結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30326号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第644076号商標(以下「本件商標」という。)は、「MAGIQUE」の欧文字を横書きしてなり、昭和37年12月26日に登録出願、第4類「化粧品、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和39年6月3日に商標権設定登録、その後、昭和49年8月26日、同59年6月20日及び平成6年7月28日の3回に亘り、商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。
(1) 本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用していないものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2) 被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人は、答弁書の理由において、本件商標は、商標登録第644077号「Magic」(乙第2号証の1及び2)及び商標登録第1325609号「マジック」(乙第3号証の1及び2)の連合商標として登録されたものであり(以下、合わせて「本件連合商標」という。)、本件連合商標は平成6年より継続的に現在に至るまで適法に使用しているものであって、商標法改正附則(平成8年法律第68号抄)第10条第2項の規定に基づく適法な使用であると述べ、かかる使用の事実を立証するため乙第8号証ないし乙第25号証を提出している。
しかしながら、被請求人が提出した乙第8号証ないし乙第25号証にみられる被請求人の使用商標は、商標法第50条にいう社会通念上の同一の商標とはいえない。
また、商標法附則第10条第2項の規定にいう改正前商標法第50条第2項の特別規定が認められるのは、平成8年改正法施行日以前の連合商標の使用に限られ、施行日以降の連合商標の使用によっては、取消を免れることはできない。
すなわち、被請求人が提出した乙第8号証ないし乙第25号証には、かかる期間の連合商標の使用を示す証拠はない。
したがって、乙第8号証ないし乙第25号証は、商標法改正附則第10条第2項の規定に基づく適法な使用であるとはいえず、連合商標の使用を示す証拠が何ら示されていないものであるから、かかる証拠に基づく被請求人の使用事実の主張は、明らかに失当であり、本件商標の取消を免れることはできないものである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由及び請求人の弁駁に対する答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第32号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1) 答弁の理由
本件商標は、その商標登録原簿謄本(乙第1号証)から明らかなとおり、連合商標登録、すなわち、「Magic」の欧文字が左横書きされ、第4類「化粧品、その他本類に属する商品」を指定商品として登録された商標登録第644077号(乙第2号証の1及び2:以下「本件連合商標A」という。)、及び「マジック」の片仮名文字が左横書きされ、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類(但し、薫料を除く)」を指定商品として登録された商標登録第1325609号(乙第3号証の1及び2:以下「本件連合商標B」という。)、)の連合商標として登録されていたものである。
そして、本件連合商標は、平成6年より継続的に現在に至るまで適法に使用しているものであって、「平成12年3月31日までに請求された不使用取消し審判については、被請求人が連合商標の使用の特則によって使用の証明をしたときは取消しを免れる。」旨の商標法改正附則第10条第2項の規定に基づく適法な使用である。
すなわち、本件商標の商標権者である「八木弦三郎」は、添付の登記簿謄本(乙第4号証)から明らかなとおり、自ら代表取締役を務める「株式会社ピカソ美化学研究所」に対し、本件商標権のみならず本件連合商標の商標権について「通常使用権」を許諾しているものである。かかる事実を証明するため、株式会社ピカソ美化学研究所の証明書を乙第5号証として提出する。そして、「通常使用権者」である「株式会社ピカソ美化学研究所」(以下「ピカソ美化学」という。)は、前記乙第4号証、及び原紙定款(乙第7号証)からも明らかなとおり、「化粧品の製造販売等」を業とするもので、本件連合商標を現に適法に使用しているものである。かかる事実を立証するため、乙第8号証ないし乙第25号証を提出する。
(ア) 乙第8号証は「商品及びパッケージ」の写真(平成11年6月11日撮影)を示すもので、「LIP MAGIC」「リップマジック」の欧文字及び片仮名文字が明確に表示され、「LIP」「リップ」の文字が付記的な部分にすぎないものであるから自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあり、明らかに本件連合商標と同一性を有するものであって、しかも、使用商品は「口唇化粧品」であってみれば、本件連合商標の適法な使用事実を明確に示すものである。そして、本件連合商標は、平成6年より継続的に現在においても使用中であり、かかる事実を立証するため乙第9号証ないし乙第11号証を提出する
乙第9号証は、本件使用商品の製造事実を示す「化粧品製造製品届書(内容の変更により再届)」である。
