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Trademark Appeal Case

称呼・観念の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90588(T2002−90588/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4579405号商標は、登録異議の申立に係る指定商品について、商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4579405号商標(以下「本件商標」という。)は、「マザアス」の片仮名文字を横書きしてなり、平成11年12月24日に登録出願、商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年6月21日に設定登録されたものである。

2 引用商標

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標と類似する商標として引用する登録第1482940号商標(以下「引用A商標」という。)は、「MATHER’S」の欧文字と「マザーズ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、昭和52年1月11日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同56年10月30日に設定登録され、その後、平成4年1月29日及び同13年11月20日の2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

同じく、登録第1445633号商標(以下「引用B商標」という。)は、「マザー」の片仮名文字と「MOTHER」の欧文字を二段に横書きしてなり、昭和51年7月26日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同55年11月28日に設定登録され、その後、平成3年1月30日及び同13年1月16日の2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

(ア)本件商標と引用A商標及びB商標の外観は、若干の差違は認められるものの片仮名部分は殆ど同一であり、欧字部分も極めて一般的な「MOTHER」若しくは「MOTHER’S」であるところから、観者はいずれの商標か区別を付け難いものである。

(イ)次に、これらの称呼につき述べると、本件商標は「マザアス」若しくは「マザース」であり、中間に位置する「ア」は、本商標を称呼したとき、長音である「一」と区別を付けることは困難である。そして、文末の「ス」は通常複数形をあらわすものととられ、商標の構成において識別性は殆どないものと考えられる。一方、引用A商標は、欧字部分も極く通常の英語であり、その称呼は「マザーズ」のみで、片仮名部分からも同様の「マザーズ」なる称呼のみ生ずる。この称呼の「ズ」と、本件商標の「ス」とは、濁音の違いのみで、いずれも複数形若しくは所有形を表すと考えられ、これによっても本件商標と引用A商標とは類似するものである。

また、引用B商標から生ずる称呼は、上段の片仮名から「マザー」なる称呼が発生し、下段の欧字からも英語読みの「マザー」なる称呼のみが生ずる。本件商標と引用B商標を称呼上で比較すると、「ア」と、長音「一」は前述のように殆ど区別がつけ難く、他には複数形若しくは所有形を表す「ス」の存在のみである。さらに本件商標と引用A商標及びB商標の観念についてみるに、本件商標から生ずる観念は、複数形の「お母さんたち」、若しくは「母の」なるものである。一方、引用A商標から生ずる観念も、「お母さんたち」若しくは「母の」と言うものであり、さらに引用B商標から生ずる観念は、「母」、若しくは「マザー」なるものである。

したがつて、本件商標及び引用A商標及びB商標から生ずる観念はいずれも「母」、「母の」若しくは「お母さんたち」というものであり、観念において類似である。

また、本件商標、引用A商標及びB商標の指定商品は、いずれも「菓子及びパン」であり、若し本件商標が市場に展開された場合、取扱者や消費者が、申立人の商品と出所の誤認混同を起こすおそれがある。

(3)したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中の第30類「菓子及びパン」について取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、「マザアス」の片仮名文字を書してなるものであるから、「マザアス」の称呼を生ずるものである。

他方、引用A商標は、「MATHER’S」の欧文字及び「マザーズ」の片仮名文字を二段に書してなるものであるから「マザーズ」の称呼を生ずるものであり、引用B商標は、「マザー」の片仮名文字及び「MOTHER」の欧文字を二段に横書きしてなるものであるから、「マザー」の称呼を生ずるものである。

そこで、本件商標より生ずる「マザアス」の称呼と引用A商標より生ずる「マザーズ」の称呼及び引用B商標より生ずる「マザー」の称呼とを比較するに、本件商標と引用各商標より生ずるは称呼とは、前半部の「マザ」の2音を共通にし、後半部において本件商標は「アス」、引用A商標は、「ザ」の長音及び「ズ」、引用B商標は、「ザ」の長音である点で相違するものである。

そして、本願商標の「マザアス」の称呼は、「マ」「ザ」「ア」「ス」と一文字づつ明確に称呼されるのに対して、引用A商標の「マザーズ」及び引用B商標の「マザー」の称呼は、長音を伴うために全体が伸びやかに発音されるものであるから、本件商標と引用各商標を一連に称呼しても、その語調、語感が異なり、充分聴別し得るものである。

次に、観念について検討するに、請求人は本件商標より「お母さんたち」又は「母の」の観念が生ずる旨主張するが、何ら証拠を提出していないことから、請求人の主張を採用することはできない。

したがって、本件商標は、特定の意味合いを有さない造語を表したものとするのが相当である。

他方、引用A商標は、「母の」の観念を生ずるものであり、引用B商標は、「母」の観念を生じさせるものである。

そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、観念上比較することができないものである。

さらに、本件商標と引用各商標とは、外観上明らかに相違するものである。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものである。

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立に係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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