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Trademark Appeal Case

著名略称の保護

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90858(T2001−90858/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4500245号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4500245号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年5月26日に登録出願され、別掲(ア)のとおりの構成よりなり、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成13年8月17日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立の理由

(1)異議申立人の著名性と商標法第4条第1項第8号について

異議申立人ビーピー ピー・エル・シー・(以下「BP社」という)は、1909年に設立された英国を代表する世界有数の企業グループであり、全世界に存在する1900余りの子会社及び関連会社の親会社である。また、世界最大規模を誇る国際石油・石油化学会社の一つであり、石油資本のメジャーとしても世界的に著名であるが、昨今米国法人アモコ・オイルを吸収したことによって、その事業規模は一層巨大化している。実際、本件商標出願の遥か以前の1990年版の年次報告書日本語版(甲第3号証)にも示す通り、当時既にBP社の株式は英国、米国、日本、カナダ、スイス、ドイツ及びオランダの各証券取引所に上場されていた世界的大企業であり、BP社のグループ企業は、石油生産販売からガス、化学品、鉱業、各種精密測定機械、電気機器、医薬品、食品など広範囲な事業を世界的に展開する多角経営の事業体となっていた。参考までに、1984年12月当時のBP社の子会社及び関連会社のリストを甲第4号証として提出する。

更に、企業としてのBP社の活動は、上述の営利事業に止まらず、地域社会の生活の質を向上させるための地域社会のサポートにも及んでいる(甲第3号証)。例えば、大学に講座を設置するための資金援助、奨学金制度等の教育プログラムへの支援、各種博物館のスポンサーなどの文化・芸術の後援、絶滅の危機に瀕した野生生物の保護や湿地帯保護区の管理促進等の自然保護プロジェクトへの支援、その他障害者援助や慈善団体向け寄付金など幅広く地域支援プロジェクトを行っている。

したがって、BP社の名声は広く深く社会一般に浸透しているものである。 BP社が「BP」の略称をもって知られていることは顕著な事実である。甲第5号証に一例を示すとおり、20年以上も前にBP社は「BP」の略称でもって我が国の書籍の中で紹介されている。即ち、これは当時から我が国でも既にBP社は「BP」の略称をもって知られていたからこそ、第三者たる出版社がこの略称を用いたからに他ならない。

甲第6号証として提出する1997年「外国企業年鑑」においても「通称BPで知られる国際石油資本」としてBP社を紹介しており、また20年以上前の1975年版「外国会社ハンドブック」(甲第7号証)においても既に「BP」の略称が随所に記載されている。「在日外資系企業ファイル」(甲第8号証)にもBP社を「BPの通称で知られる国際石油資本」として紹介している。その他、英和辞典や現代用語の基礎知識(甲第9号証)でも「BP」を引けばBP社の旧名称「The British Petroleum」が出てくるし、商品名辞典(甲第10号証)にもBP社の略「BP」が記載されている。これら資料はいずれも第三者の出版による客観的使用であり、また特定分野の業界紙という訳でもないから、石油関連業界においてのみならず、一般社会において広くBP社が「BP」の略称をもって知られていることを端的に示すものである。

また、甲第11号証として、BP社に関して報じている1989年から2001年までの各種新聞記事写しを提出する。

これらより、BP社の名称が「The British Petroleum plc」及び「BP Amoco」であった時代から、昨今の「BP plc」に社名が変更された現在に至るまで、一貫して「BP」の略称が用いられ、その略称が各種メディアを通じて知られていたことは明らかである。

一方、本件商標は「BP」の欧文字を顕著に表してなるものであるから、BP社の著名な略称「BP」を包含するものであることは明らかである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第8号の規定に該当するものである。

(2)異議申立人の著名性と商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、下記の登録商標と類似し、その指定商品及び指定役務も類似するものである。

昭和60年1月22日に登録出願され、別掲(イ)に表示したとおりの構成よりなり、第7類及び第9類の商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年11月30日に設定登録された登録第2279956号商標

平成1年5月30日に登録出願され、別掲(ウ)に表示したとおりの構成よりなり、第11類の商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録された登録第2483362号商標

平成1年5月30日に登録出願され、別掲(エ)に表示したとおりの構成よりなり、第11類の商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年3月31日に設定登録された登録第2518212号商標同じく、平成9年2月12日に登録出願され、別掲(エ)に表示したとおりの構成よりなり、第42類の商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成12年6月30日に設定登録された登録第4396122号商標

平成9年2月12日に登録出願され、別掲(オ)に表示したとおりの構成よりなり、第42類の商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成12年6月30日に設定登録された登録第4396121号商標

甲第2号証に挙げる55件の上記各商標と同様「BP」の欧文字を有してなる商標

以下これらをまとめて「引用各商標」という。

なお、「BP」の欧文字部分の中央に棒状の図形が配されてはいるが、この棒状の図形は単なる装飾的図形であって、特定の称呼を生ずるものとは認識されないため、本件商標が「BP」の欧文字部分をもって認識されるべきものである点に影響はない。

したがって、本件商標が商標法第4条第1項第11号の規定に該当することは明白である。

(3)商標法第4条第1項第15号について

また、「BP」の欧文字部分を要部とする本件商標は、周知著名なBP社の「BP」商標と出所混同を生ずるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号の規定にも該当するものである。

(4)結論

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号の規定に基づき、その登録は取り消されるべきものである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、別掲(ア)のとおりよりなるものであるところ、構成中の「B−P」と「Rec」の文字とがまとまりよく一体的に表されているものであり、他に構成中の「B−P」部分のみを分離独立して認識しなければならない特段の事情も見いだせないから、その構成全体より、「ビーピーレック」の称呼のみを生ずる商標と認められるものである。

そして、本件商標と異議申立人(以下「申立人」という。)が自己の業務に係る商品及び役務に使用する盾形図内に「BP」の文字を表してなる商標とは、外観上も著しく相違するものである。

したがって、本件商標は、その構成中に申立人が主張する著名な略称「BP」を含むものと言うことはできない。

2 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(ア)のとおりよりなるものである。

一方、申立人が使用する引用各商標は、盾形図形内に欧文字「BP」を表してなる商標若しくは「BP」の欧文字よりなるものである。

そして、本件商標構成中の「B−P」と「Rec」の欧文字とが同じ書体でまとまりよく一体的に表されているものであり、引用各商標とは外観上明らかに相違し、かつ、本件商標は全体をもって一つの商標として看取させるものであること、上記1で述べたとおりである。

そうとすれば、本件商標中の「B−P」部分を分離独立させ、該部分より「ビーピー」の称呼を生ずるとして、本件商標と引用各商標とが類似するという申立人の主張は、理由がないものと言わなければならない。

3 商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用各商標とが類似するものではないこと前記1、2に述べたとおりである。

したがって、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、取引者・需要者がこれより申立人の商標を連想・想起し、その商品及び役務が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の商品及び役務であるかのように、その商品及び役務の出所について混同するおそれはないものと認められる。

4 結論

したがって,本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号に違反してされたものと認められないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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