「わが家へ」を意味する単語であることからすると、全体として「(パン・クッキー等を)焼くわが家へ」の意味合いに認識される場合も十分に考えられ、引用各商標は、「(パン・クッキー等を)焼くわが家へ」の観念を生ずるものと判断することができる。
申立人は、引用各商標の「Backenheim」及び「バッケンハイム」の文字から本件商標から生じる観念「(パン・クッキー等を)焼く家」と同じ観念を生ずると主張するが、独語の「heim(ハイム)」の単語は、「家、住宅、建物」等を意味する「ハウス」(house)の外来語(英単語)とは異なり、もともと「わが家へ、うちへ、故郷へ、故国へ」を意味し英語の「home」に対応する語(甲第5号証参照)であり、「Backenheim(ベッケンハイム)」全体で「(パン・クッキー等を)焼く家」を意味するものとして我が国で広く知られているなどの格別の事由が存しない限り、上記「わが家へ、うちへ、故郷へ、故国へ、」を意味するものと認識されるとみるのが自然であるというべきところ、申立人の提出に係る証拠を検討しても上記格別の事由は見出せない。したがって、申立人の上記主張は採用しない。
してみれば、本件商標より生ずる「(パン・クッキー等を)焼く家」と、引用各商標より生ずる「(パン・クッキー等を)焼くわが家へ」の両観念は、意味するところが異なることから、本件商標は、引用各商標と観念においても紛れるおそれはないものと認められる。
(3)本件及び引用各商標のそれぞれの構成よりして、本件商標は、外観においても引用各商標と相紛れるおそれのあるものということはできない。
(4)前述のとおり、本件商標は、引用各商標と称呼、観念、外観のいずれにおいても相紛らわしい類似する商標ということはできないものであって、これらの商標間には誤認、混同の生ずる事由は見出せないものである。しかも、申立人の提出に係る証拠では、「Backenheim(バッケンハイム)」の文字からなる商標が申立人の店舗の名称、あるいはその店舗で販売されている商品を表すものとして使用されていることは認められるとしても、その店舗がどの程度全国展開されているのか、あるいは、その商品がどの程度の販売実績があるのかなど、「Backenheim(バッケンハイム)」の文字からなる商標の使用状況が明らかでないから、引用B商標及び引用C商標は、申立人の商標として取引者、需要者間に広く認識されているものとは判断することができない。
そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないといわなければならない。
(3)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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