Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−935(T2001−935/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「コットン100」及び「メッシュシート」の文字を2段に横書きしてなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年10月18日に登録出願され、その後、指定商品については、同12年11月8日付け手続補正書により、「綿製の不織布あるいは綿に染み込ませた傷口消毒薬・虫除け薬,綿製の不織布に薬剤を塗布してなる冷却パップ剤,綿製の不織布に冷却効果のある化学物質を塗布してなる患部用保冷シート,綿製の衛生マスク,綿製のガーゼ,綿製の眼帯,綿製の耳帯,綿製の生理帯,綿製の生理用タンポン,綿製の生理用ナプキン,綿製の生理用パンティ,脱脂綿,綿製のばんそうこう,綿製の包帯,綿製の胸当てパッド,綿製の失禁用おしめ」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、綿100パーセントのメッシュのシート状の商品としか認識し得ない『コットン100』『メッシュシート』の文字を、普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定商品中、上記に照応する商品に使用しても、商品の品質を表示した文字からなるものと理解させるに止まり、需要者・取引者が何人かの業務に係る商品であるかを認識できない商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「コットン100」の文字を上段に、それに比較して若干小さな文字で「メッシュシート」の文字を下段に書してなるところ、本願の指定商品との関係においては、原材料の一つとする素材について、その通気性、吸収性等を向上させた各種製品が研究開発され、販売されているところである。これら実情からして、本願商標の構成中、上段の「コットン100」の文字部分は、「綿100パーセント」であることを、また、同下段の「メッシュシート」の文字部分は、「網目状のシート」の意味合いをそれぞれ容易に認識させるものであるといえる。
してみると、上記意味合いを理解させる両文字を組み合わせた本願商標全体からは、原材料の一つとして綿のみを使用し、かつ、その形状が網目状のシートであること、すなわち商品の品質(原材料、形状)を表示するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
ところで、請求人は、意見書及び審判請求の理由において、「コットン100」が「綿100パーセント」を暗示するとしても、「メッシュシート」の文字が商品の品質を表示するものとして普通に使用されている事実はないと主張する。しかしながら、本願の指定商品を扱う業界においては、例えば、生理用ナプキンやおしめ等について、その一部に吸収性や通気性等をよくするために網目状のシートが使用され、それを「メッシュシート」と称して取り引きしている実情がある。このことは、例えば、次の新聞記事情報及びインターネット情報においても窺い知ることができる。
(1)生理用ナプキン、超薄型の第四世代に突入(激戦区)
...P&Gが(昭和)61年に投入した新製品「ウィスパー」は表面にメッシュシートを使用している点に特徴がある。...現在、P&Gはこのメッシュタイプ一本、花王は不織布タイプの「ロリエ」とメッシュタイプの「フリーデイ」、ユニ・チャームは...メッシュタイプの「ソフィサラ」という複数ブランド戦略...」の記載。(化学工業日報社、化学工業日報7頁、1991年2月28日)
(2)生理用ナプキン23種をテスト 国民生活センターが『漏れ』など比較
「...ナプキン使用で、かゆみ、ひりひり感を覚えたことがあった。専門医には超薄型に多いメッシュシートタイプ発売後、こうした訴えが増えたことから「感触が良いので長時間使いすぎるのだろう...」の記載。(朝日新聞、東京朝刊17頁、1993年9月11日)
(3)P&G JAPANのホームページに、製品情報として、製品名「ウィスパー(スタンダード)」の説明として、「...キルティング加工ドライメッシュシートにより、吸収がかたよらず、ヨレずにしっかりスピード吸収。サラっと快適な使い心地です。」の記載。(http://jp.pg.com/products/paper/whisper/)
(4)ユニチャーム(株)のホームページに、製品情報として、「ムーニーさらさらコットン おむつで初めて天然コットンを採用!」の見出しで、「天然コットンを混紡した『ふんわりメッシュシート』が汗まで吸い取り、カブレに安心です。(http://www.unicharm.co.jp/products/baby_01.html)。
また、「おむつ・おしり百科」の見出しで、紙おむつの構造説明として、「・表面材 ...直接肌に接する面はメッシュシート加工、優れた吸水性、吸汗性で、おしっこをメッシュシートの細かい気孔から素早く吸収材に送り込み...」の記載。(http://www.unicharm.co.jp/ikuji/hyakka/D_1.html)
(5)日本生協連のホームページに、製品情報として「co・op ナプキン」の見出しで、商品の写真の上に「ドライメッシュシートでさらっと快適」の記載、「コープのこだわりものがたり」のタイトルで「...表面に細かい穴のあいた“メッシュシート”を使用しているメッシュタイプは、べたついたり、はりついたりという不快感がなく、さらっとした感触です。...」の記載。(http://www.co-op.or.jp/jccu/coop_shouhin/new/story/napukin.html)
(6)健康メガショップ「ケンコーコム」のホームページに、製品情報として、おりものシート「センターイン ランジェリーシート パウダーインメッシュ」の見出しで、「販売元 エフテイ資生堂」、商品説明として「...パウダー練り込みメッシュシートと無香無臭パウダーのダブルパウダー効果で、さらさらの感触を保ちしっかり消臭します。...」の記載。(http://www.kenko.com/product/item/item_8341110072.html)
(7)ライオン(株)のホームページに、製品情報として、「キレイキレイお肌清潔シート」の見出しで、「使いやすい大きめサイズのメッシュシートを採用...」の記載。(http://www.lion.co.jp/new/mc031.html)
以上の実情からすれば、請求人のかかる主張は採用することができない。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、商品が綿100パーセントの網目状のシートを使用してなるものであることを認識するに止まり、結局、本願商標は、単に商品の品質(材質、形状、)を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、上記以外の商品に使用するときは、それが恰も「メッシュ状のシートを使用してなる商品」であるかのように、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。