Trademark Appeal Case
容器形状の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第15653号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第33類「ワイン,スパークリングワイン,その他の果実酒,洋酒,日本酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成9年8月25日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由(要旨)
原査定は、「容器の外観上の特徴が需要者の購買意欲、選択意欲、消費行動等に重要な影響を与える洋酒等酒類の容器の形状においては、その商品の市場における需要者の嗜好等に合わせた各種の特徴的な変更、装飾等が施されている実情が認められることからすれば、本願商標が全体の外形及びラベルに特徴のある瓶の図形であるとしても、この程度のものは、この種の商品が通常採用し得る容器の形状の範囲を越えているとは認識し得ないものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、略台形のラベルを胴部に有する、酒瓶の図形よりなるものである。
しかして、当該瓶の図形は、長円筒状の首部分の下方を略漏斗状に拡大、し長円筒状の胴体部分につなげてなる瓶を描いていなる点において、シャンパン型と一般に称されている、代表的なヨーロッパのワイン瓶の形状(シャンパン型のワイン瓶の形状については、「ワイン学」138頁、産調出版1991年5月15日発行を参照されたい。)と構成の軌を一にするものである。
これに関して、請求人は、当該図形は、「瓶の肩がなだらかで、底部に向かって広がっているものであり、通常の販売に供する瓶とは、胴部分の構成が異なるものである」旨主張するが、瓶の肩がなだらかで、胴部が下方に向かって拡大しているワインの瓶の形状は、市場において普通に見られるものであるから、請求人の主張は採用できない(瓶の肩がなだらかで、胴部が下方に向かって拡大しているワインの瓶の形状が一般に使用されている例としては、「プロフェッショナルのための世界ワイン大全2002年版」(日経BP社、2001年12月21日発行)、「グランド・キュヴェ・ブリュット」の項(542頁)、「キュヴェS」の項(554頁)及び「バッカスに乾杯!世界のワイン1フランス」(日本テレビ放送網株式会社、1990年3月28日発行)、「ランソン ノーブル キュヴェ」の項及び「ドン ペリニヨン」の項(143頁)を参照されたい。)。
ところで、ワインの瓶には、通常、ラベルが貼付されているところ、ラベルを貼付する第一義的な目的は、商標を表示すること、法律などで義務づけられている生産地、生産者などの表示を行うことなどにあると解される(「バッカスに乾杯!世界のワイン1フランス」(日本テレビ放送網株式会社、1990年3月28日発行)、26頁及び27頁を参照されたい。)。
そして、ラベル自体の形状は、一般的には装飾的な意味合いを有するにすぎないものであって、自他商品識別標識としての機能を有していないものとみるのが相当である。
しかして、本願商標構成中のラベルの図形は、上方を波状とし、下方に二重線を施した略台形のよりなるものであって、単にラベル自体の形状を表示したにすぎないものであるから、単に装飾的なものにすぎず、自他商品識別標識としての機能は有していないと解するべきである。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記事情からして、単に商品の包装容器の形状、品質などを表示した図形として理解するに止まるものと認められるから、本願商標は、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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