Trademark Appeal Case
著名商標と文字部分の類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成1年審判第11979号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和60年6月18日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
登録異議の申立てがあった結果、原査定は、「本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
世界の一流品紀行(昭和52年株式会社講談社発行)、世界の一流品大図鑑’84年版(昭和58年株式会社講談社発行)、男の一流品大図鑑’84年版(昭和58年株式会社講談社発行)、ブランドおもしろ辞典(昭和59年主婦と生活社株式会社発行)、世界の一流品大図鑑’85年版(昭和60年株式会社講談社発行)、ヨーロッパの一流品(昭和60年日本交通公社出版事業局発行)、The一流品(昭和62年株式会社読売新聞出版局発行)、英和商品名辞典(1990年株式会社研究社発行)及びラ・セーヌLACEINE(1991年株式会社秀友社発行)等をみるに、登録異議申立人のグツチョ グツチ ソシエテ ペル アチオニ(以下、「申立人」という。)は、1906年にイタリア国フィレンツィに設立された企業であって、高級馬具専門店としてグッチョグッチ(GuccioGucci)の創業にかかり、第一次大戦後、かばん、ハンドバック等を中心とした皮革製品の製造、卸しへと転身し、第二次大戦中に革の代用品としてキャンバス地を用いたバッグを発表したところ、これが人気を博した。そして、1962年にシルクスカーフを手がけてトータルフアッション界へと進出して、ニューヨーク、ローマ、ロンドン、パリなど世界各地に営業拠点を設け、申立人の製造、販売にかかる商品は1950年代から1960年代にかけて世界をかけめぐり「世界のグッチ」としてその名を不動のものとした。
そして、本願商標の登録出願前に発行された「世界の一流品大図鑑’84年版」「男の一流品大図鑑’84年版」には、かばん、ハンドバッグ類をはじめ、ベルト、ネクタイ、スカーフ等が「GUCCI」の商標とともに掲載されているばかりでなく、わが国では1964年以降、販売代理店をつうじて「GUCCI」の商標を付したハンドバック等の商品の販売を開始し、遅くても、昭和52年10月には、世界80店の内10店が日本に存在した。
しかして、申立人はイタリアのバッグ・衣料品・その他のファッション商品メーカーとして、小物類(財布など)・ベルト・靴・帽子・スカーフ・ハンカチーフ・ネクタイ・婦人用カジュアルウエアー・宝石アクセサリー、香水などの商品を手がけているところである。
そして、申立人の提出した甲第8号証乃至同第48号証をみると、我が国においては、株式会社サンヤマモトを総代理店として、昭和39年頃より、各種のかばん類、財布、スカーフ、ネクタイ、ブラウス、スーツ、コート、靴、アクセサリー、時計、文房具、香水等の商品について「GUCCI」乃至「グッチ」の商標を使用し、宣伝活動してきたことが認めらる。
そうとすれば、「GUCCI」乃至「グッチ」の商標は、申立人の取り扱いにかかる商品を表示するものとして、遅くても、第二次大戦後には世界的に著名なものであったところ、わが国でも、昭和39年頃から同人の取り扱いにかかる商標として、本願商標の登録出願前に既に、同人のかばん類に使用されている商標として、取引者、需要者間に広く認識されていたと認められ、現在も維持しているものとみられるものである。
これに対して、本願商標は別紙に示すとおり、図形と文字との組み合わせよりなるところ、図形と文字のそれぞれの部分は外観上分離して看取されるばかりでなく、これらを常に一体不可分のものとして称呼、観念しなければならない事情が存するものともみられないから、これに接する取引者・需要者はその構成中に書された「gucciino」の文字部分に着目する場合も少なくないものと判断するのが相当である。
しかして、本願商標中の「gucciino」の文字部分は、その構成中に「gucci」の文字を含むところ、この文字が「グッチ」と称呼される申立人の著名な商標である「GUCCI」の文字とその大文字と小文字に差異を有するとしても、綴り字を同一にするものであるから、本願商標をトータルファッション関連商品としてなじみ深い被服に使用するときには、これに接する取引者・需要者は「gucci」の文字部分に強く印象付けられるものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、これを出願人がその指定商品に使用するときには、申立人の著名な商標「GUCCI」を想起し、取引者、需要者をして、その商品が恰も申立人、若しくはこれと組織的、経済的に何らかの関係を有する者の取り扱いにかかる商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがつて、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、これを拒絶するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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