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Trademark Appeal Case

使用証拠の信頼性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−31540(T2000−31540/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2132127号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、昭和61年12月16日に登録出願、第19類「台所用品、日用品」を指定商品として、平成1年4月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「台所用品、清掃または洗たく用具、うちわ、せんす、買物かご、家庭用水槽、きゃたつ及びはしご、工具箱、植物の茎支持具、ネームプレート及び標札、旗ざお、ハンガーボード、帽子掛けかぎ、郵便受け、洋服ブラシ、裁縫用具、植木鉢、家庭園芸用の水耕式植物栽培器、家庭用燃え殻ふるい、じょうろ、寝室用簡易便器、石炭入れ、貯金箱、トイレットペーパーホルダー、ねずみ取り器、はえたたき、浴槽類、ろうそく消し及びろうそく立て、及びこれらの類似商品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中、上記商品について被請求人により継続して3年以上日本国内において使用されていない、また、専用使用権又は通常使用権の設定登録もないのであるから、商標法第50条の規定に基づき、本件商標の指定商品中、上記商品につき取消を免れない。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

本件商標の使用の証拠として、被請求人が販売する商品「調理用ふきん」の包装に使用している段ボール箱に、本件商標が登録商標の態様と同じ態様で附されている状態を撮影した写真(乙第1号証の1ないし4)及びその商品と段ボールに対応する元帳(乙第2号証)を提出しているが、以下に述べるとおり、当該証拠は本件商標が本件審判請求の請求前3年以内に使用していることを推定させるだけの証拠力はない。

まず、乙第1号証の1、2及び4に示された段ボール箱について、その側面に記された品名としての「調理用ふきん」、「セルセル」、「新タイプL」、商品コードとしての「W71662」、その他サイズ、入数、Lot.Noが側面中央部分に配置された四角の枠内に記載され、その四角の枠の直下に、「発売元」と「サラヤ株式会社」の文字が2行にセンタリングして表記されている。

そして、その最下行の「サラヤ株式会社」の左方に、本件商標のロゴマークが表記されているが、このロゴマークだけが何故か、四角の枠線や枠中の全文字、さらには「発売元」、「サラヤ株式会社」に比較すると著しく細い線で薄色で印刷されており、しかもそのロゴマークの位置だけが、何故か四角い枠と「発売元」、「サラヤ株式会社」がセンタリングされて構成されている全体が纏まったレイアウトから不自然にはずれている。このことは、乙第1号証の2又は4に示された段ボール箱の側面部分において、本件商標のロゴマーク(及びホワイトのラベル)を紙等で隠してみると、この段ボール箱の側面の印刷は、見事に左右がセンタリングされたレイアウトになっていることが分かる。一般に、印刷に少しでも携わったことのある者であれば、それが例え最終消費者の目に直接触れることがない段ボール箱への印刷であっても、デザインの基本としてのセンタリングや左端・右端へのそろえ等の美しいレイアウトをあえて崩して印刷することは殆どない。特に、乙第1号証においては、本件商標のロゴマークの存在によって、その他の四角い枠と「発売元」、「サラヤ株式会社」の全体が共有するセンタリングが、不自然に崩されているばかりでなく、左端のラインも大きく左方へ突出してバランスを崩してしまっている。これらの乙第1号証の各写真の撮影時期については、被請求人も自認しているとおり、審判事件の書類送達の後に撮影されたものである。従って、乙第1号証として提出された各写真中の段ボール箱(本件商標のロゴマーク付きのもの)が、本件審判請求の登録日前に存在して使用されていたという証拠はどこにもない。しかも、上述したような、本件商標のロゴマークの印刷位置(さらには、その線と色も)に関する納得しがたい不自然性が否定できない以上、この乙第1号証なるものは、本件商標のロゴマークが本件審判請求の登録前に使用されていたか否かの事実については、何らの証拠力を有しないことが明白である。

してみると、残る乙第2号証からは、わずかに本件審判請求の登録前に、被請求人が「セルセル(L)」なるものを、株式会社かめいあんじゅアトリエアルションというところに販売したらしいことは窺えますが、それが確かに本件商標のロゴマークの付された指定商品の使用であったという証拠はどこにもないと言わざるを得ない。

加えて、本件商標が使用されたとする商品「調理用ふきん」そのものについて使用されている証拠は提出されていない。商品「調理用ふきん」のように、本件商標を付すに十分な大きさのある商品において、商品そのものに商標が附されている証拠が提出されていないことは、上記(3)において述べたことと相まって本件商標が本件審判請求の登録日前にその指定商品中の「調理用ふきん」に使用されていたとする被請求人の主張を疑わせるに十分なものである。

