Trademark Appeal Case
著名商標との混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第19490号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第9類「サングラス・その他の眼鏡・枠・その他の眼鏡の部品及び附属品」を指定商品として、1994年3月15日にイタリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成6年3月22日に登録出願されたものである。
第2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、その構成中に、アメリカの宝飾店として有名な『TIFFANY社』を認識させる『TIFFANY』の文字を有してなるから、これをその指定商品に使用するときは、あたかも該商品が、上記会社あるいは上記会社となんらかの関連ある者の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 「TIFFANY」商標(以下「引用商標」という。)の著名性について
引用商標は、以下の事実よりすると、我が国において、遅くとも本願商標の登録出願の時には、アメリカの宝飾店「Tiffany & Co.」(以下「ティファニー社」という。)の業務に係る商品「宝石、アクセサリー、時計等」を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在もなお継続しているものと推認される。
(1)「ライフカタログVOL.11 ’79世界の一流品大図鑑」(昭和54年5月20日、株式会社講談社発行)において、「TIFFANY」が「ニューヨークの5番街にある世界的に有名な宝飾店。」と紹介され、その設立から一流ブランドに発展するまでの経緯が「一流ブランド物語」の項で紹介されていること。
(2)「舶来ブランド事典『’84ザ・ブランド』」(昭和58年9月28日、サンケイマーケティング発行)において、「TIFFANY」について、「オードリ・ヘプバーン主演の映画、『ティファニーで朝食を』で一気に世界にその名を広めたアメリカの最高級宝石店の商標。次々と新しいアイデアを出し、現在の地位を揺るぎないものにしている。」、「現在、同社は『最高級宝石店』として全世界にその名をとどろかせている。」と記載されていること。
(3)「家庭画報編 世界の特選品 ’86」(昭和60年11月1日、世界文化社発行)において、「Tiffany」について、「エレガントなデザインを守っているティファニーのジュエリーを身につけることは、世界的にステータスということです。」と記載されていること。
(4)「ライフカタログVOL.25 ’86世界の一流品大図鑑」(昭和61年5月15日、株式会社講談社発行)において、「映画『ティファニーで朝食を』で描かれたように、アメリカ上流社会の象徴とまでいわれたティファニー。しかし、伝統と名声に甘んじることなく、時代に呼応した作品を発表し、幅広いファンをつかんでいます。」と記載されていること。
(5)「英和商品名辞典」(1990年、株式会社研究社発行)の「Tiffany」の項において、「New York5番街にある米国一の高級アクセサリー店(Tiffany & Co.),そのブランド.貴金属アクセサリーの他に,ボールペン・万年筆・カッター・ブックマーカー・鉛筆削り・裁縫セット(以上いずれも素材はスターリングシルバー)・トランプ・レターセット・システム手帳・ガラス製品・銀食器・時計・革小物なども手がけている.」と記載されていること。
(6)「Grand Magasin VOL.93」(1996年8月6日、日之出出版株式会社発行)の「普段着が素敵に!ジュエリー&時計」の項に、「時を越えて愛されるティファニー物語」、「夢と憧れを象徴する一流の宝飾ブランドティファニーの魅力」等の記述とともに、ティファニー社の代表的商品が紹介されていること。
(7)「広辞苑第5版」(1998年11月11日、株式会社岩波書店発行)の「ティファニー[Tiffany]」の項において、「ニューヨークにある貴金属・宝石店」と記載されていること。
(8)「ライフカタログVOL.51 世界の一流品大図鑑’99」(1999年5月10日、株式会社講談社発行)において、「ニューヨーク五番街から世界中に発信されるセレブリティへのトレンド情報。時計もそのひとつですが、シンボルであるアトラスのベゼルとシンプルなデザインは、かわることがありません。持つ人に誇りと満足感を与えてくれるウォッチです。」と、時計を紹介する記事が掲載され、「1886年に考案された独自のセッティングは、現在でもエンゲージメントリングを中心に不動の人気を誇っています。この『ティファニーセッティング』に代表される高い技術を駆使し、装飾を越えた『アート』としてのデザイン性を伝統的な特徴とするジュエリーは、アメリカ上流社会の代名詞とも言うべき存在感を放っています。」と、ジュエリー・アクセサリーを紹介する記事が掲載されていること。
(9)「ライフカタログVOL.53 世界の一流品大図鑑2000年板」(2000年5月10日、株式会社講談社発行)の「BRAND CLOSEーUP」の項において、「ティファニー TIFFANY 別掲に示すとおりの構成よりなり& Co.」が大きく取り上げられ、その創始者である「チャールズ・L・ティファニー」について、「1837年、NYにファンシーショップを開店。その後世界的な宝飾店としての地位を築き上げました。」と紹介する記事が掲載され、同社の代表的な作品が紹介されていること。
なお、上記のとおり「TIFFANY」の文字よりなる引用商標の著名性に関して職権による証拠調べを行った結果を、平成14年1月11日付けをもって請求人に通知し、相当の期間を指定した上で意見を申し立てる機会を与えたが、指定した期間内に意見書の提出がなかったものである。
2 商品の出所の混同について
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなるところ、構成中の「les lunettes」の文字部分は、「眼鏡」の意味を有するフランス語であるから、商品名を表示したものと認められるものである。また、「TIFFANY」の文字の後に付されている小さな「○」図形は、取り立てて看者の注意を引くとも認められない付飾的なものであるから、本願商標において自他商品の識別機能を果たす部分は、「TIFFANY」の文字部分であるというのが相当である。そして、該文字部分は、引用商標とその綴りを同じくし、共通の称呼「ティファニー」を生じるものであるから、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であるといわなければならない。
しかして、本願商標の指定商品である「眼鏡」は、視力を調整するための道具というだけではなく、ファッション性を有するものでり、近年においては、多様なデザインのものが販売され、装身具の一つとして、洋服やアクセサリーとのコーディネートがされるようになってきている。この点において、本願商標の指定商品と引用商標に係る商品「宝石、アクセサリー、時計等」とは密接な関係を有しているものであり、その需要者も共通にする場合が多いものといえる。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、あたかも該商品がティファニー社又はその者と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとみるのが相当である。
なお、請求人は、「TIFFANY」なる語は、人の姓名の一部であって、世界中で広く使用されているものであること、著名な映画の題名を想起させるものであることから、取引者・需要者が「ティファニー社」の商標として認識しないと述べているが、我が国における該商標の著名性は、前記認定のとおりである。また、請求人は、「TIFFANY」又は「ティファニー」の語を含む商標の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきであると主張しているが、これらの登録例は、いずれも、その指定商品及び判断時期を本願とは異にするものである。さらに、請求人は、本願商標が「眼鏡のフレーム」について著名な商標であると主張するが、その点について何ら証明していない。
してみれば、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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