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Trademark Appeal Case

著名商標の称呼・外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90479(T2002−90479/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4559769号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4559769号商標(以下、「本件商標」という。)は、筆記体で「Duras」の欧文字を横書きしてなり、平成13年1月16日に登録出願、第9類「理化学機械器具、サングラス、その他の眼鏡、遊園地用機械器具、運動技能訓練用シミュレーター、乗物運転技能訓練用シミュレーター、事故防護用手袋、防火被服、防じんマスク、防毒マスク、溶接マスク、映写フィルム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、ガソリンステーション用装置、自動販売機、駐車場用硬貨作動式ゲート、潜水用機械器具、検卵器、電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同14年4月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の引用する登録第2329260号商標(以下、「引用商標」という。)は、「DURAN」の欧文字を横書きしてなり、平成元年2月9日に登録出願、第10類「実験用ガラス器具、ガラス容器、その他の理化学機械器具」を指定商品として、同3年8月30日に設定登録、その後、同13年6月19日付で商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

3 登録異議申立ての理由

申立人は、上記引用商標を引用して、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべき旨主張し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第15号証を提出した。

(1)引用商標は、申立人であるカールツアイス スチフツングの所有する企業グループのひとつであるショットグラスヴェルケ社が長年世界市場において化学、製薬、エレクトロニクス、家庭製品、光学、精密機器さらには建築業界に至るまで幅広い分野における特殊ガラス製品について使用している著名商標である(甲第3号証ないし同第15号証)。

カールツアイス社を頂点とするショット・グループでは、世界市場における広範な特殊ガラス製品分野について商標「デュラン・DURAN」を使用し、日本においても、1966年1月にショット・グループの日本における総代理店である「ショット日本株式会社」を設立して以来今日までの長きに亘り「デュラン・DURAN」製品の販売活動を継続している。

そして、今日「デュラン・DURAN」製品は、その母体であり既に高い評価を得ているカールツアイス社の名と相まって内外の取引者・需要者に浸透するに至っている(甲第3号証ないし同第15号証)。

以上により、引用商標は本件商標の出願時である平成13年1月16日時には、ドイツ及び日本を含めた世界各国において申立人の販売する商品を表示するものとして著名になっていたものといえる。

(2)本件商標は「Duras」の欧文字からなり、「デュラス」の称呼が生ずるものであるのに対して、引用商標は「デュラン」の片仮名文字よりなるものであるから、これよりは「デュラン」の称呼を生じさせるものである。そして、本件商標と引用商標の称呼中、語頭の「デュ」の音は明瞭でかつ強く発音されるものであるのに対して、語尾音の「ス」と「ン」の音はいずれも弱く発音されるものであるから、両称呼は全体の称呼上類似するものである。

次に、本件商標と引用商標の外観を比べてみると、両商標は「s」と「N」の相異のみが生じるにすぎない。従って、通常の注意力をもって本件商標を観察した場合、需要者は申立人の商標「DURAN」を認識するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)本件商標は、申立人の所有する関連企業の商品を表示するものとして周知な引用商標と同一又は類似し、その商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(4)周知著名な引用商標と相紛らわしい本件商標を、申立人とは何ら関係のない他人が自己の商品について商標として採択し使用することは、本来自らの営業努力によって得るべき業務上の信用の維持をはかる商標法の目的に反し、著名な商標にフリーライドするものであり、また、著名商標「DURAN/デュラン」に化体した莫大な価値を希釈化させるおそれがある。

従って、本件商標は、公正な競業秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものであり、商標制度の趣旨に則しないものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。

なお、申立人は、「むすび」において、「商標法第4条第1項第15号に該当し」と記載しているが、これは、「申立の理由の要約」のとおり、「商標法第4条第1項第7号に該当し」に読み替えるものとする。

4 当審の判断

(1)本件商標は、前記のとおり、「Duras」の欧文字を表してなるものであるところ、これよりは、該文字に相応する「デュラス」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用商標は、前記のとおり、「DURAN」の欧文字からなるものであるから、「デュラン」の称呼を生ずるものと認められる。

そこで、本件商標より生ずる「デュラス」の称呼と引用商標より生ずる「デュラン」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に3音よりなり、前2音「デュ」と「ラ」の音を同じくし、第3音(語尾音)において、「ス」と「ン」の差異を有するものである。

そして、該差異音「ス」と「ン」は、「ス」が無声摩擦音であるのに対し、「ン」が有声鼻音であるところに明白な差異を有し、それが語尾音であるとしても、両称呼が比較的短い3音構成よりなるところから、該差異が称呼全体に及ぼす影響は大きく、両称呼を一連に称呼した場合であっても、明瞭に聴別し得るものというのが相当である。

また、両商標は、外観において明らかに相違し、観念においては、両商標共に格別の観念の生じない造語と認められるから、比較すべきところがない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点よりみても、何ら相紛れるおそれのない非類似のものといわざるを得ない。

(2)さらに、本件商標は、造語よりなる商標と認められるものであり、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字からなるものでなく、これをその指定商品に使用しても、社会公共の利益、一般道徳観念に反したり、また、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められないものである。

(3)したがって、本件商標は、商標法4条第1項第11号、同第10号及び同第7号の規定に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3項第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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