乙第10号証の1ないし8は、ピカソ美化学より株式会社ジュテーム(以下「ジュテーム」という。)に販売した事実を示す1998年2月3日ないし同年9月7日付の納品書控(直送分及び引取り分)である。
乙第11号証は、平成6年よりピカソ美化学からジュテームに販売した事実を示す納入証明書である。
かかる乙第9号証ないし乙第11号証からも明らかな如く、遅くとも平成6年より本件連合商標の継続的な使用事実を明確に示すものである。
(イ) 乙第12号証は「商品及びパッケージ」の写真(平成11年6月11日撮影)、乙第13号証は「パンフレット」を示すもので、乙第12号証は「MAGIC COLOR」「マジックカラー」の欧文字及び片仮名文字が明確に表示され、「COLOR」「カラー」の文字が付記的な部分に過ぎないものであるから自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあり、明らかに本件連合商標と同一性を有するのみならず、使用商品は「アイシャドウ」であってみれば、本件連合商標の適法な使用事実を明確に示すものである。同様に、乙第13号証にかかる「パンフレット」には「マジックカラー」の文字が表示されているものであって、本件連合商標Bの使用事実を明確に示すものである。そして、本件連合商標は、平成6年より継続的に現在においても使用中であり、かかる事実を立証するため乙第14号証及び乙第15号証を提出する。
乙第14号証は、本件使用商品の適法な製造事実を示す「化粧品製造製品届書(内容の変更により再届)」である。
乙第15号証は、ピカソ美化学よりジュテームに販売した事実を示す1994年8月17日付の仕入台帳である。
かかる乙第14号証、乙第15号証及び前記乙第11号証に示すジュテームの納入証明書からも明らかな如く、平成6年より本件連合商標の継続的な使用事実を明確に示すものである。
(ウ) 乙第16号証は、「商品及びパッケージ」の写真(平成11年6月11日撮影)、乙第17号証は「パンフレット」を示すもので、乙第16号証には「COVER MAGIC」「カバーマジック」の欧文字及び片仮名文字が明確に表示され、「COVER」「カバー」の文字が付記的な部分に過ぎないものであるから自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあり、明らかに本件連合商標と同一性を有するのみならず、使用商品は「メークアップ化粧品」であってみれば、本件連合商標の適法な使用事実を明確に示すものである。
同様に、乙第17号証にかかる「パンフレット」には「カバーマジック」の文字が明確に表示され、本件連合商標Bの使用事実を明確に示すものである。そして、本件連合商標は、平成6年より継続的に現在も使用中であり、かかる事実を立証するため乙第18号証及び乙第19号証を提出する。
乙第18号証は、本件使用商品の適法な製造事実を示す「化粧品製造製品届書(内容の変更により再届)」である。
乙第19号証の1ないし3は、ピカソ美化学よりジュテームに販売した事実を示す1999年2月3日、及び同年2月19日付の納品書控である。
かかる乙第18号証、乙第19号証、及び前記乙第11号証に示すジュテームの納入証明書からも明らかな如く、平成6年より本件連合商標の継続的な使用事実を明確に示すものである。
(エ) 乙第20号証は、「商品の正面及び背面」の写真(平成11年6月11日撮影)を示すもので、「アロエマジック」「ALOE MAGIC」「ALOE」「MAGIC」の欧文字が明確に表示され、「アロエ」「ALOE」の文字が付記的な部分にすぎないものであるから自他商品の識別機能は「マジック」「MAGIC」の文字にあり、本件連合商標と同一性を有するのみならず、使用商品は「スキンケアクリーム」であってみれば、本件連合商標の適法な使用事実を明確に示すものである。
(オ) 乙第21号証は、「使用商品」のパンフレットを示すもので、「ALOE/MAGIC」の欧文字と「アロエマジック」の片仮名文字とが明確に表示され、同様に、明らかに本件連合商標と同一性を有するのみならず、使用商品は「スキンケアクリーム」であって、本件連合商標の適法な使用事実を示すものである。そして、本件連合商標は、平成6年より継続的に現在も使用中であり、かかる事実を立証するため乙第22号証ないし乙第25号証を提出する。
乙第22号証は、本件使用商品の適法な製造事実を示す「化粧品製造製品届書」である。
乙第23号証の1ないし3は、本件使用商品にかかる「容器」につき、石堂硝子株式会社(以下「石堂硝子」という。)より1998年10月9日、同年10月13日及び1999年1月20日付でピカソ美化学に納品された事実を示す納品書である。
乙第23号証の4及び5は、本件使用商品にかかる「チラシ」及び「アロエマジック比較表(布亀説明会用資料)」につき、株式会社サカモト美術印刷(以下「サカモト美術印刷」という。)より平成10年11月12日及び同年11月13日付でピカソ美化学に納品された事実を示す納品書である。
乙第24号証の1及び2は、本件使用商品につき、ピカソ美化学より平成9年4月3日及び同年6月30日付で布亀通商株式会社(以下「布亀通商」という。)に納品した事実を示す「納品書」である。
乙第24号証の3ないし5は、平成10年6月29日、1998年11月30日及び1999年6月4日付で株式会社エイチピー(以下「エイチピー」という。)に納品した事実を示す納品書である。
乙第24号証の6は、1998年10月2日付で株式会社コスモプラスに納品した事実を示す納品書である。
乙第24号証の7は、1999年4月30日付で株式会社ヤマノに納品した事実を示す納品書である。
乙第25号証は、「ピカソ美化学より本件使用商品を平成2年より現在に至るまで納入している」事実を示す前記販売業者たる「エイチビー」の証明書である。
