結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2002−35070(T2002−35070/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4407925号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年2月17日に登録出願、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第18類「ハンドバッグ,リュックサック,書類入れかばん,スーツケース,旅行用かばん,トランク,その他のかばん類,キーケース,その他の袋物,メモ帳用原皮,ブックカバー用原皮,インデックス用原皮,その他の皮革」及び第25類「スーツ,スポーツジャケット,革製ジャケット,その他のジャケット,ジーンズパンツ,スカート,オーバーコート,レインコート,セーター,パーカー,プルオーバーンャツ,ワイシャツ,ブラウス,ティーシャツ,その他の下着,バスローブ,ナイトガウン,スカーフ,手袋,帽子,サンバイザ−,その他の被服,ベルト,バンド,短靴、オーバーシューズ,ハーフブーツ,長靴,スリッパ,その他の履物,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成12年8月11日に設定登録されたものである。
請求人が無効の理由に引用する、登録第2644939号商標(以下「引用1商標」という。)は、平成2年7月19日に登録出願、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、平成6年4月28日に設定登録されたものである。同じく、登録第1736534号商標(以下「引用2商標」という。)は、昭和57年6月9日に登録出願、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和59年12月20日に設定登録されたものである。同じく、登録第2690397号商標(以下「引用3商標」という。)は、「エマ」の片仮名文字と「EMMA」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、平成6年7月29日に設定登録されたものである。同じく、登録第1933046号商標(以下「引用4商標」という。)は、昭和55年1月18日に登録出願、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和62年2月25日に設定登録されたものである。同じく、登録第2115010号商標(以下「引用5商標」という。)は、昭和61年12月26日に登録出願、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成1年2月21日に設定登録されたものである。同じく、登録第2656070号商標(以下「引用6商標」という。)は、平成3年7月5日に登録出願、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成6年4月28日に設定登録されたものである。同じく、登録第3345928号商標(以下「引用7商標」という。)は、平成7年3月27日に登録出願、「EMMA」の欧文字を横書きしてなり、第25類「被服」を指定商品として、平成9年9月12日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録は無効とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べている。
本件商標は、長方形の輪郭部の内側上段に動物の図形、中断に「Fay」の文字を筆記体をもって表わし、下段に「EMA」の文字を横書きして表わしてなるものである。
しかして、本件商標は、その構成上において必ずしも一体のものとして認識されなければならない特段の理由も存在せず、文字部分においても「Fay」と「EMA」が構成書体を異にし、それぞれが分離して認識されるものである。
そうとすれば、本件商標は、構成中の「EMA」の文字部分より「エマ」若しくは「イイエムエイ」の称呼を生ずるものである。
他方、引用1商標、引用6商標及び引用7商標は、「EMMA」、引用2商標及び引用4商標は、「eMMa」、引用3商標は、「エマ/EMMA」、引用5商標は「エマ/eMMa」の文字よりなるものであって、それぞれの引用商標からは「エマ」の称呼を生ずるものである。
したがって、本件商標より生ずる「エマ」の称呼と引用1商標ないし引用7商標とは「エマ」の称呼を共通にする称呼上類似の商標である。
本件商標の指定商品、第18類の商品と引用1商標の指定商品とは商品「かばん類、袋物」において指定商品が抵触する類似商品である。
本件商標の指定商品、第25類の指定商品中の「ベルト、バンド」は引用1商標の指定商品中の「装身具」に包含される商品であって、指定商品において類似するものである。また、引用2商標及び引用3商標とは指定商品「はき物」において類似するものであり、更に、引用4商標ないし引用7商標とは「被服」において類似するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により無効とされるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
そこで、仮りに、本件商標から「エマ」や「イーエムエー」の称呼が生ずるとして、引用1商標、引用6商標及び引用7商標から生ずる「エンマ」、「エムマ」及び「イーエムエムエー」、引用2商標及び引用4商標から生ずる「イーエムエムエー」と類似するかどうかについて検討する。
先ず、「エマ」と「エンマ」及び「エムマ」の各称呼を比較すると、両称呼は2音と3音という極めて短い称呼であり、前者は短く明瞭に称呼されるのに対して、後者は「エ」と「マ」の間に一呼吸置くように「ン」或いは「ム」が称呼されるため、語調語感がかなり異なった印象を受けることとなり、十分に聴別できるものである。
