結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30806(T2001−30806/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4052096号商標(以下「本件商標」という。)は、「DAILY DELI」の文字を横書きしてなり、平成6年12月22日に登録出願され、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,入浴施設の提供」を指定役務として、平成9年9月5日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。
(1) 請求の理由
本件商標は、その指定役務中「飲食物の提供」について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存在しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2) 答弁に対する弁駁
被請求人は、乙第1号証ないし乙第4号証を提示して、本件請求に係る指定役務について登録商標を使用している旨の主張を行っているが、本件商標の使用の事実は何ら証明されていない。
(ア) 乙第1号証(1)ないし(3)は、店の看板及び入り口を撮影した写真であり、被請求人はこの写真を提示して、店内にて提供される「コーヒー」等の「飲食物の提供」の行為によって、店頭看板に掲載された「DAILY DELI」の広告が行われている旨を主張している。
しかしながら、乙第1号証に掲載された店頭看板には、単に、「DAILY DELI」と表示されているだけで、役務との具体的関係において使用されていることが証明されているものではない。
そもそも役務に係る商標は、自他役務を識別するためのものであり、提供するある特定の自社役務が他社役務とは異なるものであることを、その商標に接した一般取引者や需要者に識別・認識してもらうためのものであって、かかる観点から見る限り、被請求人の乙第1号証に掲載された「コーヒーの提供」の形態は、本件商標「DAILY DELI」の広告使用に該当しないことは当然のことといえる。
更に付言すると、役務にかかる商標の「使用」については、直接標章を付することができないため、有形物を介して「使用」されることになるが、一般社会においては、「飲食物の提供」を役務とするいわゆる飲食店では、店舗内にテーブルや椅子等が設置されていて、その店舗の看板ないしは店舗内の目立つ場所に商標を表示したり、飲食物を提供するための食器類等に商標を付することによって、自他役務の識別機能が発揮されるようにしている。
このような実際の商標使用の形態から見ると、役務にかかる商標は、その商標の使用に係る役務との「具体的関係」において表示されてはじめてその商標の自他役務識別機能が充分に発揮されるであろうことは明白であり、乙第1号証のように商標を役務との具体的関係が明白でない店頭看板にのみ表示するという行為は、商標法第2条第3項に規定された商標の使用としての「広告」に該当しないことは明白であり、乙第1号証では、商標と役務との「具体的関係」が立証されたことにはならない。
また、乙第1号証に掲載された「ココグルメ伏見店」は、見るからに小売店舗(コンビニエンスストア)であり、その店舗名は「ココグルメ」であることは明白である。しかも、コンビニエンスストア内で「飲食物の提供」がなされるというのは、一般的な小規模のコンビニエンスストアの形態では極めて例外的であり、店舗の目的からすると、「飲食物の提供」ではなく、テイクアウト(持ち帰り)商品とみなされるものと考える。
(イ) 乙第2号証(1)ないし(3)は、店の看板及び入り口を撮影した写真であり、被請求人はこの写真を提示して、店頭看板に掲載された「DAILY DELI」が店内にて提供されている「コーヒー」等の「飲食物の提供」の広告を行っている旨を主張している。
しかしながら、乙第2号証(1)ないし(3)を見てみると、本件商標「DAILY DELI」が表示されているのは、店頭看板だけであり、その看板には、本件商標「DAILY DELI」の下段に「MAGAZINE」、その下段に「SOFT DRINK」、その下段に「DRY GROCERY」、その下段に「CONFECTIONERY」と五段書きして表示されている。ここで、「MAGAZINE」は「雑誌類」を意味し、「SOFT DRINK」は「清涼飲料類」を意味し、「DRY GROCERY」は「食品雑貨類」を意味し、「CONFECTIONERY」は「菓子類」を意味する英語表示である。
そして、本件商標「DAILY DELI」は、「日々の調理済み食品」を意味する英語表示といえるから、これらの五段書き表示は、単に、「Coco!Gourmet」店で販売されている代表的な商品目録と認識するものと考えるのが自然である。
このような、店頭看板への本件商標「DAILY DELI」の表示は、商標法第2条第3項に規定された商標の使用形態のいずれにも該当しない。
(ウ) 乙第3号証は、レジのカウンター越しに店員が客に紙コップを手渡している様子の写真と、コーヒーメーカーの写真が掲載されているだけであり、これらの断片的な2枚の写真から「ココグルメ伏見店」の店内で「コーヒー」等の提供がなされているとの被請求人の主張は、商標法第2条第3項に規定する商標の使用形態のいずれにも該当せず、本件商標「DAILY DELI」の使用がなされている根拠にはなり得ない。