(カ) 被請求人は、答弁書において連合商標の使用に関する特則による使用事実を立証したが、さらに証拠を補充して使用事実を立証するため、乙第26号証ないし乙第28号証を提出する。
本件連合商標A(商標の構成「Magic」)の商標権者は、「株式会社アリミノ」(以下「アリミノ」という。)に対し、本件連合商標Aについて通常使用権を許諾し、通常使用権者は本件連合商標Aを平成7年より現に適法に使用しているものである。
乙第26号証は、「商品及び商品包装用段ボール箱」の写真(平成12年11月22日撮影)を示すもので、「商品」には「GN」「HAIR」「MAGIC」の欧文字が3段にわたって明確に表示されているものである。そして、上記の表示態様からみて、「GN」はアルファベットの2文字であり、また「HAIR」は用途としての頭髪用の意義に慣用されるものであってみれば、自他商品の識別機能は「MAGIC」の欧文字にあるものであって、明らかに本件連合商標Aとは実質同一性を有するのみならず、使用商品も「ヘアトリートメント」であってみれば、社会通念上、本件連合商標の適法な使用事実を示すものである。
また、「商品包装用段ボール箱」には「Let’s HAIR」の欧文字が小さく表示されると共に、「MAGIC」の欧文字が大きく明確に表示されているものであって、「Let’s HAIR」の欧文字が前記と同様に付記的な部分にすぎないものであるのみならず、明確に大書されていることからして、自他商品の識別機能は「MAGIC」の欧文字にあるものである。
してみれば、乙第26号証は、社会通念上、本件連合商標の適法な使用事実を示すものである。
乙第27号証は、アリミノの「化粧品製造品目追加許可申請書」、及び「化粧品製造品目追加許可書」を示すもので、乙第26号証にかかる使用商品の適法な製造事実を示すものである
乙第28号証の1ないし4は、乙第26号証にかかる使用商品の納品「計算書」を示すものである。
乙第28号証の1は、1996年4月9日付けで「滝川株式会社(直送先:(株)立美)」に納品した事実である。
乙第28号証の2は、1997年3月31日付けで「検見川ホリー美容商事(有)」に納品した事実である。
乙第28号証の3は、1997年3月31日付けで「(有)サン商事」に納品した事実である。
乙第28号証の4は、1997年3月31日付けで「(株)ほかり」に納品した事実を各々示すものであり、かかる納品期日である「1996年4月9日」及び「1997年3月31日」は、商標法改正附則第10条第2項の規定に基づく連合商標の使用の特則期間、すなわち、本件審判の予告登録日(平成11年4月7日)の3年前である平成8年4月7日から平成8年法改正施行日前である平成9年3月31日までの期間内に含まれるものである。
なお、乙第28号証の1ないし4中、「GNヘアマジックテクニカルR(N)」は本件使用商品の品名を表示するものである。
(キ) 被請求人は、答弁書並びに上記(力)の証拠方法補充書において、使用事実を立証したが、さらに証拠を補充して使用事実を立証する。
乙第20号証にかかる使用商品、すなわち、「ALOE」と「MAGIC」の欧文字が上下2段に明確に表示された商品は、連合商標の使用の特則期間内に使用されていたものであって、かかる事実を立証するため、乙第30号証ないし乙第32号証を提出する。
乙第30号証の1ないし2は、乙第20号証にかかる商品の「容器」の作成事実を示す石堂硝子より「1996年11月8日」及び「1997年1月21日」付けでピカソ美化学に納品された事実を示す納品書である。
乙第31号証は、乙第20号証にかかる商品の「チラシ」の作成事実を示すサカモト美術印刷より「平成8年11月14日」付けでピカソ美化学に納品された事実を示す納品書である。
乙第32号証の1ないし2は、乙第20号証にかかる商品につき、ピカソ美化学研究所より布亀通商に対し、平成8年12月13日、同年12月16日、及び同年12月17日に納品した事実を示す「平成8年12月17日」付け「納品書控」、並びに平成9年3月3日、同年3月10日に納品した事実を示す「平成9年3月10日」付け「納品書控」である。
(3) 請求人の弁駁に対する答弁
乙第8号証ないし乙第25号証にかかる被請求人の使用商標は、商標法第50条に規定する社会通念上同一の商標であり、しかも、商標法附則第10条第2項の規定に基づく使用であって、請求人の主張は容認し得ないものである。
(ア) 乙第8号証にかかる使用商標を構成する「LIP」「リップ」の文字は、「唇」の意味で一般に広く理解され、かつ、使用されている語であって、化粧品業界においても、例えば、「リップクリーム」「リップペン」「リップカラー」「リップブラシ」等の如く商品の品質・効能を表示する語として普通一般に採択使用されているものであり、商標としての自他商品識別機能は全く有しないものであって、乙第8号証にかかる使用商標の自他商品識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあるとするのが極めて自然、かつ、妥当であり、経験則にも沿うものである。
乙第12号証及び乙第13号証にかかる使用商標を構成する「COLOR」「カラー」の文字は、「色」「色彩」等の意味を有するものとして一般に広く理解され、かつ、使用されているものであり、特に、香りと共に非常に重要視する化粧品業界においても、例えば、口紅、ほお紅、アイシャドウ、マニキュア、染毛剤等について「リップカラー」「カラーパウダー」「アイカラー」「アイラッシュカラー」「ネイルカラー」「ヘアカラー」等、「〜COLOR」「〜カラー」と表示し、「COLOR」「カラー」の文字が化粧品について種々の色彩のものを取揃え、需要者がその好みに応じて選択購入し、使用するものであって、明らかに商品の品質を表すものであり、商標としての自他商品識別機能は全く有しないものであるから、乙第12号証及び乙第13号証にかかる使用商標の自他商品識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあるとするのが極めて自然、かつ、妥当である。
