Trademark Appeal Case
品質表示と商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第8971号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ホーローキッチンパネル」の片仮名文字を横書きしてなり、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,バルブ,金属製のタオル用ディスペンサー,金属製金具,金属製建造物組立てセット,金属製管継ぎ手,金属製のネームプレート及び標札,金属製郵便受け」を指定商品として、平成8年4月26日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、ホーローを使用したキッチン用パネル(壁装材)であることを認識するにとどまる『ホーローキッチンパネル』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定商品中『前記パネル』に使用したときは、単に商品の品質、材質等を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」また、商標法第3条第2項の主張については、「提出された証拠からは商標の使用が同一構成形態であるとは認められず、しかも、単に品質表示的に使用されているものであるから、使用により識別力を有するに至ったものとは認められない。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記のとおり、「ホーローキッチンパネル」の片仮名文字を横書してなるところ、その構成中の「ホーロー」の文字部分は、「ほう‐ろう【琺瑯】(enamel) 金属の素地、おもに鉄器などに、うわぐすりを塗って焼き、ガラス質に変えて、これで表面をおおったもの。防錆・装飾などを目的とする。うわぐすりの成分は珪石・長石・硼砂・粘土・蛍石・酸化錫・炭酸ナトリウムなど。装飾品では七宝焼がある。」等の意味合いで、また、「キッチン」の文字部分は、「キッチン【kitchen】台所。調理場。」、「パネル」の文字部分は「パネル【panel】「鏡板。羽目板。引き伸ばした写真やポスターを貼る台板。」等を意味する語であって、我が国においていずれも外来語として用いられ、親しまれている。
ところで、わが国の住宅事情を取り巻く社会的状況において、生活スタイルや住まいが変化し、必要のなくなった家事がある一方、電化機器等を使いこなすなど新たな生活スキルが求められていることは周知の事実である。
そして、家庭内の仕事に関して、食事作り、収納等保管とともに気になる汚れ、臭いが大きな問題ともなっている。特に台所の全体的な汚れ、換気扇の汚れ、レンジのこびりついた汚れ等の油汚れが悩みの種になっており、これらを解決することを付加価値として使用目的、使用場所等に適した種々の家庭用内装材、電気製品が製造、販売され多数市場に出回っていることもまた周知の事実である。
このような商品は、本願指定商品中の台所内装材(パネル)等の分野においても、例外ではなく、台所の油汚れを簡単にふき取ることができたり、臭いを防ぐなどの清掃性、抗菌性、耐油性を利点とする機能性商品と称して市販されている実情にある。
上記取引の実情よりすると、「ホーローキッチンパネル」の文字よりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「ホーローを素材とした商品」すなわち、「ホーローからなるキッチン用パネル」なる意味合いを表したものと容易に理解し、商品の出所を識別する標識たる商標とは認識し得ないものとみるのが相当である。
してみると、本願商標は、これをその指定商品中「ホーローからなるキッチン用パネル」について使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎないものであって、それ以外のキッチンパネルについて使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
(2)商標法第3条第2項該当性について
請求人は、本願商標は商標法第3条第2項に該当する旨主張しているが、その提出する甲第1号証及び資料1ないし同35は、テレビコマーシャルで放映されている一場面及び商品のカタログであって、使用開始時期、使用期間、販売数量等の証明がされておらず、該証拠のみによっては、使用により本願商標が商品の出所識別力を有するに至ったものであるとの事実を認めるに足りない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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