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Trademark Appeal Case

称呼類似と周知商標

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90887(T2001−90887/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4501176号商標の指定商品中「配電用又は制御用の機械器具」についての登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4501176号商標(以下「本件商標」という。)は、「LambdaFlex」の欧文字を標準文字により書してなり、平成12年7月6日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年8月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)本件商標は、本件商標の先願に係る別掲のとおりの構成からなる平成11年商標登願第113566号商標(以下「引用A商標」という。)と称呼において類似するものであり、それぞれの指定商品中「配電用又は制御用の機械器具」と引用A商標の指定商品中「スイッチング電源装置」も同一又は類似のものであるから、商標法第8条第1項に該当する。

(2)異議申立人「デンセイ・ラムダ株式会社」(以下「申立人」という。)は、ネミック・ラムダ株式会社と日本電気精器株式会社が合併し、1999年(平成11年)10月1日に発足した会社である。

ネミック・ラムダ株式会社は、以前は米国法人ラムダ・エレクトロニクス(LambdaElectronics)の子会社であったが、1999年(平成11年)2月、ラムダ・エレクトロニクス(Lambda Electronics)は英国を本拠地とする持株会社インベンシス(lnvensys)に買収された。現在申立人は、ラムダ・エレクトロニクス(LambdaElectronics)とともに、インベンシスグループのパワーエレクトロニクス部門の一員となっている。ラムダ・エレクトロニクス(LambdaElectronics)は、1948年の創業以来、長年にわたってスイッチング電源を主に米国において開発・製造・販売しており、現在に至るまで高い売上及びマーケットシェアを維持し続けている。そして、甲第7号証にあるように、その販売する製品及びそれらに関連する営業活動においては必ず別掲の商標(以下「引用B商標」、「引用C商標」という。)を使用し続けており、スイッチング電源の分野では世界的に周知な商標である。また、わが国において申立人の製造販売にかかるスイッチング電源装置は、甲第8号証に示すように、1999年においては日本全国のスイッチング電源の総生産高3759億円中8.5%、2000年においては総生産高4201億円中8.4パーセントのシェアを有し、いずれも業界1位の地位にある。また、2001年の見込みでも、総生産高4324億円のうち7.9%のシェアを有し、業界2位の地位にあるものの、8.2%のシェアを占める1位の企業とは売上ベースで僅差である。

上述の如く日本のスイッチング電源市場のトップシェアを誇る申立人は、その前身であるネミック・ラムダ株式会社のころから米国法人ラムダ・エレクトロニクス(Lambda Electronics)の子会社としてその製造販売するスイッチング電源に引用C商標を使用してきた(甲第9号証)。

そして、デンセイ・ラムダ株式会社となってからは、その製造販売するスイッチング電源には必ず別掲の商標(以下「引用D商標」という。)を使用し、引用C商標も引き続き使用し続けている(甲第10号証〜同第15号証)。

申立人であるデンセイ・ラムダ株式会社、過去においてはその前身であるネミック・ラムダ株式会社、米国その他の諸外国においてはラムダ・エレクトロニクス(LambdaElectronics)が、スイッチング電源に関し高い売上及びマーケットシェアを得ており、その活動において引用B商標及び引用D商標を使用し続けている。

このことから、スイッチング電源業界に属する取引者及び需要者の間では「LAMBDA」の文字、引用B商標、引用C商標及び引用D商標から申立人を容易に想起できると考えられる。

ここで、本件商標をみると、「LambdaFlex」から「ラムダフレックス」、「ラムダフレックス」の他に「ラムダ」という称呼が生じる。したがって、引用B商標とは称呼の点で類似し、又「λ」が「ラムダ」と称呼されることは広く知れていることから引用C商標とも称呼が類似する。さらに、本件商標と引用D商標とは「ラムダ」の称呼において類似する商標である。

一方、商品「スイッチング電源」は、本件商標に係る指定商品「配電用又は制御用の機械器具」と類似する。

また、申立人が発足した平成11年10月1日以前から引用B商標及び引用C商標は、ラムダ・エレクトロニクス(Lambda EIectronics)やネミック・ラムダ株式会社によって使用されており、引用商標Dについては申立人によってその発足後(平成11年10月1日以降)から使用され続けている。

したがって、引用B商標ないし引用D商標は本件商標の登録日(平成13年8月24日)の時点のみならず出願日(平成12年7月6日)の時点においても取引者及び需要者の間で全国的に周知であったことは明らかである。

以上のことから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。

なお、このような状況のもと、本件商標をその商標権者である沖電気工業株式会社が商品「スイッチング電源」に使用した場合、申立人の製造販売にかかるスイッチング電源であると取引者及び需要者が出所混同を生じるおそれがある。

したがって、本件商標の指定商品中「配電用又は制御用の機械器具」についての登録は、商標法第4条第1項第10号及び同法第8条第1項に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第8条第1項について

本件商標は、前記のとおりの構成からなるところ、その構成文字全体は外観上まとまりよく一体的に表されていて、これより生ずると認められる「ラムダフレックス」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。してみると、本件商標は、その構成中の「Lambda」の文字部分のみが独立した標識部分として認識されることはないというべきであり、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体より「ラムダフレックス」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を有しないものとみるのが相当である。

他方、引用A商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、その構成中の「LAMBDA」の欧文字と図形部分の三角形内に表したラムダ記号より「ラムダ」(ギリシャ語のラムダ)の称呼、観念を生ずる。

そして、本件商標より生ずる「ラムダフレックス」と引用A商標より生ずる「ラムダ」との称呼とは、「ラムダ」の音を共通にするが、後半部において「フレックス」の音の有無という差異を有するものであるから、称呼上十分聴別し得るものである。

また、本件商標と引用A商標とは、外観上は明らかに相違し、観念においては比較することができない。

してみれば、本件商標と引用A商標とは、称呼、外観及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と言わなければならない。

(2)商標法第4条第1項第10号について

本件商標と引用A商標とが、類似する商標ではないこと、上記(1)で述べたとおりである。

そして、本件商標と引用B商標、引用C商標及び引用D商標の類否については、本願商標が前記のとおりの構成よりなるものであるのに対し、引用B商標、引用C商標及び引用D商標は別掲のとおりの構成よりなるものであるから、外観上は充分に区別し得るものであり、上記(1)で認定のとおり、本件商標はその構成文字全体より「ラムダフレックス」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じさせない造語を表したものであるのに対し、引用B商標、引用C商標及び引用D商標は、それぞれの構成中の「LAMBDA」の欧文字、あるいは三角形内にラムダ記号を表した図形の各部分より、いずれも「ラムダ」(ギリシャ語のラムダ)の称呼、観念を生じるものであるから、本件商標と引用B商標、引用C商標及び引用D商標とは、称呼及び観念においても相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。

加えて、申立人が引用B商標ないし引用D商標の周知性を立証する証拠として提出している甲第8号証ないし同第15号証の「ラムダ・エレクトロニクスのホームページ」、「スイッチング電源直流安定化電源 調査報告書 2001〜2002年版(抜粋)」等の証拠は、その多くが本件商標の登録出願時である平成12年(2000年)以降のものであり、提出の証拠のみでは、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、引用各商標が申立人の商品に係る商標として、需要者間に周知であったものとは認められないから、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

(3)結論

したがって、本件商標の結論掲記の商品についての登録は、商標法第8条第1項、同法第4条第1項第10号に違反してされたものとは認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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