乙第16号証及び乙第17号証にかかる使用商標を構成する「COVER」「カバー」の文字は、「覆う」「包む」等の意味を有するものとして一般に広く理解され、かつ、使用されているものであり、化粧品業界においても、例えば、「カバーステック」「カバーフェイス」「COVER FACE」「カバーメイク」「COVER MAKE」等の如く商品の品質・効能を表示する語として普通一般に採択使用されているものであり、商標としての自他商品識別機能は全くないものであるから、乙第16号証及び乙第17号証にかかる使用商標の自他商品識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあるとするのが極めて自然、かつ、妥当である
乙第20号証及び乙第21号証にかかる使用商標を構成する「ALOE」「アロエ」の文字は、ユリ科アロエ属の多肉植物を指称し、化粧品の原料として一般に使用されているものである。そして、化粧品業界においても、例えば、「アロエヘアートニック」「ALOE EXTRACTPERM」「アロエエキストラクトパーマ」等の如く商品の原材料を表示するものとして普通一般に採択使用されているものであり、商標としての自他商品識別機能は全くないものであるから、乙第20号証及び乙第21号証にかかる使用商標の自他商品識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあるとするのが極めて自然、かつ、妥当である。
してみれば、上記、乙第8号証、乙第12号証、乙第13号証、乙第16号証、乙第17号証、乙第20号証及び乙第21号証にかかる被請求人の使用商標は、本件連合商標の使用部分「MAGIC」「マジック」において外観、称呼及び観念の点において同一のものであるから、上記乙各号証にかかる請求人の使用商標と本件連合商標とは社会通念上同一のものであると容易に理解せしめ得るものであって、連合商標の使用であること、明らかである。
(イ) 乙第9号証ないし乙第11号証は、乙第8号証にかかる使用商品が薬事法に基づいて許可を受けた商品であり、しかも、実際に平成6年より流通過程にのっている事実を示すものである。また、乙第13号証ないし乙第15号証は、乙第12号証にかかる使用商品が薬事法に基づいて許可を受けた商品であり、しかも、実際に流通過程にのっている事実を示すものである。そして、乙第17号証及び乙第19号証は、乙第16号証にかかる使用商品が薬事法に基づいて許可を受けた商品であり、しかも、乙第11号証からも明らかな如く、平成6年より現在に至るまで実際に流通過程にのっている事実を示すものである。及び乙第21号証ないし乙第25号証は、乙第20号証にかかる使用商品が薬事法に基づいて許可を受けた商品であり、しかも、乙第25号証からも明らかな如く、平成2年より現在に至るまで実際に製造され、流通過程にのっている事実を示すものである。
してみれば、乙第8号証、乙第12号証及び乙第20号証にかかるそれぞれの使用商品の使用事実を示す傍証となり得るものである。
(ウ) 乙第8号証にかかる使用商品には「(発売元)株式会社ジュテーム」と表示され、乙第9号証にかかる「化粧品製造製品届書」中の「販売名」に「ジュテーム リップマジック」と「ジュテーム」の社名が明確に記されているものである。また、乙第12号証にかかる使用商品には「発売元 株式会社ジュテーム」「製造元 株式会社ピカソ美化学研究所」と表示され、乙第14号証にかかる「化粧品製造製品届書」中には「製造所(営業所)の名称 株式会社ピカソ美化学研究所」と記載され、しかも、「販売名」に「ジュテーム マジックカラー」と「ジュテーム」の社名が明確に記されているものである。乙第16号証にかかる使用商品には「(発売元)株式会社ジュテーム」「製造元 株式会社ピカソ美化学研究所」と表示され、それに、乙第18号証にかかる「化粧品製造製品届書」中の届者として「株式会社ピカソ美化学研究所」と記載されており、しかも、「販売名」は「ジュテームカバーマジック」と「ジュテーム」の社名が明確に記されているものである。
してみれば、乙第8号証、乙第12号証及び乙第16号証にかかるそれぞれの使用商品は「ピカソ美化学」において製造し、「ジュテーム」を通じて販売されているものであること明らかであり、何等客観性に欠けるところはなく、請求人の主張には無理があるものである。
(エ) 請求人は、乙第8号証、乙第12号、乙第16号証及び乙第20号証の各写真は本件審判の予告登録後に撮影されたものであるから使用の事実は認められない旨、主張するが、使用商品に代えて後日撮影した写真を証拠資料として提出することは許されるべきものであること、明かである。
(オ) 請求人は、甲第1号証ないし甲第4号証を提出し、本件連合商標の使用の事実を否定する旨主張している。
しかしながら、甲第1号証ないし甲第4号証は、他人の登録商標又はこれに類似する商標を排除して商品の出所混同を防止せしめることを立法趣旨とする「商標法第4条第1項第11号」の規定に該当するか否かの判断を示すに留まるものであり、これを「商標法第50条第1項」に規定する「登録商標の使用」に適用せしめることは出来ないものである。
(カ) 以上の次第で、請求人の主張はいづれも失当であり、本件商標が取り消されるべき理由はないものである。
(1) 連合商標の使用の特則について
