1 本件商標
本件登録第4388501号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成11年6月14日登録出願、第33類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、平成12年6月2日に登録されたものである。
2 請求人の引用する登録商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第3273036号商標(以下「引用商標」という。)は、「楽」の文字よりなり、平成6年6月7日登録出願、第32類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、平成9年3月12日に登録されたものである。
3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第13号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、その構成から「ラク」又は「ガク」の称呼と「楽しいこと」の観念が生じ、引用商標もまた、本件商標と同様に、「ラク」又は「ガク」の称呼と「楽しいこと」の観念が生ずるから、両商標は、「ラク」又は「ガク」の称呼と「楽しいこと」の観念を共通にする類似の商標である。
また、本件商標と引用商標は、その指定商品において同一のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は同法第46条第1項の規定により無効とされるべきものである。
4 被請求人の答弁
被請求人は、答弁していない。
5 当審の判断
本件商標は、その構成後掲のとおり、崩し書きした文字よりなるところ、崩しの程度は低く、その態様より容易に「楽」の文字よりなるものと認め得るものである。
そして、該文字は、「ラク」又は「ガク」と読まれ、「楽しいこと」を意味する語として、普通に知られるところであり、また、漢字の1字のみとはいえ、これが本来的に識別力がないとか、極めて弱いというような特別の事情も存しないものである。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、その態様の特異性に強い印象を受ける場合があるとしても、なお漢字の「楽」を表現したものと容易に理解し、該文字よりなる商標として認識する点に変わりはないから、これよりは「ラク」又は「ガク」の称呼、「楽しいこと」の観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが取引の実際に照らし相当と認める。
してみれば、本件商標よりは「ラク」又は「ガク」の称呼、「楽しいこと」の観念を生ずるものといわざるを得ない。
他方、引用商標は、その構成前記したとおり、「楽」の文字よりなるものであるから、これよりは「ラク」又は「ガク」の称呼、「楽しいこと」の観念を生ずること明らかである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観において相違するところがあるとしても、それぞれより生ずる称呼及び観念を同一にするものであって、全体として類似する商標といわざるを得ず、かつ、その指定商品も同一とするものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。