結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30627(T2002−30627/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2169886号商標(以下「本件商標」という。)は、「アクシス」の片仮名文字と「AXIS」の欧文字を上下二段に書してなり、第24類「運動具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和52年8月27日登録出願、平成1年9月29日に設定登録され、その後、指定商品中の「釣り具」についての登録は、平成5年7月15日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同5年12月15日になされているものである。そして、上記「釣り具」以外の商標権については、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び弁駁を要旨次のように述べた。
1.請求の理由
本件商標は、その指定商品中、「楽器,演奏補助品,音さ,蓄音器,レコード,およびこれらに類似する商品」について、継続して3年以上日本国内において使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、「業として、イベント会場で流すバックグラウンドミュージックのCD等を作り、これを注文主に納入している。」旨主張する。
しかしながら、乙第1号証に対する被請求人の主張から明らかなように、CDを不特定多数の者のために製造し、かつ、販売している訳ではなく、発注者である株式会社ブリジストン(以下「ブリジストン」という。)のために、東京国際展示場で行なわれたモーターサイクルショーのために製作を依頼されて、これを媒体としてのCD−Rに入力して納品したにすぎないのである。
したがって、被請求人の行為は、あくまでもレコードやCDの製造販売ではなく、すなわち、商品の製造販売ではなく、特定イベント用のバックグラウンドミュージックの作成依頼に対する1回限りの請負にすぎないのである。したがって、バックグラウンドミュージックの作成依頼に対する役務の提供を行なったにすぎないのである。
また、被請求人が納品したと称するCD−Rには、「アクシス/AXIS」という商標はなんら付されていないのである。したがって、乙第1号証をもって、本件商標の使用には全く該当しないのである。
(2)乙第2号証は、モーターサイクルショーにおけるブリジストンのイベントに対する請負費に関するものであって、その内訳は、「企画・デザイン費・造作費(サークルトラス、木工、設営・撤去、電気工事等)、AV器材レンタル、イベントバック用音楽CD及び映像費、演出運営費、出演費(女性MC、モデル2名)、廃棄処分費、その他諸雑費よりなるもので、全体として5,850,000円(値引き前)であり、そのうちイベントバック用音楽CD及び映像費は、僅かに200,000円にすぎないのである。すなわち、たった3.42%にしかすぎないのである。
したがって、乙第2号証に示されている費用は、あくまでもモーターサイクルショーにおけるイベントという役務の提供に関するものであり、そのイベントの間に流されるバック用音楽をCD−Rという手段(媒体)として納品されたにすぎないのであって、決してレコードやCDの製造販売ではないのである。
(3)乙第3号証は、単に、社内の入金処理伝票であり、商標は一切使用されていない。
(4)以上述べたように、本願商標が、指定商品であるレコードやCDに使用されていた証拠は全く存在しない。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
1.被請求人は、業として、イベント会場で流すバックグラウンドミュージックのCD等を作り、これを注文主に納入している。
2.使用の事実
(1)乙第1号証は、2002年4月に、東京国際展示場で行われたモーターサイクルショーで、発注者であるブリジストンが使用するバックグラウンドミュージックを複製したCDであり、被請求人が製作し、モーターサイクルショーへの出展者であり被請求人への発注者であるブリジストンに対して納品したものの写真である。
(2)乙第2号証は、被請求人がブリジストンに対し納入した、上記CDその他のものについて被請求人発行の平成14年4月15日付の請求書である。
「イベントバック用音楽CD」の記載が乙第1号証に係るCDを示すものであり、乙第2号証には、本件商標が付されている。
(3)乙第3号証は、上記請求に係る金額の入金処理をした伝票である。
3.以上のように、被請求人は、本件商標の指定商品であり、取消を求められている指定商品であるレコードの取引書類である請求書に、本件商標を、本件審判請求の予告登録の日の3年以内に使用した。
1.乙各号証について
(1)乙第1号証は、透明なケースに収納されたCD(コンパクトディスク)及び上記ケースから出したCDの写真であるであるところ、上記ケースには、「東京/大阪オートサロン使用曲」、「TRACK 1/TRACK 2/TRACK 3」、「モーターサイクルショー使用曲」、「TRACK 4」の各文字が書された紙が貼付さている。また、CDの表面には、「FUJIFILM/CD−R」、「650MB/COMPACTdisk」などの文字が記載されているが、録音された曲名、レコード製作者等に関する表示は一切ない。
