Trademark Appeal Case
「Indian」称呼・観念・要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年異議第90459号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4022987号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成7年11月2日登録出願、第25類「被服,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として、平成9年7月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)東洋エンタープライズ株式会社の申立ての理由
本件商標は、先願に係る商標で別掲(2)のとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,帽子,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成6年9月21日に登録出願された商願平6−95840号商標(以下「引用商標A」という。)と称呼及び観念において類似する商標であり、また、本件商標の指定商品と引用商標Aの指定商品は、同一又は類似のものであるから、商標法第8条第1項の規定に該当し、その登録は取り消されるべきである。
(2)メージャー リーグ ベースボール プロパティーズ インコーポレイテッドの申立ての理由
本件商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成2年1月11日登録出願、第17類「帽子」を指定商品として、平成6年11月30日に設定登録された登録第2699955号商標(以下「引用商標B」という。)と称呼及び観念において類似する商標であり、また、本件商標の指定商品中には引用商標Bの指定商品が含まれているものである。
さらに、引用商標Bは、米メージャー・リーグに属するクリーブランド・インディアンズのマークであるが、引用商標B及び引用商標Bに象徴される上記チーム(球団)は極めて高い著名性、周知性を有するものであるところ、本件商標は、この引用商標Bに類似するものであるから、本件商標を帽子以外の被服等の指定商品に使用した場合には、上記クリーブランド・インディアンズ(チーム)の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してなされたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、別掲(1)のとおり、「Indian」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「インディアン」の称呼及び「北米原住民」の観念を生ずるものである。
(2)引用商標Aについて
引用商標Aは、別掲(2)のとおり、文字と図形を結合した構成よりなるところ、その構成中の円状図形の下部に顕著に書された、黒塗りの長方形内の「Indian」及び「MOTOCYCLE」の各文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を有すると認められるものである。
そして、「Indian」及び「MOTOCYCLE」の各文字部分は、文字の書体等において異なるものであるとしても、前記したとおり、いずれも黒塗りの長方形内に書されていること、及びその上部に配置された黒塗り円状図形は、中心部に描かれたインディアンの図形とその外周に沿って書された「WORLDS FINEST MOTORCYCLE」の欧文字とが一体的に表示されていることを考慮すると、「Indian」及び「MOTOCYCLE」の各文字部分の外観及び観念上の一体性は決して弱いものということはできない。
してみると、引用商標Aは、「Indian」及び「MOTOCYCLE」の各文字部分の相応し、これより「インディアンモトサイクル」の称呼を生ずるものであって、該文字部分は、全体として「北米原住民のオートバイ」といった観念を想起させるものとみるのが相当である。
(3)引用商標Bについて
引用商標Bは、別掲(3)のとおり、文字と図形を組み合わせた構成よりなるところ、その構成中の図形部分は、顔をやや正面に向けた人の頭部を漫画風に描き、文字部分に比べ圧倒的な大きさで表してなるものである。また、該図形部分の下には、小さな文字で二段に「Cleveland Indians」と「クリーブランド インディアンズ・1883年」の各文字を配してなるものである。
そして、上記文字部分中の「1883年」は、(球団等が)創立された年を表したと理解される場合もあるところから、該文字部分中の要部は、「Cleveland Indians」、「クリーブランド インディアンズ」であるいうのが相当であり、かつ、これらの文字部分は、同じ書体、同じ大きさの文字でまとまりよく表示されており、これより生ずると認められる「クリーブランドインディアンズ」の称呼も冗長というものではなく、語呂よく一気に称呼し得るといえるものである。加えて、引用商標Bは、その構成中の文字部分とマスコット的なシンボルマークといえる図形部分とが一体となって、米国メージャー・リーグのチーム名(球団名)及びそのシンボルマーク(商標)を表したと一般に理解されているものといえる。
してみれば、引用商標Bは、その構成全体より、「クリーブランドインディアンズ」の称呼を生ずるものであって、米国メージャー・リーグのチーム名の観念を生ずるものというべきである。
(4)商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第11号について
ア.本件商標と引用商標Aとの比較
本件商標より生ずる「インディアン」の称呼と引用商標Aより生ずる「インディアンモトサイクル」の両称呼は、音構成、構成音数において顕著な差異を有するものであるから、称呼上相紛れるおそれのないものである。
他に、本件商標と引用商標とが称呼において類似すると認めるべき要素は見出せない。
また、本件商標と引用商標Aは、別掲(1)及び同(2)のとおりの構成よりなるものであるから、外観においては、判然と区別し得る差異を有するものである。
さらに、本件商標と引用商標Aの観念は、前記認定のとおりであるから、類似するものではない。
したがって、本件商標と引用商標Aは、その称呼、外観及び観念のいずれの点からみても非類似の商標といわなければならない。
イ.本件商標と引用商標Bとの比較
本件商標より生ずる「インディアン」の称呼と引用商標Bより生ずる「クリーブランドインディアンズ」の両称呼は、音構成、構成音数において顕著な差異を有するものであるから、称呼上相紛れるおそれのないものといわなければならない。
また、本件商標と引用商標Bは、別掲(1)及び同(3)のとおりの構成であるから、外観においては判然と区別し得る差異を有するものである。
さらに、両商標の観念は、前記認定のとおりであるから、類似するものではない。
してみれば、本件商標と引用商標Bは、その称呼、外観及び観念のいずれの点からみても非類似の商標といわなければならない。
(5)商標法第4条第1項第15号について
メージャー リーグ ベースボール プロパティーズ インコーポレイテッドより提出された甲第4号証ないし甲第22号証(枝番を含む)を総合すると、引用商標B及びこれをシンボルマークとする米メージャー・リーグの「クリーブランド インディアンズ」が、スポーツ、特に野球に関連する商品及び役務の取引者、需要者の間では相当程度知られていることが認められるとしても、本件商標は、前記(4)イ.の認定のとおり、引用商標Bとは、商標それ自体異なるものとして需要者等に印象付けられるというのが相当であるから、本件商標に接する需要者等が引用商標Bを想起することは極めて少ないというべきである。
したがって、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が上記クリーブランド・インディアンズ(球団)の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとは認められない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第8条第1項、同法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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