Trademark Appeal Case
著名商標の分離抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90431(T2002−90431/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4554660号商標(以下「本件商標」という。)は、「Z3MS」の文字(標準文字)を書してなり、平成12年4月14日登録出願、第1類「集積回路の化学作用蒸気により塗布された誘電薄膜に使用されるテトラメチルシラン,その他の化学品」及び第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同14年3月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の所有に係る登録第608093号商標は、「スリーエム」の片仮名文字と「3M」の文字を2段に横書きにしてなり、昭和36年5月26日登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、同38年4月3日に設定登録されたものであるところ、該登録商標は、特許庁電子図書館において著名商標としてリストアップされているように、申立人及びその関連会社である住友スリーエム株式会社(両者をまとめていうときは「申立人ら」という。)が使用する「3M」商標(以下「引用商標」という。)は、申立人らの業務に係る商品及び役務に使用される商標として、日本国の取引者、需要者に広く知られた著名商標である。
しかるところ、本件商標は、その構成中に、上記引用商標を含むものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合には、引用商標の使用に係る商品及び役務との関係で、出所について誤認混同を生ぜしめるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記のとおり、「Z3MS」の文字よりなるものであるところ、その構成に係る各文字は同書、同大、同間隔に一連に表示されているものであるから、これに接する取引者、需要者が、その構成中、中間部に配置された「3M」の文字部分のみを分離、抽出して、独立したものとして認識するものとはみられないところである。また、他に、本件商標は、その構成態様からみて、「3M」の文字部分のみを分離しなければならない格別の事由は見出せない。
してみると、本件商標は、その構成文字に相応して「ゼットスリーエムエス」又は「ゼットサンエムエス」の称呼を生ずるものであって、特定の意味を有しない造語よりなるものと理解されるとみるが相当である。
そうすると、たとえ、引用商標が、申立人らの業務に係る商品及び役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているものであるとしても、本件商標は、上記認定のとおり、その構成中の「3M」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではないから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が申立人らの業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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