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Trademark Appeal Case

著名商標の異分野混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90104(T2002−90104/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4523053号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4523053号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲 に示すとおりの構成よりなり、平成12年3月2日に登録出願され、第25類「被服」を指定商品として、平成13年11月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、米国のNASDAQ(ナスダック)店頭株式市場を運営する法人であり、日本においてもナスダック・ジャパンの主要株主となっているものである。この「NASDAQ」の語が、申立人が運営する店頭株式市場を意味するものとして、また申立人の業務に係る証券取引の役務を表示する商標(以下「引用商標」という。)として、日本及び米国を含む全世界において周知・著名となっている。

そして、引用商標は、申立人の略称又は商標であるという観点又は上記店頭市場であるという観点を離れた場合には、「NASDAQ」又は「nasdaq」という語は何ら特定の意味合いを有するものではなく、また、イタリア語や日本語において「nasdaq」や「ナスダック」という固有の語が存在しない。したがって、本件商標の出願人が、引用商標と無関係に独自に「nasdaq」という語を考え出すということは考えられない。

そうすると、本件商標の出願人が「nasdaq」という極めて特異な名称をその商標として選択したという事実は、同人が申立人の「NASDAQ」(「ナスダック」)を前提としてそれをそのまま剽窃したものであるという事実、及び本件商標の出願人において申立人が運営する店頭市場の名称・商標の著名性にフリーライドしようとする不正の目的を有するものである。

このように、本件商標は、引用商標と同一又は類似の商標であり、かつ不正の目的をもって使用をするものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当し、また、申立人が運営する「NASDAQ」(ナスダック)店頭市場の名称及び申立人の引用商標の著名性にフリーライドしようとする不正の目的の下に、それをそのまま剽窃しようとするものであって、本件商標の出願人のこのような行為は、公正な競業秩序の維持を旨とする正常な取引慣行に違反するものであるから、同第7号に該当するものである。さらに、申立人「NASDAQ」(ナスダック)という名称及び商標の著名性及びその称呼の特異性からしても、本件商標がその指定商品である「被服」に使用された場合には、その商品が申立人の業務に係る商品であるとか、又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるとの誤認・混同を生じさせるおそれがあり、同第15号に該当するものである。

3 当審の判断

本件商標は、後掲のとおり、右端方に太く丸みをもたせた緩やかな円弧様の図形3本を三段に順次ずらすように描き、その下段に「nasdaq」の横書きした欧文字(小文字)とを配した構成よりなるものであり、全体として特徴のある図形と「nasdaq」の文字とをまとまりよく結合した構成の商標と看取させるものである。そして、本件商標の指定商品は「被服」とするものである。

これに対し、引用商標は、申立人提出に係る証拠(甲各号証)によれば、全米証券業協会(NASD)が1971年に完成させたシステムで、売り値、買い値に関する情報をコンピューターを介して端末機に自動表示し、投資家や証券業者は、これによりいつでも店頭での相場を知ることができるシステムであって、これは上記システムを表す「National Association of Securities Dealers Automated Quotations」の頭文字に相当する造語と認められ、わが国においても申立人の運営する店頭株式市場そのものを意味するものとして、また、申立人の業務に係る証券取引の役務を表示する商標として需要者の間に広く認識されていたものと認められる。

そこで、本件商標の指定商品「被服」と上記引用商標の役務「証券取引」とを検討するに、両者の商品又は役務は、当該商標の使用に係る事業者、及びこれに接する需要者の範囲のみならず、取引場所・形態が大きく異なるものである。してみると、たとい、申立人に係る引用商標が証券取引関連役務分野において広く認識されたものであるとしても、その周知・著名性が直ちに本件商標の指定商品の分野にまで及ぶとみるのは困難である。

そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、その構成中の欧文字部分における綴りが引用商標と同じであるとしても、これより直ちに申立人の引用商標を想起、連想し、その商品が申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。

また、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字からなるものでなく、本件商標を指定商品について使用することが社会公共の利益、一般道徳観念に反するものでもないし、他の法律によって、その使用等が禁止されている商標でもない。さらに、本件商標は、上記認定のとおりであり、申立人の業務に係る役務に使用する引用商標の出所表示機能を希釈化させたり又はその名声を毀損させるなど不正の目的をもって出願されたものとは認められないほか、本件商標が引用商標をそのまま剽窃したことを裏付ける確たる証左も見出せないところである。

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものとすることはできないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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