Trademark Appeal Case
地名「BELAU」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−10273(T2002−10273/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「BELAU BEER」の欧文字を横書きしてなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成13年7月11日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、パラオ共和国を産地、販売地とするビールであることを認識させる「BELAU BEER」の文字を表してなるから、これを本願指定商品中前記商品に使用するときは、単に商品の品質、産地、販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「BELAU BEER」の文字を書してなるところ、その構成中前半の「BELAU」の文字は、パラオ共和国の旧名称「Republic of Belau」の略称であると認められる。
ところで、パラオ共和国は、1981年に「ベラウ(Belau)共和国」として自治政府が発足し、1994年10月に独立した(外務省ホームページ、各国地域情報の「パラオ共和国」の項、コンサイス外国地名辞典(株式会社三省堂1991年5月30日発行)参照)が、その後も我が国においては、「BELAU」の表音である「ベラウ」の語が当該国名の略称又は国名の一部として、単独であるいは「パラオ」の文字と併記されるなどして、混在して使用されている実情がある。このことは、例えば、次の辞書類、新聞記事及びインターネットの記事情報等からも裏付けられる。
(1) 研究社 新英和大辞典 第6版[(株)研究社、2002年3月発行]
「Belau」の見出しで、「ベラウ(西大西洋Caroline諸島西端の約100の島から成る共和国...:公式名the Republic of Belau...)」
(2)小学館ランダムハウス英和大辞典 第2版[(株)小学館、1999年1月10日発行]
「Belau」の見出しで、「ベラウ[パラオ](共和国)(the Republic of Belau)...」の記載。
(3) 朝日新聞社、大阪地方版/広島 広島版、1997.10.18付け
「パラオ大統領が架橋現場を見学」の見出しで、「太平洋に浮かぶ独立国パラオ(旧米信託統治領ベラウ共和国)のクニオ・ナカムラ大統領が十七日、尾道市にある本四公団第三建設局を訪れ、...」の記載。
(4) 読売新聞社、東京夕刊、1997.8.14付け
「西大西洋・パラオのピラミッド地形 仏教遺跡説が浮上 来春から共同調査」の見出しで、「西太平洋の熱帯の島国、パラオ(ベラウ共和国)にある段々畑状のピラミッド地形。...」の記載。
(5)毎日新聞社、地方版/愛知、1995.8.24付け
「[50年目のはちがつ]ラバウルなど大戦の戦跡を巡り、戦争の悲惨さ学ぶ」の見出しで、「...十四日ラバウル、十八日ベラウ、そして二十三日に那覇を訪れ、...」の記載。
(6)朝日新聞社、東京朝刊、1994.10.2付け
「パラオ共和国〈用語〉」の見出しで、「太平洋の二百余りの小さな島々からなり、全面積は約五百平方キロ。ベラウとも呼ばれている。...」の記載。
(7)インターネットのサイト
(ア)「ミクロネシア パラオ」の表題の下に、以下の記載がある。
パラオ(パラオ共和国)Palau(Republic of Palau)...● 国名はパラオ共和国(Republic of Palau)、又はベラウ共和国。首都はコロール。 ● 日本との時差はなし。...(http://www.diver.ne.jp/point/Foreign/micronesia/palau.htm 2001.04.08 更新)
(イ)「Palau Pacific Resort」の表題の下に、以下の記載がある。
パラオ(ベラウ)共和国は日本から南に3,000kmのミクロネシア、西カロリン諸島最西端にあり、南北800kmの海域に300以上の島からなり、1994年10月1日国際連合の信託統治を離れ、自由連合国として独立した人口16,000人の国家です。...(http://www.palau-ppr.com/ 2002.12.03 更新)
(ウ)「◆パラオ」の表題の下に、以下の記載がある。
パラオは正式名称を「ベラウ共和国」といい、マッシュルームアイランドといわれ...(http://www.t-winds.com/fishing/tour_par/tour_par.html 2002.11.25 更新)
(エ)「パラオ・トラベル情報」の表題の下に、以下の記載がある。
パラオは日本のほぼ真南約3.000km離れた西太平洋上にあり、南北100kmに渡って散らばっている大小340程の島とそれを囲むサンゴ礁で成り立っています。... 国名 Republic of Palau パラオ共和国 現地語でベラウ共和国(どちらでもよい)...(.http://www.splash-palau.com/jp/palau_info/TourInfo.html 2002.11.12 更新)
(オ)「パラオはどんなところ?」の表題の下に、以下の記載がある。
パラオってどんなところ? ダイバーなら誰しも知っているパラオ。...国 名: パラオ共和国(ベラウ共和国) ビ ザ:30日以内の観光は不要...
(http://www3.justnet.ne.jp/~tbb/-whtpalau.htm 2001.11.18 更新)
以上の実情からすると、「BELAU」の文字は、ベラウ共和国、パラオ共和国の旧名称あるいはパラオ共和国、すなわち現在のパラオ共和国を容易に認識させるものであるといえる。
そして、本願商標の構成中後半の「BEER」の文字は、商品「ビール」を意味する語として一般に親しまれ使用されているものである。
してみれば、本願商標は、上記実情からして「パラオ共和国」を理解させる「BELAU」の文字と指定商品中の「ビール」を表示したものと認識させる「BEER」の文字とを結合した「BELAU BEER」の文字からなるから、全体として「パラオ共和国のビール」の意味合いを容易に認識させるものと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中「パラオ共和国を産地、販売地とするビール」に使用した場合、これに接する取引者・需要者は該商品の品質(産地、販売地)を表示したにすぎないものと認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ず、また、これを上記の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、外国の地名などを構成の全部又は一部とした商標の登録例を挙げて、本願商標は登録されるべきであると主張しているが、請求人の挙げる登録例は、その商標の構成態様、商標と指定商品の関係等において、本件とは事案を異にするものであって、これらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でないから、その主張は、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。