次に、本件商標から生ずる「イーエムエー」と引用商標から生ずる「イーエムエムエー」を比較すると、後者は中間部分で「エム」の称呼が2回繰り返されるため、前者に比べて明らかに長い称呼であるとの印象を受けることとなり、十分に聴別することが可能である。
以上のとおり、仮に本件商標から「エマ」や「イーエムエー」の称呼が生ずるとした場合でも、引用1商標、引用6商標、引用7商標、引用2商標及び引用4商標とは、称呼上類似するものではなく、また、外観及び観念においても明らかに相違しているため、十分に識別可能である。
先ず、外観を比較すると、本件商標は、ラベル状の図形内に犬の図形、筆記体の「Fay」及び活字体の「EMA」を一体不可分に配置した構成からなる商標であるのに対し、引用商標は片仮名文字と欧文字からなる文字商標であり、外観上混同の虞がない。
次に、観念について比較すると、本件商標は犬の図形を含んでいるため、犬の観念が生ずる可能性もあるが、そのほかの部分からは何ら観念を生じないものである。引用各商標については、女性名を観念する可能性がある。従って、本件商標と引用商標とは、観念においても類似しないものである。
次に、称呼上の類否について検討すると、引用3商標及び引用5商標からは「エマ」の称呼が生ずる可能性がある。これに対し、本件商標中の「EMA」の部分から「エマ」の称呼が生ずる可能性がある。
しかしながら、本件商標及び引用商標の指定商品である被服や履物等は、商品のサイズのみならず、色彩やデザイン等、消費者が自分の好みにより、直接商品を見たり、手にとったりして、購入するかどうかを決定する場合が多く、電話等により取引をすることは極めて少ないものと思われる。従って、商標の外観が最も重要視されるべきであり、本件商標と引用各商標とは、外観において明らかに相違しているため、需要者等が誤認混同を生ずる虞はない。
仮に、電話等により取引がなされる場合であっても、本件商標は全体として常に一体不可分に構成されているため、最下段に記された「EMA」の文字部分のみを以って称呼される可能性は極めて少なく、より注意を引き易い犬の図形等を指摘して取引される可能性が高いものである。
従って、本件商標は、引用3商標及び引用5商標とも、誤認混同を生ずる虞が極めて少ないものである。
本件商標は、縦長黒塗り長方形内のやや内側に沿って長方形細線を白抜きし、その細線内の上部に犬の頭部の図形を描き、中央にやや大きく「Fay」の欧文字を筆記体で書し、その下段に「EMA」の欧文字を書した構成よりなるところ、その構成は、常に一体のものとして認識、理解しなければならない特段の理由はないものである。また、文字部分においても「Fay」と「EMA」を一体のものとして見なければならない理由がないばかりでなく、両文字は、書体を異にし、視覚上分離して観察されるから、それぞれ独立して商取引に資する場合も多いものというのが相当である。
しかして、先ず、「Fay」の文字よりは、該文字に相応し「フェイ」若しくは「ファイ」の称呼を生ずるものと認められる。
次に、「EMA」の文字は、特定の意味を有する成語として存在しないから、取引者、需要者は、単に、ローマ文字の3文字よりなるものと看取、理解するものというのが相当である。
してみると、「EMA」の文字部分より「イーエムエー」の称呼のみを生ずるものというべきである。
これに対し、引用1商標及び引用6商標は、「EMMA」の欧文字の上部に一本の直線を配し、さらに、欧文字の左右に唐草模様の如く図形を描いた構成よりなり、引用2商標及び引用4商標は、「eMMa」の欧文字よりなり、引用3商標は、「エマ」の片仮名文字と「EMMA」の欧文字を上下二段横書きしてなり、引用5商標は、「エマ」の片仮名文字と「eMMa」の欧文字を上下二段横書きしてなり、引用7商標は、「EMMA」の欧文字よりなるものである。
そこで、引用各商標より生ずる称呼についてみると、引用1商標、引用6商標、引用7商標は、「EMMA」及び引用2商標、引用4商標は、「eMMa」の文字より、女性名を表したものと認識、理解される場合も少なくないものといえるものであるから、上記の各引用商標は、「EMMA」、「eMMa」文字に相応し「エマ」の称呼のほか一音毎に区切って発音される「イーエムエムエー」の称呼を生ずるものというのが相当である。
また、引用3商標は、「エマ」の片仮名文字と「EMMA」の欧文字及び引用5商標は、「エマ」の片仮名文字と「eMMa」の欧文字を上下二段に横書きしてなるものであるところ、「エマ」の片仮名文字は、「EMMA」、「eMMa」の欧文字の読みを特定したものと認識、理解されるから、引用3商標及び引用5商標は、該文字に相応し、「エマ」の称呼のみを生ずるものいうのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「イーエムエー」の称呼と引用商標より生ずる「イーエムエムエー」の称呼を比較すると、両称呼は、中間において「エム」の音の有無の差異を有するものであるから、それぞれ一連に称呼するも、互いに聴別し得るものと認められる。
また、本件商標より生ずる「フェイ」、「ファイ」と引用商標より生ずる「エマ」、「イーエムエムエー」及び本件商標より生ずる「イーエムエー」の称呼と引用商標より生ずる「エマ」の称呼とは、明らかに聴別し得るものである。
さらに、本件商標構成中の「EMA」の文字は、特定の観念を生じない造語よりなるものと認識、理解されるものであるから、観念においては比較できないものであり、かつ、本件商標と引用各商標とは、外観においても互いに区別し得る差異を有するものである。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。
したがつて、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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