結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2002−90214(T2002−90214/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
1.本件商標
本件登録第4536736号商標(以下「本件商標」という。)は、商標の構成を後掲(1)に示したとおり、「イリヤマ記号と『武』」の文字、並びに、「やまたけ」、「ヤマタケ」、「YAMATAKE」及び「山武」の各文字(記号を含む。)を順次5段に横書きした構成よりなり、指定役務を第42類「飲食物の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),地質の調査,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,個人の身元又は行動に関する調査,家畜の診療,編み機の貸与,ミシンの貸与,植木の貸与,会議室の貸与,展示施設の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,鉱山機械器具の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,芝刈機の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与,暖冷房装置の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,凸版印刷機の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与」として、平成12年6月8日に登録出願され、平成14年1月18日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標の登録について、登録異議を申立てた理由は、要旨つぎのとおりである。
(1) 本件商標は、構成上記のとおりであって、構成各文字より「ヤマタケ」の称呼を生ずる。これに対し、登録第4380726号商標(平成10年10月6日登録出願、同12年5月12日設定登録:以下「引用商標1」という。)は、「Yamatake Industrial Systems」の文字よりなるところ、単に「ヤマタケ」と略称する場合があるというのが取引の実情に即して妥当である。したがって、本件商標は、引用商標1と「ヤマタケ」の称呼において称呼上類似する商標であって、かつ、その指定役務中「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法当に関する紹介及び説明」は、引用商標1の指定役務と同一のものであることから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2) 申立人は、山武グループの中核としてプロセス・オートメーション、ファクトリー・オートメーション、ビルディングオートメーション製品の開発から製造、制御機器の販売、海外事業及び新規事業の開拓を担い、とくにビル空調分野では国内市場の80%以上のシェアを握っている。申立人を含む山武グループ各社は、新聞やラジオ等において、「山武」(「後掲(2)」)又は「YAMATAKE」(「後掲(3)」)の各商標(以下、これらを一括して「使用商標」という。)について、山武グループを表すものとして長年継続して宣伝広告活動を行っており、使用商標は、遅くとも平成12年6月8日から現在に至るまで申立人を表す商標として需要者の間に広く知られているというのが妥当である。
また、申立人を含むグループ各社は、それぞれの専門性を活かし、幅広い事業活動を行っており、本件商標は、申立人を含む山武グループ各社を表すものとして広く知られた使用商標と「ヤマタケ」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定役務中第42類「一般廃棄物の収集及び分別、産業廃棄物の収集及び分別、庭園又は花壇の手入れ、庭園樹の植樹、肥料の散布、雑草の防除、有害動物の防除(農場・園芸又は林業に関するものに限る。)、電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度な専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関る紹介及び説明」については、申立人を含む山武グループ各社が行っている業務と同一又は類似するものというのが相当であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3) 上記のとおり、申立人を含む山武グループ各社は、使用商標を一貫して使用し、長年継続して広告宣伝活動を行っているため、使用商標は申立人を含む山武グループを表すものとして需要者の間に広く知られていること、また、本件商標は、個別商品に付されるペットマークではなく、山武グループを表す商標として用いている「山武」又は「YAMATAKE」と類似のものであること、さらに、山武グループ各社は、制御機器やビルシステムの開発・販売に止まらず、ビル管理サービス・介護サービス・清掃事業・維持管理、工場廃棄物の回収・分別・再生作業といった非常に幅広い各種サービスの提供を行っていることなどから、本件商標は、その全ての指定役務に使用した場合、申立人の業務に係る役務或いは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であると誤認され、出所について混同するおそれがあることから、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3.本件商標の取消理由
当審において、登録異議の申立ての理由及びその提出に係る証拠を検討した結果、商標権者に対して平成14年10月21日付取消理由通知書をもって通知した本件商標の取消理由は、要旨つぎのとおりである。
(1) 申立人の提出に係る証拠によれば、申立人である株式会社山武は、明治39年に創業、平成10年7月に商号を山武ハネウエル株式会社から現商号に変更し、山武グループの中核会社としてプロセス・オートメーション、ファクトリー・オートメーション、ビルディングオートメーション製品の開発から製造、制御機器の販売、海外事業及び新規事業の開拓を担い、特にビル空調分野では国内市場の80%以上のシェアを握っている。それに、申立人の上記事業を含め、山武ビルシステム株式会社、山武産業システム株式会社など山武グループ各社は、ビルシステム事業、産業システム事業、制御システム事業などを展開しており、そのほとんどが「山武」の文字を商号の全部又はその一部に採用しており、また、使用商標、或いはこれらのいずれかを使用している(甲第5号証、同第6号証、同第8号証ないし同第14号証ほか)。そして、山武グループの売上高(連結)は、例えば、平成10年においては1989億円を超えていた(甲第5号証、同第6号証の1及び同第9号証)。あわせて、甲第8号証には、東京商工会議所、大阪商工会議所、京都商工会議所など各地の商工会議所や各種協会及び同業者により、引用商標が需要者の間に広く認識されるに至っている旨の証明がされていることが認められる。