(2)乙第2号証は、東京都港区六本木5−17−1所在の株式会社アクシスがブリヂストンに宛てた2002年4月15日付け請求書であるところ、「項目」、「摘要」「金額」のそれぞれの欄には、上から「企画・デザイン費 一式 300,000」、「造作費」として「300m/mサークルトラス 一式 800,000」、「木工その他 一式 1,400,000」、「サイン・バナー等 一式 250,000」、「設営・撤去 一式 500,000」、「電気工事 一式 300,000」、「AV器材レンタル 一式 700,000」、「イベントバック用音楽CD及び映像費 一式 200,000」、「演出運営費 一式 300,000」、「キャスティング・オーディション費 一式 100,000」、「出演費」として「女性MC 3.5日 210,000」、「モデル 3.5日 350,000」、「コスチューム 3着 300,000」、「廃棄処分費 一式 100,000」、「その他諸雑費 一式 40,000」、「請求額合計 ¥5,670,000」、「納品:2002年4月7日」等の記載があり、該請求書の最上段に、大きく書された「AXIS」の文字及びその下に小さく書された「living/design/concept」の文字が表示されている。
(3)乙第3号証は、起票日を2002年4月15日とする一般会計伝票(入金,支払,振替)であるところ、その記載内容は、「借方/株式会社ブリヂストン」、「摘要/売上 モーターサイクルショー」、「金額/5,670,000」などとするものである。
2.前記1.で認定した事実及び答弁の理由を総合すると、被請求人は、業として、イベント会場で流すバックグランドミュージックのCDを制作し、これを注文主に納入しているとするところ、被請求人と認められる東京都港区六本木5−17−1所在の株式会社アクシスは、2002年4月に行われたモーターサイクルショーに、ブリヂストンが出展をするに際し、ブリヂストンより、モーターサイクルショーにおける出展の企画を依頼され、出展場所等のデザインの考案、出展場所の設営及び撤去を含めた造作、その他出展のための演出運営などの役務を提供した。そして、該企画の一環として、被請求人は、モーターサイクルショーにおいて流すバックグランドミュージックを複製したCDの制作をし、ブリヂストンに貸与したAV機器(オーディオビジュアル機器)を用いて該CDによる音楽の提供をしたと推認することができる。
ところで、商標は、自他商品(又は自他役務。本件においては、以下「商品」に限っていう。)を識別することを本来的機能とするものであって、不特定多数の者が関わる取引の流通過程において、他人の商品と自己の商品とを区別するための標識となるべくその機能を発揮するものであるから、商標法上の商品は、本来的に流通性を有するものであることを予定していると解すべきであるところ、一作品限りの商品若しくは一回限りの取引に資される商品は、商品の制作者と特定人との間における取引に限られるものであるから、そこには他人の商品との識別を必要とすることはなく、商品の流通性は存在しないというべきである。したがって、そのような商品は、商標法の商品ということはできない。
本件において、被請求人は、「東京/大阪オートサロン使用曲」、「モーターサイクルショー使用曲」が録音されたCDを、本件審判の請求の登録日(平成14年6月26日)前3年以内である2002年(平成14年)4月7日にブリヂストンに納品したことが乙各号証から認められるが、該CDには、前記認定のとおり、録音された曲名、演奏者、レコード製作者、定価等に関する表示は一切なく、通常市場において流通するCDの体裁をなしておらず、2002年4月に行われたモーターサイクルショーにおいて、ブリヂストンが出展するに際し使用されることのみを予定して制作された商品と推認させるものであって、市場における流通性はないといわなければならない。他に、本件CDが、一定の規格のもと、大量に生産され、市場の流通過程に置かれる商品であると認めるに足りる証拠は見当たらない。
そして、本件における、被請求人の、CDにバックグランドミュージックを複製し、制作するという行為は、前記したように、ブリヂストンより依頼されたモーターサイクルショーにおける出展の企画の一環としてなされたものということができ、したがって、モーターサイクルショーにおける出展の企画という役務に付随的になされた役務であるか、あるいは上記企画たる役務を達成するために、提供の用に供せられた物であると解される。
そうすると、本件使用に係るCDは、商標法上の商品ということはできない。
また、他に、本件商標が請求に係る指定商品について使用されたと認め得る証拠の提出は見出せない。
3.以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品について使用していたことを証明したものということはできず、かつ、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「楽器,演奏補助品,音さ,蓄音器,レコード,およびこれらに類似する商品」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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