Trademark Appeal Case
ハイフン結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第9353号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「AP−CREW」の欧文字を書してなり、願書記載の第18類及び第25類に属する商品を指定商品として、平成10年2月26日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成14年8月19日付け手続補正書をもって、第18類「折りかばん,肩掛けかばん,グラッドストン,こうり,書類入れかばん,スーツケース,手提げかばん,トランク,ハンドバッグ,ボストンバッグ,ランドセル,リュックサック,お守り入れ,カード入れ,買物袋(車付きのものを含む),がま口(貴金属製のものを除く),キーケース,財布(貴金属製のものを除く),信玄袋,パス入れ,名刺入れ,携帯用化粧道具入れ」及び第25類「洋服,コート,セータ類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,エプロン,えり巻き,靴下,ストール,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラ,ナイトキャップ,帽子,ガータ,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類,Tシャツ,スウェットスーツ,ワンピース,ジャンバー,皮ジャンパー,ブルゾン,バンダナ」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用された登録第650126号商標は、「CREW」の欧文字を書してなり、昭和38年1月19日登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和39年8月17日に設定登録され、その後、3回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
同じく、登録第1348173号商標は、「CREW」の欧文字を書してなり、昭和42年11月4日登録出願、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和53年9月29日に設定登録され、その後、2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
同じく、登録第1603330号商標は、「CREW」の欧文字と「クルー」の片仮名文字を2段に併記してなり、昭和47年2月10日登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和58年7月28日に設定登録され、その後、平成6年5月30日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。(以下、これらを一括して「引用各商標」という。)
3 当審の判断
本願商標は、「AP」と「CREW」の欧文字を、ハイフン(−)を介して「AP−CREW」と書してなるところ、「AP」と「CREW」との間にはハイフンが存在するものであるから、視覚上、本願商標が、ハイフンの前後で「AP」と「CREW」に分離して看取されることは、構成自体から明らかというべきであり、また、本願商標を構成する「AP−CREW」の欧文字が、常に一体不可分のものとして、一般の取引者、需要者に知られているものと認めるに足りる証拠も見出すことができないものである。
そして、その構成前半の「AP」の文字部分は、本願の指定商品に係る業界において、商品の品番・型式等を表す記号・符号として、取引上、類型的に随時採択使用されているローマ字2字の範疇に属するものであり、このことは、例えば、レディス&メンズファッションのカタログ「C’EST LA VIE 2002 SPRING&SUMMER (株式会社セシール)84頁」の下段に、「1 カプリパンツ 品番AP−181」、「2 プレス入りクロプトパンツ 品番AP−182」等の表示が、また、85頁の下段に「4 ストレッチサブリナパンツ 品番AP−189」等の表示があることからもわかる。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、前半の「AP」の文字部分を、記号、符号として理解し、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当であるから、後半の「乗組員」等の意味を有する英語である「CREW」の文字部分を自他商品の識別標識としての機能を果たす部分であると把握し、これより生ずる「クルー」の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないものといわざるを得ない。
他方、引用各商標は、「CREW」ないし「クルー」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して、単に「クルー」の称呼及び「乗組員」等の観念が生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、それぞれから生ずる「クルー」の称呼及び「乗組員」の観念を共通にする類似の商標と認められ、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、「AP」の文字は、「本願出願人の”ア・ラ・パパ”を略して表すもので、単なる商品の品番・型番等を表すための記号・符号として用いたものではない」旨主張しているが、「AP」の文字が出願人の略称として一般に知られている事実はなく、請求人もその事実を何ら立証していない。もとより、商標の類否判断に当たっては、当該商標の採択者の意図に拘らず、当該商標に接する取引者・需要者の認識を基準として、当該商標から生ずる自然な称呼、観念をもって判断すべきものである。そして、本願商標については、上記のとおり判断するのが相当であるから、請求人のこの主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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