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Trademark Appeal Case

称呼・外観類似と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90493(T2002−90493/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4562596号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4562596号商標(以下「本件商標」という。)は、「キュアティ」の片仮名文字と「CURETY」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成13年5月16日に登録出願、第3類「せっけん類、化粧品」を指定商品として、同14年4月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2305512号商標(以下「引用商標」という。)は、「CURITY」の欧文字と「キューリティ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、昭和63年10月31日に登録出願、第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、平成3年4月30日に設定登録され、その後、同12年11月14日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標とは、英語表記部分の第4番目の文字の「E」と「I」が異なるだけで、これらの文字の音韻も近い。また、視覚的に見て観察した場合も、その背景も加わって、極めて紛らわしいものである。

両商標には、片仮名文字が付されているが、商標法第50条の規定等からも明らかなように、それぞれの商標が例えば欧文字のみで表示されていてもこれらは登録商標と同一の商標と認められる訳で、片仮名文字を付した態様のみが唯一の態様ではない。また、両商標は、片仮名文字を伴なわずに商品の上に使用されることも十分あり得る。したがって、この欧文字部分が極めて近似した両商標は外観において類似するものである。

また、本件商標「CURETY」は英語部分のみで表示された場合は「キュレティ」と呼称される可能性が高く、この称呼は「キュリテイ」と呼称される引用商標と極めて近似した発音である。そして、「CURETY」は英語風に発音すると「キューアティ」となり、「CURlTY」を英語風に発音した「キュアリティ」と称呼において類似する。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において類似する商標である。

(3)商標法第4条第1項第10号について

引用商標「CURlTY」は、米国KENDALL社及びその子会社である日本ケンドール社によって、少なくも1980年代から、我が国でも医療補助品・工ラステイックストッキング、その他の日用備品等の商品に使用されてきた。申立人はこの米国KENDALL社を買収し、その事業をディビジョンとして持つものである。そこで、引用商標「CURlTY」が我が国で使用されてきた実績を示すものとして、甲第3号証ないし甲第4号証を提出する。

甲第3号証は、日本ケンドール時代の1996年頃のものであるが、「CURlTY」を付したラテックス手袋の製造・販売の事実を示すものである。また、1995年版の医療補助品関連の英文カタログで示すように商品商標「CURlTY」を付した商品(医療補助品・授乳時用品その他を含む)の類は70品目にも及び(甲第4号証)広い商品分野に用いられていた商品である。実際に色々な形態の脱脂綿、パッド、ガーゼの類に引用商標「CURlTY」は用いられてきており、これら商品が化粧品(備品)のコットンの類と近く、これら商品が化粧品店で並列に販売されることも多いことは周知の事実である。

また、引用商標「CURlTY」はエラスティックストッキングに用いられて著名になっているもので、かなり広い分野に色々な通販会社を通じて売られていた経緯がある。現在のカタログとして、現在の申立人の関連会社である日本シャーウッド社が作成・配布するものを甲第6号証として添付する。その他、7〜8年前から疲れをとる靴下として人気を博しているエラステイック糸使用のストッキング・タイツ・ハイソックスの類に使用されて著名となっている「CURlTY」に関しては、必要とあれば、更に資料を補充して証明する予定である。

これら「ストッキング」の類も化粧品店で本件商標が使用される商品と同列に販売されるものであることは疑いない。そして、先に述べたように本件商標「CURETY」は引用商標「CURITY」と極めて紛らわしく、類似の商標である。

(3)商標法第4条第1項第15号について

上記に述べたように、申立人の商品商標「CURlTY」は、各種の医療補助品(女性が授乳時に用いる汗拭き、清拭用品、パッド等を含む)やストッキング、ハイソックスの類に使用され、我が国市場でもかなりの知名度・周知性を得るに至っていた。現在は申立人が自己のKENDALLディビジョンの商標として管理している。この周知商標「CURlTY」と本件商標「CURETY」は、極めて近似したものとして認識、呼称されるので、本件商標がその指定商品に使用された場合には、「KENDALL」(若しくは申立人)の商品であるが如く、その商品の出所について誤認されるおそれがある。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「キュアティ」の片仮名文字と「CURETY」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるものであるところ、一般に片仮名文字と欧文字を併記した構成の商標において、その片仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、片仮名文字部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。

そして、我が国において、広く一般に使用されている英語において、「CURE」の文字が、「キュア」と称呼され、「TY」の文字が、「ティ」と称呼されていることよりすれば、本件商標の構成文字中、上段の「キュアティ」の片仮名文字は、下段の「CURETY」の欧文字の称呼を特定したものと無理なく認識し得るというべきある。

そうとすれば、本件商標は、その構成に照らして、「キュアティ」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、「CURITY」の欧文字と「キューリティ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなるものであるところ、我が国において広く一般に使用されている英語において、「CURI」の文字が、「キューリ」と称呼され、「TY」の文字が、「ティ」と称呼されていることよりすれば、引用商標の構成文字中、下段の「キューリティ」の片仮名文字は、上段の「CURITY」の欧文字の称呼を特定したものと無理なく認識し得るというべきある。

そうとすれば、引用商標は、その構成に照らして、「キューリティ」の称呼を生ずるものである。

そこで、両称呼を比較するに、両称呼は前者が3音、後者は長音を含む4音とその構成音数を異にし、語頭音の「キュ」に続く長音の有無及び「ア」と「リ」の音において差異を有するものである。

そして、上記差異音中「ア」は、口を広く開け舌を低く下げ、その尖端を下歯茎に触れた程度の位置に置き、声帯を振動させて発する母音であるのに対して、「リ」は、上歯茎と舌先との間で調音される有声子音(r)と母音(i)と結合した音節と相違するものであるから、該差異音が比較的短い構成音数よりなる両称呼全体に及ぼす影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が相違し、称呼上十分に聴別し得るものである。

次に、外観について検討するに、本件商標と引用商標の欧文字部分「CURETY」と「CURITY」とは、ともに6文字よりなるものであるが、4番目の「E」と「I」の文字に差異を有しているところ、「E」と「I」とは、その字形の外観的印象がかなり異なり、本件商標と引用商標の片仮名文字部分「キュアティ」と「キューリティ」とは、判然とした差異を有することから、両商標は、外観上互いに区別し得る差異を有しているものと認められる。

また、観念については、いずれも特定の意味合いを有さない造語よりなるものと認められるものであるから、両商標は、比較すべくもないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観および観念のいずれの点おいても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。

(2)商標法第4条第1項第10号及び第15号について

申立人は、甲第1号証ないし甲第6号証を提出して、引用商標が、申立人の取扱いにかかる商品「医療補助品」、「エラスティックストッキング」等について、周知、著名であることを主張、立証しようとしている。

しかしながら、具体的な商品の販売場所、販売量、売上高、宣伝広告等を示す証拠の提出がないから、提出に係る甲各号証をもってしては、引用商標が、本件商標出願時において、取引者、需要者間に広く知られていたものとは認め難く、その周知、著名性は、客観的に明らかとはいえない。

してみれば、本件商標は、他人の業務にかかる商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれらに類似する商品について使用するものであるとはいえず、

また、本件を商標権者がその指定商品に使用しても、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の商品であるが如く、その商品の出所について誤認・混同を生じさせるおそれもないものといわなければならない。

(3)結び

以上のとおり、本件商標の登録は、4条第1項第11号、同第10号及び同第15の規定に違反してされたものでないから、同法第43条の3項第4項の規定により、維持すべきものする。

よって、結論のとおり決定する。

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