商標法第50条による商標登録の取り消し審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求にかかる指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明確にしない限り、その登録の取り消しを免れないところ、被請求人は、本件審判において、本件商標にはこれと相互に連合する本件連合商標が登録されていたものであり、本件連合商標を平成6年より継続的に現在に至るまで適法に使用しているものであって、「平成12年3月31日までに請求された不使用取消し審判については、被請求人が連合商標の使用の特則によって使用の証明をしたときは取消しを免れる。」との商標法改正附則第10条第2項の規定に基づく適法な使用である旨、答弁している。
そこで、商標法改正附則第10条第2項の規定(連合商標の使用に関する特則の廃止に伴う経過措置)をみるに、平成12年3月31日までに請求された不使用取消審判については、改正前の商標法第50条第2項の規定は、施行後もなお効力を有すると規定されている。すなわち、改正商標法の施行後も、平成12年3月31日までに請求された不使用取消審判については、被請求人が連合商標の使用の特則によって使用の証明をしたときはその取消しを免れることとなる。
しかし、この場合においては、連合商標に係る商標権は施行の際に通常の商標権となったものとみなされる(改正附則4条)ことから、連合商標の使用の特則は、施行前に連合商標を使用した場合に限られ、施行後に使用されたものについては認められないものである。
これを本件審判についてみるに、本件連合商標の使用の特別規定が認められる期間は、本件審判の予告登録日(平成11年4月7日)の3年前である平成8年4月7日から、平成8年法改正施行日前である平成9年3月31日までの期間の使用に限られることとなる。
(2) 「ピカソ美化学」による本件連合商標の使用について
被請求人は、本件連合商標A(商標の構成を「Magic」とする登録第644077号商標)及び本件連合商標B(商標の構成を「マジック」とする登録第1325609号商標)について通常使用権を有するピカソ美化学が、本件審判における連合商標の使用の特別規定が認められる期間内(平成8年4月7日から同9年3月31日まで)に日本国内において、本件商標の指定商品について、本件連合商標と社会通念上同一と認められる商標を現に適法に使用している事実を立証する証拠方法として、乙第1号証ないし乙第25号証(枝番号を含む。)及び乙第30号証ないし乙第32号証(枝番号を含む。)を提出した。
そして、被請求人は、乙第8号証、乙第12号証、乙第13号証、乙第16号証、乙第17号証、乙第20号証、及び乙第21号証にかかる被請求人の使用商標は、本件連合商標の使用部分「MAGIC」「マジック」において外観、称呼及び観念の点において同一のものであるから、上記乙各号証にかかる被請求人の使用商標と本件連合商標とは社会通念上同一のものであると容易に理解せしめ得るものであって、連合商標の使用であること明らかである旨主張するので、この点について判断する。
(ア) 乙第8号証は、製造元をピカソ美化学、発売元をジュテームとする口紅の容器と個装箱の写真2葉であるところ、該箱の表面に横書きした「LIP MAGIC」の欧文字と、該容器の底面に横書きした「リップマジック」の片仮名文字との各商標が付されていることは認められるとしても、各構成文字は、書体等を同じくし、一連一体としてまとまりよく構成され、各構成文字全体として1個の商標を構成するというべきものである。
被請求人は、該構成文字中の「LIP」「リップ」の文字部分が商品の用途を表示する付記的な部分にすぎないものであるから、自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にある旨主張する。しかしながら、該構成各文字の態様に照らし、また、該構成各文字が「リップマジック」と一連によどみなく称呼し得ること等からして、当該商標は、「唇」を意味する「LIP」「リップ」の語と「魔法」を意味する「MAGIC」「マジック」の語とを組み合せた「LIP MAGlC」及び「リップマジック」との造語によって表されたものであり、全体として一つのまとまった商標というべきであって、単に「Magic」又は「マジック」の文字から構成される本件連合商標とは、文字構成を異にし、自ずと商標本来の機能(自他商品の識別機能)も異なるものであるから、被請求人の上記主張は採用することができない。
そうすると、当該各使用商標は、「リップマジック」の称呼を生じ、また、特定の具体的観念は生じないと認められるから、本件連合商標と称呼及び観念において異なるものであって、使用商標が本件連合商標と社会通念上同一と認められる商標であるとはいえない。
したがって、本件商標の指定商品に「LIP MAGIC」及び「リップマジック」の商標を用いたとしても、本件取消審判請求にかかる指定商品についての本件連合商標の使用をしたことに当たるということはできない。
また、乙第9号証(化粧品製造製品届書)、乙第10号証の1ないし10(納品書)及び乙第11号証(証明願)は、被請求人が乙第8号証にかかる商品の使用事実を立証するために提出した取引書類の一であれば、それに表示の「リップマジック」についても、上記同様に1個の商標を構成するものとみられ、本件連合商標と称呼及び観念において異なるものであって、本件連合商標と社会通念上同一と認められる商標であるとはいえない。
(イ) 乙第12号証は、製造元をピカソ美化学、発売元をジュテームとするアイシャドーの容器と個装箱の写真2葉であり、乙第13号証は、当該アイシャドーが掲載されたパンフレットであるところ、該箱の表面に横書きした「MAGIC COLOR」の欧文字と、該容器の裏面に横書きした「マジック カラー」の片仮名文字、及び該パンフレットに横書きした「マジックカラー」の片仮名文字との各商標が付されていることは認められるとしても、各構成文字は、書体等を同じくし、一連一体としてまとまりよく構成され、各構成文字全体として1個の商標を構成するというべきものである。
