Trademark Appeal Case
商標中の商号と登録名義
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90439(T2001−90439/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件登録第4457570号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成11年5月28日登録出願、第6類「金属製屋根材若しくは金属製屋根板,壁板」、第37類「板金工事,屋根工事,建築一式工事」及び第40類「板金加工」を指定商品及び指定役務として、同13年3月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、図形と文字「SNOWX/株式会社スノークス」とを結合して構成されるものである。
しかし、当該商標権者は商標登録原簿から、確認するに「北海鋼機株式会社」となっており、本件商標の構成要素である文字部分「株式会社スノークス」となんら関係するものではないから、かかる商標が登録され、使用された場合は、商法第16号のいわゆる商号の単一性の原則に違反する。
したがって、本件商標は、他の法律によって、その使用等が禁止されている商標」に該当するものであって、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、平成4年7月10日登録出願され、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第37類「建築物の建設及び修繕,煙突の清掃,塗装工事,左官工事,配管工事,屋根工事,アスファルト舗装工事,足場の組立工事,石工事,防水工事,熱絶縁工事,灌漑装置の設置及び修理,土木機械器具の貸与,床洗浄機・モップの貸与」を指定役務として、同9年10月3日に設定登録された登録第3349462号商標(以下「引用商標」という。)と外観上共通にする類似商標であり、また、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定役務が同一又は類似するから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、図形を左方に表し、その右側に同じ高さで「SNOWX」及び「株式会社スノークス」の文字を上下に2段に細線を鋏んで表してなるものであるところ、その構成中の「株式会社スノークス」は、それ自体が独立して識別力を有するものと認められる。
そこで、商標登録出願における願書、及び商標登録原簿を調査したところ、登録出願時の出願人の名称及び設定登録時、同設定登録後の平成14年5月26日までの商標権者は、「北海道江別市上江別441番地 北海鋼機株式会社」であったが、その後、商標権移転登録申請により、商標権者は、「北海道上磯郡上磯町追分3丁目6番6号 株式会社スノークス」に移転がなされ、その登録が平成14年5月27日になされていることが確認し得た。
ところで、商標法第4条第1項第7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するというためには、その商標が矯激、卑猥な文字、図形からなるものである場合、商標の構成自体がそうでなくとも、指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般道徳観念に反するような場合、あるいは、他の法律によって、その使用が禁止されている商標、国際信義に反するような商標である場合等を挙げることができる。
そして、本件商標は、その構成中の「株式会社スノークス」の文字を有しているところ、商標登録原簿上の商標権者の商号は、該「株式会社スノークス」の表示と一致していなかったが、このことのみをもって、本件商標が直ちに「他の法律によって、その使用が禁止されている商標」に該当し、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるとはいえないばかりでなく、前記のとおり、本件商標の構成中の「株式会社スノークス」は、商標登録原簿上の商標権者の商号と一致するところとなったものであるから、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものということはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、図形を左方に表し、その右側に同じ高さで「SNOWX」及び「株式会社スノークス」の文字を上下に2段に細線を鋏んで表してなるものであるところ、その構成中の図形部分も、それ自体が独立して識別力を有するものと認められる。
そして、該図形部分は、黒丸図形の右上部から、左下部へ一定幅で、極めて緩いS字カーブ状に白抜きし、その中に3本の黒線を円端より外側にややつき出して表してなるもので、全体として、円弧を有する二つの曲玉状の図形が斜めに向かい合い、その間に4本の白抜き線と3本の黒線が、やさしく波打つように表わしてなるものである。
他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、図形を上部に、「LYONNAISE」、「DES EAUX」及び「DUMEZ」(上段の「L」及び3段目の「D」の文字は、他の文字の2倍程度の大きさで中段の文字を右にずらして表されいる。)の文字を該図形下に3段に表わしてなるものであるところ、その構成中の図形部分も、それ自体が独立して識別力を有するものと認められる。
そして、該図形部分は、灰色丸図形の中心上の左部から、右部へ一定幅で、白抜きし、その中に3本の灰色線を、まず、左円端より円の外側左方向に真っ直ぐにやや突き出し、左円端から円の中央方向には山なり状に、中央では右傾斜の直線で、円の終わり部に向かって谷状に、右円端部から円の外側真っ直ぐ方向にやや突き出して、かつ、中央部では白抜き部が幅広に表してなるもので、全体として、灰色円図形に沿って、3本の力強い灰色線で上下に分断するように表されているものである。
してみると、本件商標の図形部分と引用商標の図形部分とは、以下の差異を有するものである。
(a)円形図形が斜めに二分されているのに対し、円図形が分断するように表されていること。
(b)4本の白抜き線と3本の灰色線の位置が異なること。
(c)曲線が極めて緩い波打つS字状に対し、山なりで直線部分もある逆S字で力強いこと。
(d)円端部の突き出ている部分が曲線に対し、直線であること
(e)4本の白抜き線と3本の黒線は、全体として波打つ抽象形状であるのに対し、3本の力強い灰色線で上下に分断するように表されていること。
以上(a)ないし(e)の差異を有する両図形部分に接する取引者、需要者は、全体として異なったものと看取し、これを時と所を異にして観察しても、その外観が相紛らわしいものとはいい得ないものである。
登録異議申立人(以下「申立人」)は、この点、両図形は、丸(黒、灰)図形の中央を分断して、その分断された間を3本の線が波打つ様に緩やかに切り込んだ構成よりなるものであって、両者の相違は図形部分を左右対称にして、45 ゚程度の角度の差の有無にすぎず、両図形をやや傾けた場合はほぼ同一に見える程度に酷似していると主張する。
しかしながら、両商標は、本件商標が図形を左に文字を右に表示してなるもので、他方の引用商標が図形を上部に文字を下部に表示してなる構成からして、標章自体そのものは45 ゚回転させて使用することは、考え難く、かつ、両図形の構成は全体として互いに区別されること前記のとおりである。
さらに、申立人は、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定役務を種々対比して、類似する旨主張しているが、本件商標と引用商標は、これらについて論ずるまでもなく、商標において、外観上、十分区別し得る非類似のものと認められるものである。
その他、本件商標と引用商標は、観念、称呼についても類似するところがない。
以上のとおり、本件商標と引用商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第11号について違反して登録されたものでない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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