結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−31222(T2000−31222/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3173276号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成4年9月26日に登録出願、第38類「電子計算機端末による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信」を指定役務として、同8年6月28日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のとおり述べている。
(1)答弁書によれば、被請求人は、本件商標の使用事実がある旨主張している。
しかしながら、(株)アルファテン及び(株)フロンテックのために行われた営業活動は、本件商標登録の指定役務である「電子計算機端末による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信」のいずれにも該当しない。
すなわち、本件指定役務が属する国際分類第38類の注釈に「この類には、主として、少なくとも一人の者が感覚を手段として他の者と通信をすることを可能にする役務を含む。」とあるように、本件指定役務である「電子計算機端末による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信」とは、役務の被提供者が電子計算機端末、電話、ファクシミリを利用して他の者と通信をすることを可能にする役務であるというべきである。典型的な例としては「電子計算機端末による通信」についてはインターネットのプロバイダ、「電話による通信,ファクシミリによる通信」については電信・電話業者によって提供される役務である。
(2)しかしながら、被請求人の主張に係る(株)アルファテン及び(株)フロンテックの営業活動(電話、ファクシミリ、電子メール及び添付資料の配布、送付、その他)は、何者かが電子計算機端末等を利用して通信をすることを可能にするというものではなく、単に自らが電話をかけた、あるいはファクシミリや電子メール等を送信したというものである。したがって、(株)アルファテン及び(株)フロンテックの営業活動は指定役務とは全く異なるものである。
よって、被請求人が主張するような事実が存在したとしても、本件商標はその指定役務のいずれかに使用されていたとはいえない。
(3)また、被請求人は証拠方法として乙第1号証及び第2号証を提出しているが、いずれの証拠においても、被請求人の商品と思われる「コンピューターシステム又は自動化画像計測処理システム」について記載されているが、本件商標がその指定役務「電子計算機端末による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信」に使用された事実を示す記載は全くなく、また答弁書にもその説明はない。加えて、被請求人が主張する「営業活動としての電話、ファクシミリ、電子メール及び添付資料の配布、送付、その他」が行われたことを客観的に立証する記載すらない。雇用保険被保険証の写しである乙第3号証によっては、被請求人が(株)アルファテンに在籍していた事実は認められるとしても、本件商標を指定役務に使用していた事実を示すものではない。
(4)なお、被請求人は、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があるとの主張はしていない。
(5)以上のとおり、被請求人は、答弁書において商標法第50条第2項に規定される登録商標の使用を証明するものではなく、また、不使用についての正当な理由の存在も立証していない。したがって、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。と答弁し、その理由を要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として乙第1号証ないし同第3号証(乙号各証をとおして整理番号1ないし33が付されている。)を提出している。
<本件商標の使用実績について>
本件商標の使用に係わる主要な関係先(先方)は、「社名」(株)アルファテン。「本店住所」東京都千代田区(後に移転)。「先方の主たる業務」コンピュータ及び各種関連機器並びにソフトウェアの製造販売。「頻繁に使用の期間」平成8年9月から平成9年12月末までの期間。「内容」営業活動としての電話、ファクシミリ、電子メール及び添付資料の送付、その他。であり、同じく主要な関係先(先方)は、「社名」(株)フロンテック。「本店住所」埼玉県和光市。「先方の主たる業務」コンピュータ及び電子応用機器、ソフトウェアの製造販売。「頻繁に使用の期間」平成10年1月から平成12年2月までの間。「内容」営業活動としての電話、ファクシミリ、電子メール及び添付資料の送付、その他。である。
被請求人の代表者である喜井明は、前記の頻繁に使用の期間中の殆ど(9割以上の期間)を(株)アルファテン並びに(株)フロンテックの両社に在籍し、中部営業所の所長として、証拠として提出した書類を使用して営業活動を行っていた。
商標法第50条第1項に規定する商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明するか、又は、使用していないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしない限り、その指定役務に係る商標登録の取り消しを免れないこととなっている。
そこで、被請求人は、本件商標の使用実績がある旨主張しているので、この点について検討する。
(1)被請求人が提出する乙第1号証(整理番号1ないし31)によると、いずれの資料も、右上の欄に「(事例No.)」と記載した欄に番号(例えば「1−1」、「2−1」等)を記載し、そして、本文として、システムの名称、システムの機能概要、このシステムを導入した場合の業務上の効果、システム構成の概念図及びこのシステムにおいて使用する機器、ケーブル等のリストを記載し、その本文の右下の枠外に、本件商標と社会通念上同一とみることのできる「CCS中日コンピュータシステム株式会社」の表示がされていることが認められる。
(2)同乙第2号証(整理番号32)によると、「AIMS」、「(Automaticaly Image Measuring System)」、「自動化画像測定処理システム」の文字をタイトルとして三段に記載、その下方に「非接触で、正確に素早く計測。」、「次世代のFAの要となる画期的なシステムです。」と二段に記載、そして、その下に「◆AIMSの特徴」、「◆AIMSのシステム構成」、「◆AIMSの効果」、「◆AIMSの応用」の項目とその説明又は図がそれぞれ記載され、本件商標と社会通念上同一とみることのできる「CCS中日コンピューターシステム株式会社」の表示が右下に「本システムの問い合わせ先」として表示されていることが認められる。
(3)同乙第3号証(整理番号33)の雇用保険被保険証の写しには、氏名「キイ アキラ」、事業所名略称「カブシキ ガイシヤ アルフアテン」と記載されている。
これらの事実及び被請求人の主張を総合すると、乙第1号証及び同第2号証は、主にコンピュータを用いて工作機械の運転、各種データの管理、生産や梱包ライン制御・管理等に用いるネットワークシステムの構成等を表した書面(事例を示すもの)であり、コンピュータその他の機器等を販売するために用いられる販売促進用の事例紹介文書と推測される。
そして、商標権者(被請求人)は、雇用保険被保険証からすると平成8年9月21日ないし同9年1月23日ころに、取引先の会社、東京都千代田区所在の(株)アルファテンに在籍して、電話、ファクシミリ、電子メール及び乙第1号証又は同第2号証の書面を用いて営業活動を行っていたものと推測される。
してみると、商標権者(被請求人)は、(株)アルファテンの会社に在籍して、同社が製造するコンピュータを始めとする各種機器等を用いたシステムをつくるために必要な関係機器の販売業務を行っていたものと推測される。
しかしながら、本件商標に係る指定役務「電子計算機端末による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信」は、顧客(第三者)のための労務又は便益であって、独立して商取引の目的たりうべきものであるところの電子計算機端末、電話又はファクシミリを用いて一方の顧客から他方の顧客へ通信を行う役務と解されるところ、商標権者は、上記認定のとおり、コンピュータ等を用いたネットワークシステムに関係する機器等の商品の販売を行っていたものと推測されることから、商標権者は、本件商標の指定役務に含まれる役務を行っていたものと認めることはできない。
その他、被請求人は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標に係る指定役務のいずれかの役務を行い、本件商標を使用していたものと認めるに足りる証拠を提出していない。
してみれば、被請求人は、審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていたことを証明することができなかったものといわなければならない。
また、被請求人は本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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