被請求人は、該構成文字中の「COLOR」「カラー」の文字部分が商品の品質を表示する付記的な部分にすぎないものであるから、自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にある旨主張する。しかしながら、該構成各文字の態様に照らし、また、該構成各文字が「マジックカラー」と一連によどみなく称呼し得ること等からして、当該商標は、「色、色彩」を意味する「COLOR」「カラー」の語と「魔法」を意味する「MAGIC」「マジック」の語とを組み合せた「MAGIC COLOR」及び「マジックカラー」との造語によって表されたものであり、全体として一つのまとまった商標というべきであって、単に「Magic」又は「マジック」の文字から構成される本件連合商標とは、文字構成を異にし、自ずと商標本来の機能(自他商品の識別機能)も異なるものであるから、被請求人の上記主張は採用することができない。
そうすると、当該各使用商標は、「マジックカラー」の称呼を生じ、また、特定の具体的観念は生じないと認められるから、本件連合商標と称呼及び観念において異なるものであって、使用商標が本件連合商標と社会通念上同一と認められる商標であるとはいえない。
したがって、本件商標の指定商品に「MAGIC COLOR」及び「マジックカラー」の商標を用いたとしても、本件取消審判請求にかかる指定商品についての本件連合商標の使用をしたことに当たるということはできない。
また、乙第14号証(化粧品製造製品届書)及び乙第15号証(仕入台帳)は、被請求人が乙第12号証にかかる商品の使用事実を立証するために提出した取引書類の一であれば、それに表示の「マジックカラー」についても、上記同様に1個の商標を構成するものとみられ、本件連合商標と称呼及び観念において異なるものであって、本件連合商標と社会通念上同一と認められる商標であるとはいえない。
(ウ) 乙第16号証は、製造元をピカソ美化学、発売元をジュテームとするメイクアップ化粧品の容器と個装箱の写真2葉であり、乙第17号証は、当該メイクアップ化粧品が掲載されたパンフレットであるところ、該箱の表面に横書きした「COVER MAGIC」の欧文字と、該容器の底面に横二段書きした「カバー」「マジック」の片仮名文字、及び該パンフレットに横書きした「カバーマジック」の片仮名文字との各商標が付されていることは認められるとしても、各構成文字は、書体等を同じくし、一連一体としてまとまりよく構成され、各構成文字全体として1個の商標を構成するというべきものである。
被請求人は、該構成文字中の「COVER」「カバー」の文字部分が「覆う」「包む」等の意味を有し、化粧品業界において商品の品質・効能を表示する語として普通一般に採択使用されているものであり、商標としての自他商品識別機能は全くないものであるから、自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にある旨主張する。しかしながら、該構成各文字の態様に照らし、また、該構成各文字が「カバーマジック」と一連によどみなく称呼し得ること等からして、当該各使用商標は、「覆い、保護すること」等を意味する「COVER」「カバー」の語と「魔法」を意味する「MAGIC」「マジック」の語とを組み合せた「COVER MAGIC」及び「カバーマジック」との造語によって表されたものであり、全体として一つのまとまった商標というべきであって、単に「Magic」又は「マジック」の文字から構成される本件連合商標とは、文字構成を異にし、自ずと商標本来の機能(自他商品の識別機能)も異なるものであるから、被請求人の上記主張は採用することができない。
そうすると、当該各使用商標は、「カバーマジック」の称呼を生じ、また、特定の具体的観念は生じないと認められるから、本件連合商標と称呼及び観念において異なるものであって、使用商標が本件連合商標と社会通念上同一と認められる商標であるとはいえない。
したがって、本件商標の指定商品に「COVER MAGIC」及び「カバー/マジック」の商標を用いたとしても、本件取消審判請求にかかる指定商品についての本件連合商標の使用をしたことに当たるということはできない。
また、乙第18号証(化粧品製造製品届書)及び乙第19号証の1ないし3(納品書)は、被請求人が乙第16号証にかかる商品の使用事実を立証するために提出した取引書類の一であれば、それに表示の「カバー マジック」についても、上記同様に1個の商標を構成するものとみられ、本件連合商標と称呼及び観念において異なるものであって、本件連合商標と社会通念上同一と認められる商標であるとはいえない。
(エ) 乙第20号証は、製造元をピカソ美化学とするスキンクリームの容器の写真2葉であり、乙第21号証は、当該スキンクリームのパンフレットであるところ、該円筒形容器の裏側面に横二段書きした「アロエマジック」「ALOEMAGIC」の各文字、「販売名 マジック アロクリーム」の表示と、該円筒形容器の表側面に横二段書きした「ALOE」「MAGIC」の文字、及び該パンフレットに該円筒形容器の表側面斜め写真と横書きした「アロエマジッククリーム」の片仮名文字との各商標が付されていることは認められるとしても、各構成文字は、書体等を同じくし、一連一体としてまとまりよく構成され、各構成文字全体として1個の商標を構成するというべきものである。