(エ) 乙第4号証は、「ココグルメ広小路店」の店内で「コーヒー」を提供している場面を写した写真であると主張しているが、かかる乙第4号証では店が異なったとしても、上記(ウ)とほぼ同様なこことがいえるから、単に、レジのカウンター越しに店員が客に紙コップを手渡している様子の写真と、コーヒーメーカーの写真でもって、本件商標の使用が本件審判請求に係る前記した役務「飲食物の提供」についてなされているとする被請求人の主張は認められるべきものではない。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由の要旨を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出している。
本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者は、本件請求に係る指定役務「飲食物の提供」について登録商標を使用しているので、その指定役務に係る商標登録は取り消されるべきではない。
(1) 通常使用権者である株式会社エムアールシーは、本件審判請求の登録前から継続して、「ココグルメ伏見店」(愛知県名古屋市中区栄1−8−18、1階)における店頭看板に「DAILY DELI」を掲載して、店内にて「コーヒー」などを提供し、飲食物の提供の広告を行なっている。
これを立証するため、権利者の社員が同店の看板及び入り口を写真撮影した乙第1号証の1ないし3を提出する。
(2) 「ココグルメ伏見店」において、「コーヒーの提供」を行っていることを立証するため、権利者の社員が同店の店内でコーヒーを提供している場面を写した乙第3号証を提出する。
(3) 通常使用権者である有限会社タナべは、本件審判請求の登録前から継続して、「ココグルメ広小路店」(愛知県名古屋市中区栄1−4−7、1階)における店頭看板に「DAILY DELI」を掲載して、店内にて「コーヒー」等を提供し、飲食物の提供の広告を行っている。
これを立証するため、権利者の社員が同店の看板及び入り口を写真撮影した乙第2号証の1ないし3を提出する。
(4) 「ココグルメ広小路店」において、「コーヒーの提供」を行っていることを立証するため、権利者の社員である本部彰が同店の店内でコーヒーを提供している場面を写した乙第4号証を提出する。
以上のとおり、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者は、本件請求に係る指定役務「飲食物の提供」について登録商標を使用しているので、その商標登録は取り消されるべきではない。
答弁の理由及び被請求人が本件商標を本件審判請求に係る指定役務について使用していた事実を証明するものとして提出した乙各号証を検討する。
(1) 取消請求に係る指定役務
本件審判請求に係る指定役務は「飲食物の提供」であるところ、この「飲食物の提供」の役務には、食堂、レストラン、そば店、うどん店、すし店、喫茶店、料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブ、酒場及びビヤホール等が、料理及び飲料を飲食させる役務が含まれるものと解される(特許庁商標課編「商品及び役務区分解説〔国際分類第8版対応〕参照)。
(2) 登録商標の使用
被請求人は、乙各号証において証明される使用に係る役務について、答弁の理由において「店内にて『コーヒー』等を提供し、飲食物の提供を行っている。」と主張している。
しかし、役務「飲食物の提供」、すなわち料理及び飲料を飲食させる役務とは、専ら店内で飲食させることを本質的業務とする上記した食堂、レストラン等の事業所が料理及び飲料を提供するサービス(役務)であるというべきであって、持ち帰りいわゆるテイクアウトを目的とする料理及び飲料を店内で販売しているとしても、それはサービス(役務)の提供といえるものでなく、販売される当該飲食物は「商品」というべきである。
してみると、乙各号証の写真にみられるように、「ココグルメ伏見店」及び「ココグルメ広小路店」の店頭看板に「DAILY DELI」を掲載して、店内にて「コーヒー」等を販売しているとの点は認め得るとしても、当該店舗は専ら店内で飲食させることを本質的業務とする事業所とは認め難く、取り扱い商品に関してみれば小売店であるところの、いわゆるコンビニエンス・ストアと看取させるものであるから、当該店舗内で紙コップ入りコーヒーを販売する行為は役務といえるものでなく、通常の商品取引に付随するものであって、単に持ち帰り用として商品の販売をしているに止まるものといわなければならない。
(3) まとめ
以上の(1)及び(2)を考慮して判断するに、被請求人の主張及び提出に係る乙各号証のみをもってしては、本件商標のその指定役務「飲食物の提供」についての使用は証明されないといわざるを得ない。
このほか述べる被請求人の主張をもって、本件審判請求に係る指定役務についての使用は証明されない。その他前記認定を覆すに足りる証拠はない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定役務である「飲食物の提供」について使用されていたものとはいえないから、本件商標の指定役務中「飲食物の提供」については、商標法第50条の規定により、その登録は取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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