仮に、本件商標が「調理用ふきん」の段ボール箱について使用されていたとしても、商品「調理用ふきん」を実際に購入する消費者にとってはそれを見ることがないもので、このように、商品の重要な需要者たる消費者には商標の使用が分からないような状態での使用(段ボール箱への使用)は、実質的には商標が使用されていないとみるのが妥当であるというべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証(枝番号を含む。)を提出した。

本件商標はその指定商品について、被請求人目らが本件審判請求の日前3年間に日本国内において使用しているので、その使用事実についての一部であるが以下に提示する。なお、本件商標の「ニコニコマーク」は、主に被請求人が販売する商品の「ハウスマーク」として使用している。

乙第1号証として商品「調理用ふきん」に本件商標を使用している事例を提出する。乙第1号証の1は、商品の包装に使用している段ボール箱の外観を撮影したものであり、乙第1号証の2は、段ボール箱を開□した状態を撮影したもの、乙第1号証の3は、「調理用ふきん」50枚をビニールでくるんだ状態を撮影したもの、乙第1号証の4は、段ボール箱の表示部の拡大して撮影したものである。これら乙第1号証の1、4より、段ボール箱の一面には「調理用ふきん」「エコマーク」「セルセル」「新タイプL」などが読み取れる。また、拡大したもう一面の枠内には「品名、調理用ふきん、セルセル、新タイプL」「商品コード、W、71662」「サイズ、490×810m/m 」「入数、5 0枚×4箱」「Lot,No 00l023 」が記載され、枠外に「発売元」「ニコニコマーク」「サラヤ株式会社」が表示されている。

これら乙第1号証より、商品「調理用ふきん」の段ボール箱に本件商標の「ニコニコマーク」が本件商標の態様と同じ態様で使用されているのであり、このように包装容器の目立つところに鮮明に表示された商標は内容物である「調理用ふきん」の使用であることは過去の審判決からも明らかである。しかも、この「調理用ふきん」が本件取消商品中の「台所用品、清掃または洗たく用具」に包含される商品であることは審査事例あるいは特許庁商標課編「類似商品審査基準」より明白である。

なお、乙第1号証の各写真の撮影年月日は、本件商標の使用の態様を明示するために本件審判事件の書類送達の後に撮影したものであって、本件商標の使用の時期を証明するものではない。

乙第2号証は、被請求人の大阪営業所が日常の営業に使用している得意先元帳の本件商標に関係する部分の一部である。中央上部に記載された00年08月31日の日付から、これは平成12年(2000年)8月31日の月末締めの元帳であり、〒531‐0041 大阪市北区天神橋7−5−9所在の株式会社かめいあんじゅアトリエ・アルションに8月4日に乙第1号証に提示した商品「調理用ふきん」を販売したことは、商品コード「71662」品名「セルセル(L)200枚ホワイト」の記載により明らかである。

上記する乙第1、2号証から明らかなように、本件商標の「ニコニコマーク」は被請求人自らが本件商標の態様と同一の態様にて、あるいは社会通念上同一と認められる態様で、本件商標の指定商品中、本件取消商品であるところの「台所用品、清掃または洗たく用具」に包含される商品「調理用ふきん」に使用しているのであり、本件審判事件にかかる本件商標が、その審判請求に係わる商品に、本件審判請求前3年以内に日本国内において使用していたことは明らかである。

4 当審の判断

被請求人の答弁並びに証拠として提出した乙各号証について総合して検討するに、乙第1号証の1ないし4(写真)には、被請求人が本件商標を取消請求に係る指定商品中の「調理用ふきん」が撮影されており(乙第1号証の2及び3)、該商品の搬送用のダンボール製箱には、品名の欄に「調理用ふきん」・「セルセル」・「新タイプL」、商品コードの欄に「W」・「71662」、サイズの欄に「490×810m/m 」、入数の欄に「50枚×4箱」等の記載があり、枠外に発売元サラヤ株式会社と記載され、本件商標と社会通念上同一と認められる図形が表示されている。

乙第2号証は、被請求人の得意先元帳(写し)であり、被請求人と取引先の間の取引を示すもので、この8月4日の商品コード欄及び品名欄には「セルセル(L)200枚ホワイト」との記載がされ、この記載内容は前記乙第1号証の記載内容と符合するものであり、年月日欄には、「00年08月31日」と記載されており、平成12(2000年)年8月31日付のものであることが分かる。

してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品中の「調理用ふきん」について使用していたと認められる。

したがって、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

なお、請求人は、「商標の使用位置等が不自然、商品を販売したらしいことは窺えるが、商品そのものに商標が付されていない、商品の重要な需要者たる消費者には商標の使用が分からないような状態での使用である。」と主張しているが、本件商標が請求に係る指定商品中の商品に上述した期間内に使用されていたこと、前記認定のとおりであるから、この点に関する請求人の主張は、これを採用することができない。

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