被請求人は、該構成中の「ALOE」「アロエ」の文字部分がユリ科アロエ属の多肉植物を指称し、化粧品の原料として一般に使用されているものであって、化粧品業界において商品の原材料を表示するものとして普通一般に採択使用されているものであり、商標としての自他商品識別機能は全くないものであるから、自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にある旨主張する。しかしながら、該構成各文字の態様に照らし、また、該構成各文字が「アロエマジック」ないし「アロエマジッククリーム」及び「マジックアロクリーム」と一連によどみなく称呼し得ること等からして、当該各使用商標は、「ユリ科アロエ属の多肉植物」を意味する「ALOE」「アロエ」の語と「魔法」を意味する「MAGIC」「マジック」の語とを組み合せた「ALOE MAGIC」及び「アロエマジック」との造語によって表されたもの、ないし「アロエマジック」に商品名を付した「アロエマジッククリーム」であり、これらは全体として一つのまとまった商標というべきであって、単に「Magic」又は「マジック」の文字から構成される本件連合商標とは、文字構成を異にし、自ずと商標本来の機能(自他商品の識別機能)も異なるものであるから、被請求人の上記主張は採用することができない。
そうすると、当該各使用商標は「アロエマジック」ないし「アロエマジッククリーム」及び「マジックアロクリーム」の称呼を生じ、また、特定の具体的観念は生じないと認められるから、本件連合商標と称呼及び観念において異なるものであって、使用商標が本件連合商標と社会通念上同一と認められる商標であるとはいえない。
したがって、本件商標の指定商品に「アロエマジック」、「ALOE MAGIC」、「ALOE/MAGIC」、「アロエマジッククリーム」及び「マジック アロクリーム」の商標を用いたとしても、本件取消審判請求にかかる指定商品についての本件連合商標の使用をしたことに当たるということはできない。
また、乙第22号証(化粧品製造製品届書)、乙第23号証の1ないし5(納品書)、乙第24号証の1ないし7(納品書)、乙第25号証(証明願)、乙第30号証の1ないし2(納品書)、乙第31号証(納品書)及び乙第32号証の1ないし2(納品書)は、取引書類の一であるとしても、被請求人が第20号証及び乙第21号証にかかる商品の使用事実を立証するために提出した取引書類の一であれば、それに表示の「マジック アロクリーム」「マジック アロ クリーム ジャー」「マジック アロ クリーム CAP」「アロエ マジック クリーム」及び「アロエマジック」についても、上記同様に1個の商標を構成するものとみられ、本件連合商標と称呼及び観念において異なるものであって、本件連合商標と社会通念上同一と認められる商標であるとはいえない。
(オ) 以上のとおり、「ピカソ美化学」による本件連合商標の使用については、本件商標の指定商品に当該各使用商標を用いたとしても、本件取消審判請求にかかる指定商品についての本件連合商標の使用をしたことに当たるということはできないから、本件商標と連合商標登録の関係にあった商標が、予告登録日前3年以内であって連合商標制度の廃止までの間(平成8年4月7日から同9年3月31日まで)に日本国内において、その通常使用権者により本件商標の指定商品につき使用されていたとの被請求人の主張は、その余の点につき判断するまでもなく、採用することができない。
(3) 「アリミノ」による本件連合商標Aの使用について
被請求人は、本件連合商標A(商標の構成を「Magic」とする登録第644077号商標)について通常使用権を有するアリミノが、本件審判における連合商標の使用の特別規定が認められる期間内(平成8年4月7日から同9年3月31日まで)に日本国内において、本件商標の指定商品について、本件連合商標Aと社会通念上同一と認められる商標を現に適法に使用している事実を立証する証拠方法として、乙第26号証ないし乙第29号証(枝番号を含む。)を提出した。
そして、被請求人は、乙第26号証にかかるアリミノの使用商標は、本件連合商標Aとは社会通念上同一のものであって、連合商標の使用であること明らかである旨主張するので、この点について判断する。
(ア) 被請求人の提出にかかる乙第6号証の1及び2は、昭和38年10月22日に登録出願、商標の構成を「HAIR MAGIC」の欧文字と「ヘヤーマジック」の片仮名文字とを横二段書きにし、指定商品を第4類「頭髪用化粧品」として、昭和40年5月13日に商標権の設定登録がされ、現に有効に存続している登録第675473号商標の商標権(以下「関連C商標」という。)についての被請求人(八木弦三郎)とアリミノとの間における通常使用権許諾契約書と認められるものである。そして、被請求人は、アリミノが本件連合商標Aについて通常使用権者である旨主張するのみでその立証はないばかりでなく、関連C商標の当該登録原簿の連合商標欄を徴するに、これと本件連合商標A(商標の構成「Magic」)とは相互に連合商標登録の関係にあったものとも認められない。
(イ) 乙第26号証は、製造・発売元をアリミノとするヘアートリートメントの容器と包装箱の写真3葉であるところ、該円筒形容器の側面に、「GN」「HAIR」「MAGIC」の各欧文字を横三段書きして表した商標が付されていることは認められるとしても、各構成文字は、書体等を同じくし、一連一体としてまとまりよく構成され、各構成文字全体として1個の商標を構成するというべきものである。
被請求人は、該構成文字中の「GN」はアルファベットの2文字であり、また「HAIR」は用途としての頭髪用の意義に慣用されるものであってみれば、自他商品の識別機能は「MAGIC」の欧文字にあるものであって、本件連合商標Aとは実質同一性を有するのみならず、使用商品も「ヘアトリートメント」であってみれば、社会通念上、本件連合商標Aの適法な使用事実を示すものである旨主張する。
