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Trademark Appeal Case

著名商標と称呼外観の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90494(T2002−90494/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4562669号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4562669号商標(以下「本件商標」という。)は、太字の「MOTO−MOTO」の欧文字と細字の「モトモト」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成13年7月16日に登録出願、第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同14年4月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標登録願2000ー73915号商標は、「MOTO」の欧文字を横書きしてなり、平成12年7月3日に登録出願され、第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、仮装用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定して、現在出願中のものである。

(2)MOTO商標の著名性について

引用商標は、申立人のグループ企業の一つであるトップマン社が生産しているジーンズをはじめとした、シャツ、カジュアルウェア等の被服の著名商標である。申立人は、多くの人気女性向被服のブランドを擁しており、トップマン社もその一つである。

引用商標にかかる商標「MOTO」は、英国における、女性用ジーンズの最大ブランドであり、そのターゲット(15才から30才位の女性向け)層における女性用ジーンズのマーケットシェアは、25%にもなる。

すなわち、英国の15才から30才位の女性の4人に1人が「MOTO」ブランドのジーンズを身につけていることになる。

英国の調査会社が、2001年7月9日から同年10月7日まで、ショッピングセンターの出ロ調査を行い、女性買い物客に対して、「本日購入した洋服のブランド」を聞いたところ、他のブランドをさしおき「MOTO」ブランドが圧倒的な人気を得ていることがわかった。

また「本日はどのブランドの商品を観にきたか」という質問をしたところ、同様に「MOTO」ブランドは多くの買い物客の注目となっていることがわかった(甲第6号証、甲第7号証)。

さらに、2002年5月10日付、英国の大衆紙「The Sun」では、トップショップ社の「MOTO」ジーンズがベストセラーとなっており、週に17、000着も売り上げたことについて大きく記事に取り上げている(甲第9号証)。

「MOTO」は12年以上もの長きの間、トップショップ社のジーンズのブランドとして広く認知されている。トップショップ社はジーンズの他、ほとんどの衣料について「MOTO」ブランドによる商品の提供を行っている。

「MOTO」ブランドの年間売上高は13、000、000ポンドになり、「MOTO」ブランドのさらなる販売・促進のため、年間600、000ポンドを広告・宣伝費として計上してる(甲第8号証)。このため「MOTO」ブランドの被服は多くの雑誌、新聞で取り上げられている(甲第9号証乃至甲第25号証)。

「MOTO」ブランドの被服は、英国の他、チリ、マレーシア、台湾、フィリピン、シンガポール、バーレーン、クウェート、サウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦、クロアチア、スロヴェニア、デンマーク、スウェーデン、アイスランド、ポーランド、フランス、キプロス、ジブラルタル、スペイン、マルタ等、多くの国々においても販売されている。

そして、世界全体での「MOTO」ブランドの売上は、2000年に66、000、000ポンド/2、845、000着、2001年に106、000、000/3、691、000着、そして2002年の実勢+予測数は、130、000、000/4、500、000着にもなっている(甲第8号証)。

以上より、引用商標は、本件商標の出願時である平成13年7月16日当時、申立人及び及び申立人のグループ会社であるトップショップ社の業務に係る商品を表示するものとして、既に世界市場において著名であったものと言える。

(3)商標法第8条第1項について

本件商標は、「MOTO一MOTO」及び「モトモト」の文字部分に相応して、「モトモト」ないし「モト」の称呼をも生じ得るものである。これは、本件商標が欧文字「MOTO」と「MOTO」を「一」(ハイフン)で結合してなる態様である。

一方、引用商標はその文字に相応して「モト」の称呼を生ずるものである。

したがって、本件商標と引用商標とは「モト」の称呼を共通にし、称呼上同一又は類似するものである。

また、本件商標は、引用商標の欧文字「MOTO」部分において共通し、同じく「MOTO」の文字を「一」ハイフンで結合させたのみの態様からなることから、看者において商標「MOTO」を連続して記した商標であると考えるのが自然である。

したがって、本件商標は、引用商標に外観において同一又は類似する商標である。特に、引用商標の上述の如き著名性に鑑みれば、このことは容易に首肯されるものである。そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。

以上より、本件商標は引用商標に類似するものであり、その指定商品も同一又は類似することから、商標法第8条第1項に該当する。

(4)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は著名商標である引用商標に類似し、その指定商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(5)商標法第4条第1項第7号について

世界的に著名な引用商標と相紛らわしい本件商標を、申立人及び申立人のグループ企業とは何ら関係のない他人が自己の商品について商標として採択し使用することは、本来みずからの営業努力によって得るべき業務上の信用の維持を図る商標法の目的に反し、該名称の著名性にフリーライドするものであり、また、著名商標「MOTO」に化体した莫大な価値を希釈化させるおそれがある。

