結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2002−35179(T2002−35179/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4498105号商標(以下「本件商標」という。)は、「デジタルファクトリ」の片仮名文字(「標準文字」による)を書してなり、平成12年5月18日に登録出願、第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む),映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ」、第16類「雑誌,書籍,新聞,ニューズレター,パンフレット」、第35類「インターネットによる広告の代理,広告文の作成,電子計算機の操作,商品の販売に関する情報の提供,市場調査」、第37類「電気通信機械器具の修理又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守」、第38類「インターネットによる通信,移動体電話による通信,電子計算機端末による通信,電話による通信」、第41類「図書及び記録の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」、第42類「デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定商品又は指定役務として、同13年8月10日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)本件商標を構成する「デジタルファクトリ」について、甲第3号証では「ITを活用したデジタル工場のこと。各種シミュレーションソフトを活用し、生産工程の立案や分析から、製造ラインのシミュレーション、工程データの管理にいたるまでを包括的に取り扱うことが可能。生産設備の最適化や設計資産の有効活用により製品の市場投入までの期間とコストを大幅に削減することができる。」と説明されている。
また、甲第4号証では、「デジタルファクトリ」の定義を「コンピュータの中に、工場の設備や人を仮想的に構築し、実際に生産する前に仮想設備や人によって生産が目的通りにできるか、または生産するものの整合性が取れているかなど、3次元のCADデータをベースにシミュレーションを行い、工場の設備、人を有効利用して生産性と品質を高め、更に生産コストを下げるための究極の手法」と説明されている。
その他、甲第5号証ないし甲第8号証にも、「デジタルファクトリ」に関する記事が掲載されている。
(2)そして、甲各号証に示すとおり、「デジタルファクトリ」の語は、本件商標の登録査定日である平成13年7月3日時点においては、生産設備の最適化や設計資産の有効活用するために生産工程立案・分析のシミュレーションソフト、製造ラインのシミュレーションソフト、工程のデータ管理ソフトといった分野においては、ごく一般的な名称として使用されてきた事実が存在し、本件商標を前述したようなソフト等、指定商品「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)」に使用した場合は、商品の品質、効能、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものにすぎず、それ以外のソフトなど指定商品に使用される場合は、商品の品質の誤認を生ずるおそれのあるものである。
また同様にこれらソフトを用いて指定役務「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に使用される場合は、役務の質、提供の用に供する物、効能、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎず、それ以外の提供役務に使用した場合は、役務の質の誤認を生ずるおそれのあるものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に反するものであるから、その指定商品(役務)中、上記商品(役務)についての登録を無効にされるべきである。
被請求人は、何ら答弁していない。
本件商標は、上記のとおり「デジタルファクトリ」の文字よりなるところ、「デジタルファクトリ」の語は、甲第3号証(imidas2001・2001年1月1日発行。)によれば、「ITを活用したデジタル工場のこと。各種シミュレーションソフトを活用し、生産工程の立案や分析から、製造ラインのシミュレーション、工程データの管理にいたるまでを包括的に取り扱うことが可能。生産設備の最適化や設計資産の有効活用により製品の市場投入までの期間とコストを大幅に削減することができる。」と解説されており、また、甲第4号証(日立造船システム株式会社のホームページ・1997年10月1日更新。)によれば「コンピュータの中に、工場の設備や人を仮想的に構築し、実際に生産する前に仮想設備や人によって生産が目的通りにできるか、または生産するものの整合性が取れているかなど、3次元のCADデータをベースにシミュレーションを行い、工場の設備、人を有効利用して生産性と品質を高め、更に生産コストを下げるための究極の手法」と解説されている。
そして、甲第3号証及び甲第4号証は、本件商標の登録査定日(平成13年7月3日)より前に発行又は更新がされたものである。
そうとすれば、本件商標を構成する「デジタルファクトリ」の文字は、本件商標の登録査定日に、少なくとも請求人が登録の無効を主張している指定商品及び指定役務を取扱い又は提供する分野においては、上記の甲第3号証及び甲第4号証に解説されている意味の語として普通に用いられ知られていたものと認めるのが相当である。
してみれば、本件商標を「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)」及び「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用するときは、取引者、需要者は、それぞれ「デジタルファクトリ用の電子計算機用プログラムを内蔵している商品」及び「デジタルファクトリ用の電子計算機用プログラムを用いて提供する役務、又はデジタルファクトリ用の電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関わる役務」であることを示す文字として理解するに止まるものと認められから、本件商標は、単にその商品の品質(用途)又はその役務の質を表示するにすぎないものというべきである。
また、本件商標を上記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、デジタルファクトリ用の電子計算機用プログラムに関係するものであるかのごとく、その商品の品質(用途)又は役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、その指定商品及び指定役務のうち、第9類中「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)」及び第42類中「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」についての登録を同法第46条第1項の規定に基づき、無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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