Trademark Appeal Case
商品類否判断基準
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90568(T2001−90568/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4468310号商標(以下「本件商標」という。)は、1998年(平成10年)10月14日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成11年3月29日に登録出願され、「MONTBLANC」の文字を横書きして、第25類「ベルト、ズボンつり」を指定商品として、同13年4月20日に設定登録がされたものである。
2 登録異議申立ての理由
本件商標は、以下の登録商標(以下「引用商標」という。)と類似し、かつ、その指定商品も類似するので、本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。
<引用商標>
登録第494062号商標は、「MONT BLANC」(半字分の間隙を含む。)の欧文字と「モンブラン」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、昭和30年11月12日に登録出願、第36類「被服、手巾、釦鈕及び装身用『ピン』の類」として、同32年1月9日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされている。本商標権については、2件の商標法第50条第1項に規定する取消審判の請求(平成10年審判第30122、2000年審判第30275号)がされた結果、その指定商品中「ブローチ、ネクタイピン、ネクタイ止め、帯留め、ボタン、こはぜ、ホック、びじょう及びこれらの類似商品」及び「ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト」について取り消す旨の審決がされ、その確定審決の登録が平成10年11月11日及び同13年2月28日にされ、それらの指定商品についての登録は抹消された。
3 当審が通知した取消理由
本件商標は、引用商標と類似であって、その引用商標に係る指定商品と類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
前項3の取消理由に対し、商標権者は、商標が類似する点については争わない。しかしながら、両商標の指定商品が類似するとの主張については争うとして、要旨以下のとおり述べている。
本件の取消理由における指定商品の類似については、「類似商品審査基準」の類似群の考えによって形式的・機械的に判断されたものである。
しかし、商品の類否の判断は、取引の実情、すなわち、商品の生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品との関係にあるかどうか等を総合的に考慮して判断すべきものである。その類否は、二つの商品に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるかどうかにより判断すべきである。
本件商標の指定商品は「ベルト、ズボンつり」で、引用商標の指定商品中これとの類似する商品は「腕止め」である。「ベルト、ズボンつり」は実用性が高い、いわば必需品といえる商品であるのに対し、「腕止め」はワイシャツの袖口の長さを調節するといった副次的な用途はあるが、主としてアクセサリーとして用いられるもの。この点が国際分類において、裁縫用品や装身具を主たる商品とする第26類に「腕止め」を属するとした理由であろう。したがって、販売部門は必ずしも一致しない(例えば、地方の百貨店でもベルトは必ず売っているでしょうが、腕止めは売ってない場合がある。)し、用途、機能もベルト等と腕止めでは全く異なるし、需要者層も一致する部分もあるが、ベルト等の方が男女、老若を問わず広範囲にわたるものなので、重複する範囲は実際は狭いものと思われる。このように、上記の商品の類否基準にあてはめて総合的に判断した場合、対比する商品が実際の取引市場でバッティングし、かつ、共通する需要者がこれらの商品に接する可能性は低いと考えられるので、両者の商品に本件商標と引用商標が使用されても、これに接する需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれはまずないといえる。
したがって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品「腕止め」には類似しないと判断するのが妥当である。
引用商標に対する不使用取消審判の結果、本件商標を引用商標の存在にもかかわらず併存させたのは決して審査官の過誤というわけではなく、上記のような判断により商品間の抵触関係を脱したと判断した結果なのである。
以上のように、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないと確信する。
ここで、第三者から引用商標の「腕止め」に対して不使用取消審判を請求されているので、その審判の結果を待ちたいところである。
5 当審の判断
本件商標の指定商品は「ベルト、ズボンつり」であるところ、引用商標の指定商品は、前項2のとおり、その商標の出願時に有効な商品の区分「第36類」に属する商品「被服、手巾、釦鈕及び装身用『ピン』の類」(ただし、「ブローチ、ネクタイピン、ネクタイ止め、帯留め、ボタン、こはぜ、ホック、びじょう及びこれらの類似商品」及び「ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト」はその登録が取り消されている。)を指定しており、本件商標の登録時に有効に登録されていた指定商品には「腕止め」(装身具及手巾類に含まれる商品)が含まれているので、その商品と本件商標の指定商品「ベルト、ズボンつり」との類似について検討する。
本件商標の指定商品である「ベルト」は、胴、腰のまわりに締めるひも状又は帯状のもので、洋服を身体に装う際にズボンやスカートが下がるのを防ぐために使用される実用的な面と共に装いを美しくする装飾的な面をもっているもの、又は、装いを美しくすることのみのために用いられる商品であって、織物、編み物、金属、合成樹脂、皮革等の材質により、多様な形状、色彩のもの等があるファション性の高い商品といえる。また、「ズボンつり」もズボンが下がらないように肩からつるためのひも又は帯状のものであり、「ベルト」と同様に装いを美しくする装飾的な面ももっているファッション性のある商品である。
これに対し、引用商標の指定商品に包含される「腕止め」は、ワイシャツ等の腕の長さを調節するのに使用される、ゴムを編み込んだ平ひもで環状になっているものや、ひも又は帯状のものの両端に留め金具を付けた形状のものがあり、布製、革製や金属製のもの等がある。装いを美しくする装飾的に用いられるバンドの類として取り扱われることの多い商品である。
そうしてみると、いずれの商品も、革、布、金属等で作られ、被服類と共に洋服を美しく装うために胴、腰又は腕に締めて実用的又は装飾的に用いられるファション性の高い装身具に属するバンド類といえるものである。
してみれば、両商標の指定商品は、原材料、用途、販売部門や需要者層等を共通にする類似の商品といわなければならない。
しかして、本件商標は、前項1に記載されているとおり「MONTBLANC」の欧文字からなるものであるのに対し、引用商標は、前項2に記載されているとおり「MONT BLANC」と「モンブラン」の文字を二段に横書きしてなるものであることから、いずれの商標も、「MONTBLANC」の綴り文字を共通にし、「モンブラン」と称呼され、ヨーロッパのアルプス山脈中の最高峰の山の名称と理解されるものであることから、両商標は、欧文字における構成文字を共通にする外観上近似した構成であり、また称呼、観念も共通にする類似の商標であって、指定商品も上記認定のとおり類似するものであるといわざるを得ないものである。
なお、商標権者は、現在、引用商標の登録については、第三者から指定商品中「腕止め」について不使用取消審判の請求がされているので、その審決がされるまで、本件の審理を待ってほしい旨述べているが、本件商標の商標登録原簿の記載に徴すれば、不使用取消審判は平成14年1月17日に請求され、その審判請求の登録を同年2月20日にされていることを認めることができる。しかしながら、登録異議の申立ては、商標登録の瑕疵を是正するため当該登録を見直しする趣旨で設けられている制度であることからすると、引用商標の指定商品中「腕止め」の登録は、本件商標の登録時(平成13年4月20日)には有効に存在していたものであり、しかも、不使用取消審判は、本件商標が登録された後に請求されたものであることから、仮に、その取消審判の審決によって「腕止め」の登録が取り消されたとしても、本件異議申し立ての判断に影響しないものである。よって、この商標権者の申し出は採用できない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものと認められるので、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。