Trademark Appeal Case
容器形状の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第9295号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、1995年1月13日フランス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、第3類「香水,エッセンスオイル,髪用ローション,ボディー用ローション,デオドラント,その他の化粧品,せっけん類,香料類,歯磨き」を指定商品として、平成7年2月20日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、化粧品等の瓶の類の一と認められる図形を表示してなるものであるところ、係る図形はこの種指定商品との関係では普通に用いられる程度のものであって特段看者の注意を惹くべき要素を発見できないから、このようなものをその指定商品について使用するも、これに接する者が何人の業務に係る商品であるかを認識することができない商標と認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲に示すとおり4辺をやや内側に湾曲させた曲線とする四角形の瓶を正面から表し、そこに地模様が施され、口の部分にリボンを結び、半円状の楕円形の蓋(キャップ)がされた状態の容器としての瓶の形状を表した図形と容易に認識されるものである。
ところで、本願商標の指定商品中の化粧品等については、各種の図柄を装飾的に施したガラス製やプラスチック製の容器に詰められて取引されるものが数多くあり、かつ、これらの容器には、当該商品に関する説明文やその商品の出所を識別する標識たる文字又は図形が直接或いはラベルにより表示されていることは、取引の経験則の教えるところでもあり、かつ、一般の需要者の間にもよく知られているところである。
そして、このような商品は、瓶のみの状態や包装箱に入れた状態で取り引きされているものであるが、通常瓶のみの場合は商品の出所を示す文字又は図形等の標章が当該商品の説明文字とともに直接に或いは貼付されたラベルの部分に表示されており、また、包装箱に入れた状態の場合には、該包装箱の見やすい位置に商品の出所を示す文字又は図形等の標章が当該商品の説明文字とともに表示されているが、当該商品を購入する取引者、需要者が、瓶を直接手にして取り引きする場合には、瓶自体に表示された標章或いはその瓶中に表示された商品の出所を示す文字又は図形等の標章により商品の識別を行っているものと判断するのが相当である。
また、このような瓶の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的には商品の出所を表示し、商品の出所を識別する標識として採択されるものではないというべきである。
これを本願商標についてみれば、地模様の部分及び口の部分のリボンは瓶(容器)全体の一部にデザインを施したものと理解され、また、瓶の輪郭を表す4辺の曲線及び蓋(キャップ)の部分についても、商品(化粧品等)の包装容器としての機能及び美感を高めるために普通に用いられているものであり、同種の商品と明らかに識別されているとする特異な形状であると認識することもできないから、全体として単なる瓶(容器)の図形と認識されるとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標はその構成全体からみて、液体等を収納する瓶(容器)そのものを表した図形よりなるものというべきであるから、その指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の包装形態(収納容器)を表したものと認識するに止まり、それ自体では何ら自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当である。
してみると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単にその商品の包装容器の形状を表示するにすぎないものであるといわざるを得ない。
なお、請求人(出願人)は、本願商標が特徴的な形態と色彩を呈する図形であり、使用により自他商品の識別力を獲得しており、請求人(出願人)の親会社である「エルメス・アンテルナショナル社」の「24 Faubourg」の商標の下に著名となった香水を表す標章として、世界的に著名であるから、商標法第3条第2項に該当するとして、その著名性の証拠を提出する旨主張している。
しかしながら、本願商標が、需要者に特に強い印象、記憶を与えているとも認められず、識別力がないことは前記認定のとおりであり、また、請求人は商標法第3条第2項に該当すると主張するのみで相当の期間を経過(意見書の提出から、5年余、審判請求から3年余)した現在に至るも、何らの証拠の提出もないから、商標法第3条第2項に該当すると認めることはできない。かつ、前記証拠の提出の遅れにつき何ら釈明するところがない。
したがって、請求人の主張は採用することができない。そして、これ以上本件の審理を遅滞させるべき理由はないものと認め、審理を終結させることとした。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、同法第3条第2項の要件を具備しないものであるから登録することができない。
なお、原査定は「本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、かつ同法第3条第2項の適用を受けることができない商標である」と判断しているが、拒絶の理由、意見書の内容に照らし、また、同第6号も同第3号も自他商品の識別標識としての機能を有しない点においては同趣旨と認め、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当すると判断した。
よって、結論のとおり審決する。
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