しかしながら、該構成各文字の態様に照らし、また、該ヘアートリートメントの容器には、欧文字を横三段書きして表した商標のほか、「Gals Nippon」「Treatment set」及び「(Technical)」の各欧文字を横三段書きした表示、及び「ギャルスニッポン」「トリートメントセット・テクニカル」の各文字を横二段書きした表示が付されており、さらに、該ヘアートリートメントにかかる化粧品製造品目追加許可申請書(乙第27号証の1)には、「新たに製造する品目」として「頭髪用化粧品類 ギャルスニッポントリートメントセット・テクニカル」との記載があるところ、これらの事実によれば、該ヘアートリートメントは、その製品としての名称を「ギャルスニッポン トリートメントセット・テクニカル」とするものであり、欧文字を横三段書きして表した商標の「GN」の文字部分は、上記名称のうち特に識別力が強いものと認められる「ギャルスニッポン」の部分の英語表記である「Gals Nippon」の頭文字を組み合せたものであることが推認され、該欧文字を横三段書きして表した商標が自他商品識別標識としての機能を果たす上でとりわけ重要な部分であると解されるから、乙第26号証のヘアートリートメントの容器に付された商標に接する取引者、需要者が、「GN」ないし「HAIR」の文字部分を省いて、これを単に「MAGIC」の文字部分のみを分離・抽出して観察しなければならない理由もなく、文字構成を異にすれば、自ずと商標本来の機能(自他商品の識別機能)も異なるものである。したがって、該円筒形容器の側面に、「GN」「HAIR」「MAGIC」の各欧文字を横三段書きして表した商標からは、多少冗長にわたるものの、「ジーエヌヘアーマジック」ないし「ヘアーマジック」の称呼が生ずるものと認めるのが相当であって、また、各構成全体からは特定の具体的な観念は生じないと認められるから、被請求人の上記主張は採用することができない。
(ウ) また、乙第26号証の写真3葉のうち上段の該円筒形容器とともに写された包装箱の写真には、「Gals Nippon」の欧文字と「Let’s HAIR」の欧文字とを右端をそろえて上下2段に横書きし、その右側に接して「MAGIC」の欧文字を横書きし、更にその右側に接して「(Technical)」の欧文字を横書きしたものであって、各文字部分の構成文字の大きさが、「MAGIC」、「Let’s HAIR」、「(Technical)」及び「GalsNippon」の各文字部分の順に小さくなるように表した表示が付されていることが認められる。
被請求人は、「商品包装用段ボール箱」には「Let’s HAIR」の欧文字が小さく表示されると共に、「MAGIC」の欧文字が大きく明確に表示されているものであって、「Let’s HAIR」の欧文字が前記と同様に付記的な部分にすぎないものであるのみならず、明確に大書されていることからして、自他商品の識別機能は「MAGIC」の欧文字にあって、社会通念上、本件連合商標Aの適法な使用事実を示すものである旨主張する。
しかしながら、該包装箱に「Let’s HAIR」の欧文字が小さく表示されると共に、「MAGIC」の欧文字が大きく表示されているとしても、乙第26号証における包装箱についての当該使用商標は、上述の(ア)及び(イ)で述べたところを考慮すれば、関連C商標(商標の構成「HAIR MAGIC」)をアリミノが商品ヘアートリートメントについて使用したものとみるのが自然であって、「HAIR MAGIC」商標の使用になるというべきであるから、当該使用商標からは、「レッツヘアマジック」ないし「ヘアマジック」の称呼が生ずるものと認めるのが相当であって、また、各構成全体からは特定の具体的な観念は生じないと認められるから、被請求人の上記主張は採用することができない。
また、乙第27号証の1(化粧品製造品目追加許可申請書)の「新たに製造する品目」として「頭髪用化粧品類 ギャルスニッポン トリートメントセット・テクニカル」との記載、及び乙第28号証の1ないし4(計算書)に商品名として「GNヘアマジックテクニカルR(N)」の表示は認められるものの、社会通念上、本件連合商標Aの適法な使用事実を示すものはないところであって、本件連合商標Aの使用をしたことに当たるということはできない。
そうすると、乙第26号証にかかるアリミノの当該各使用商標は、本件連合商標Aとは、称呼を異にし、さらに、外観においても顕著に異なるものであるといわざるを得ず、その使用商標は、本件連合商標Aと社会通念上同一と認められる商標であるとはいえない。
(エ) 以上のとおり、「アリミノ」による本件連合商標Aの使用については、本件商標の指定商品に当該各使用商標を用いたとしても、本件取消審判請求にかかる指定商品についての本件連合商標Aの使用をしたことに当たるということはできないから、本件商標と連合商標登録の関係にあった商標が、予告登録日前3年以内であって連合商標制度の廃止までの間(平成8年4月7日から同9年3月31日まで)に日本国内において、その通常使用権者により本件商標の指定商品につき使用されていたとの被請求人の主張は、その余の点につき判断するまでもなく、採用することができない。
(4) 結局、被請求人の提出にかかる乙各号証によっては、特例期間内(平成8年4月7日から同9年3月31日まで)に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標の指定商品について本件連合商標を使用していたことを立証し得たものとはいえない。
その他、本件商標がその指定商品について使用された事実を認めることのできる証拠はないといわなければならない。
してみれば、本件商標は、その指定商品について本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用されていなかったものといわざるを得ないから、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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