以上によれば、引用商標は、本件商標の登録出願の時には、申立人の業務である上記各種事業に係る商品及び役務を表す商標として需要者の間に広く知られ著名性を獲得するに至っていたものと認めることができる。
(2) そこで、本件商標をみると、本件商標はその構成後掲(1)のとおり、「イリヤマ記号と『武』」の文字、並びに、「やまたけ」、「ヤマタケ」、「YAMATAKE」及び「山武」の各文字を5段に横書きしてなるものであって、その構成中には引用商標中の「山武」の文字よりなる商標及び「YAMATAKE」の文字を主要な要素とする商標と同一の文字を有していて、かつ、本件商標のその余の構成要素より生ずる「ヤマタケ」の称呼は引用商標より生ずる称呼と同一である。
そうすると、申立人及び山武グループ各社の事業に係る商品及び役務あるいはその事業に密接に関連する商品及び役務と認められる「一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」の指定役務について本件商標を使用した場合、これに接した取引者、需要者はこれより直ちに引用商標を連想、想起し、該商品を申立人又は山武グループに属する会社など申立人と営業上密接な関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同するおそれがあると判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、その指定役務中上記の指定役務については、他人の業務に係る役務と混同するおそれがあるから、その登録は商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。
4.商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由通知書に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べるところがない。
5.当審の判断
(1) 本件商標についてした先の取消理由は妥当なものと認められる。したがって、本件商標の指定役務中、「一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」についての登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものとする。
(2) しかしながら、その余の指定役務(飲食物の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,地質の調査,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,個人の身元又は行動に関する調査,家畜の診療,編み機の貸与,ミシンの貸与,植木の貸与,会議室の貸与,展示施設の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,鉱山機械器具の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,芝刈機の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与,暖冷房装置の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,凸版印刷機の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与)については、上記(1)のとおりその指定役務の商標登録を取り消すべきものとした結果、引用商標1の指定役務とは非類似の役務となったといえるものであり、かつ、申立人を含む山武グループ各社が行っている業務と同一又は類似するものといえないから、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同第10号に該当するものであるか否かを判断するまでもなく、これを取り消すべき理由はないといわなければならない。
また、申立人を含む山武グループ各社が行っている業務とその余の指定役務とは、その役務の提供の場所、質(役務の内容)のほか、取引者、需要者を異にするものであって、その関連性もなく、申立人の提出に係る証拠によっては、使用商標が本件商標の登録出願時においてその余の指定役務についての取引者、需要者間に広く認識されたものとみるのは困難であるといわざるを得ない。そうすると、本件商標をその余の指定役務について使用した場合、直ちに引用使用商標を想起させるものとはいい難く、これに接する取引者、需要者をして申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同するおそれがあると判断することができないから、その余の指定役務については、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものといえない。
したがって、本件商標は、その指定役務中「飲食物の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,地質の調査,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,個人の身元又は行動に関する調査,家畜の診療,編み機の貸与,ミシンの貸与,植木の貸与,会議室の貸与,展示施設の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,鉱山機械器具の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,芝刈機の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与,暖冷房装置の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,凸版印刷機の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与」については、商標法第43条の2各号に該当するものではなく、取り消すべき理由はないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
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