したがって、本件商標は、公正な競業秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものであり、商標制度の趣旨に則しないものであるから、商標法第4条第1項7号に該当する。

したがって、本件商標は、商標法第43条の2第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)商標法第8条第1項について

本件商標は、太字の「MOTOーMOTO」の欧文字と細字の「モトモト」の片仮名文字とを二段に表してなるところ、一般に、欧文字と片仮名文字を併記してなる商標においては、その片仮名文字部分が欧文字部分を特定したものと無理なく認識し得るときは、片仮名文字部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然称呼とみるのが相当である。

そして、「MOTOーMOTO」の欧文字部分をローマ字読みすれば、「モトモト」の称呼が生ずることから、「モトモト」の片仮名文字部分は、「MOTOーMOTO」の欧文字部分の称呼を特定したものと無理なく認識し得る。

また、前半の「MOTO」の文字と後半の「MOTO」の文字は同じ書体、同じ大きさの文字で書され、連結記号のハイフン(ー)を介して「MOTO−MOTO」と外観上まとまりよく一体に書されているものである。

さらに、「MOTO−MOTO」の欧文字より生ずる「モトモト」の称呼は、僅か4音と短い音構成よりなるものであるばかりでなく、よどみなく一気に発音し得るものである。

他に、殊更、構成中の「MOTO」の文字部分のみを分離して称呼しなければならないとする特段の事由は、見当たらない。

そうとすれば、本件商標は、「モトモト」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用商標は「MOTO」の欧文字を表してなるものであるから、その構成文字に照らして「モト」の称呼を生ずるものと認められる。

そして、本件商標より生ずる「モトモト」の称呼と引用商標より生ずる「モト」の称呼とは、前者が4音、後者は2音構成と構成音数を著しく異にするものであるから、両称呼をそれぞれを一連に称呼した場合には、全体の語調・語感が相違し、称呼上十分聴別し得るものである。

また、本件商標は、上記したとおり、太字の「MOTO−MOTO」の欧文字と細字の「モトモト」の片仮名文字とを二段に一体的に表したてなるものであるのに対して、引用商標は「MOTO」の文字よりなるものであるから、両商標は、外観上判然と区別し得るものである。

さらに、両商標は、いずれも造語よりなるものと認められるものであるから、観念上は比較すべくもないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観および観念のいずれの点おいても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。

(2)商標法第4条第1項第10号について

申立人は引用商標の周知性を立証する証拠として甲第3号証から甲第25号証までを提出しているが、(a)「異議申立人のグループ企業及びブランドを紹介した年次レポート・財務報告」(甲第3号証)は、英文で表示されていることから、我が国の需要者を対象としたものとは認めがたい。(b)「女性用デニム商品に関するブランドシェア一覧」(甲第4号証)及び「女性用ジーンズに関するブランドシェア一覧」(甲第5号証)は、「MOTO/TOP MAN/TOP Shop」に関するもので、「MOTO」商標の周知性を立証したものではなく、かつ、英国内に限った調査結果であって、我が国におけるものではない。(c)「買い物客に対する聞き取り調査データ−」(甲第7号証)、「買い物客に対する聞き取り調査データ−」(甲第8号証)、「異議申立人の現地代理人によるMOTOブランドに関する統計資料」(甲第8号証)は、英国内での調査、統計資料であり、我が国におけるものではない(d)英国新聞「The Sun」(甲第9号証)、英国雑誌「The GuardianWeekend」(甲第10号証)ないし英国雑誌「THE MIRROR」(甲第25号証)は、主に「TOPSHOP」「Topman」に関する英国内の出版物で、しかも本件商標の出願後に発行されたものである。

そうとすれば、提出された上記証拠をもってしては、引用商標が、本件商標登録出願の時に、我が国の取引者、需要者間に申立人の業務に係る商標として、周知、著名であったとは認め難い。

また、本件商標と引用商標とは、商標が類似しないこと上記(1)認定のとおりである。

してみれば、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれらに類似する商品について使用するものであるとはいえない。

(3)商標法第4条第1項第7号について

本件商標と引用商標とが商標において類似するものでないことは、上記(1)で述べたとおりであり、引用商標が、本件商標登録出願の時に、我が国の取引者、需要者間に申立人の業務に係る商標として、周知、著名であったとは認め難いことは、(2)に述べたとおりである。

そうとすれば、本件商標は、引用商標の著名性にフリーライドするものであるとはいえないから、公正な競業秩序を乱し、国際信義に反する商標であるということはできない。

(4)結び

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、第10号及び商標法第8条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3項第4項の規定により、維持すべきものする。

よって、結論のとおり決定する。

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