結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30960号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3165824号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成5年6月11日に登録出願され、「BRM」の欧文字と「ビーアールエム」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第32類「ビ―ル,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュ―ス,乳清飲料,ビ―ル製造用ホップエキス」を指定商品として、同8年6月28日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第7号証を提出している。
(1)本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、被請求人、専用使用権者及び通常使用権者によって使用されていない。また、本件商標の商標権者が、本件商標を使用していないことについての正当な理由があるものとも認められない。
(2)被請求人は、本件商標を本件審判請求の3ヶ月前から、第32類に属する商品に使用していると主張している。
しかしながら、乙第1号証2頁によれば、BRMとはBiological Response Modifierの略記で生体応答調節物質のことである。そして、同物質は通常それぞれの頭文字をとってBRMと称され、”BRM”自体で生体応答調節物質を意味するように使われている(甲第3号証ないし同第7号証)。
したがって、被請求人提出の証拠方法によれば、本件登録商標の使用ではなく、専ら一般名称又はその略称としての使用であり、商標としての使用は認められない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、登録を取消されるべきである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求めると答弁し、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第4号証を提出している。
(1)被請求人は、本件商標が記載されたパンフレット(乙第1号証)をここに提出する。これにより、商標「BRM」が「食べるBRM」として使用されていることが分かる。ところで、このパンフレットには「研修資料」の文字が入っていることから、あたかも社内研修等、会社内部でのみ使用されるかの誤解を受ける恐れがあるが、これは、被請求人が営業活動の一環として作成し、株式会社ボンアール(以下、単に「ボンアール」という。)に対して配布したものである。
被請求人は、健康食品及び医薬品の製造販売を主目的とする会社であるが、社内では主に商品開発、研究、製造を行い、販売等の営業活動は外部の別会社であるボンアールに委託している。ボンアールは、代理店方式の訪問販売を行い、商品は代理店からエンドユーザーに販売されているのである。乙第1号証は、ボンアールに対して、被請求人が製品宣伝・説明のために使用したものであることから「研修」の文字が入ってはいるが、これはそのままエンドユーザーへの製品宣伝・説明にも使用されているものである。
かかる事情により、乙第1号証が、本件商標を商品について使用している「商品に関する広告」「取引書類」に当たることは明らかである。
さらに「BRM」のもととなるのは、乳酸菌FK−23菌であるが、これを表示する資料(乙第2号証)も合わせて提出する。被請求人は、この乳酸菌をメインとした醗酵技術のほか、関連会社たるボンアールとともに、乳酸菌抽出物含有食品の開発を広く行っている。その事業内容および主要商品の概要については、ニチニチ製薬及びボンアールのインターネット・ホームページにおいて紹介されているとおりである(乙第3号証)。ニチニチ製薬の「BRM」商品に対応する乳酸菌FK−23菌についても詳細に説明されている。また、該ホームページは、少なくとも1998年6月1日より公開されている。
以上の資料からも分かるように、「BRM」商品は、被請求人ニチニチ製薬により独自に開発・製品化された商品であり、その販売先は国内にとどまらず、輸出も行なっている現状にある(乙第4号証)。これら資料から、現在、「BRM」が自他商品識別力をもつ商標として使用されている事実は明らかである。
したがって、請求人が本件審判請求書の「請求の理由」で述べている主張にもかかわらず、本件商標は、被請求人によって、本件審判請求の3ヶ月前から過去3年間において指定商品について使用されており、商標法第50条の規定に該当するものでなく、取り消されるべき商標ではない。
(2)請求人は、本件商標の使用について「BRMとはBiological Response Modifierの略記で生体応答調節物質のことである。そして、同物質は通常それぞれの頭文字をとってBRMと称され、”BRM”自体で生体応答調節物質を意味するように使われている」と主張している。
しかし、被請求人は、本件商標を指定商品について使用していることにかわりはなく、腸内細菌研究から生まれたFK−23菌を使用した商品に「BRM」なる総称を付したのであって、当該「BRM」は、健康食品業界において、十分に自他商品識別力を有している商標である。被請求人がこれらの主張を行い、使用事実に関する証拠も提示している以上、本件審判の請求は理由がない。
(1)先ず、「BRM」の文字について、請求人及び被請求人の提出に係る証拠を総合してみると、「BRM」の文字は、生体応答調節物質を意味する「Biological Response Modifier」の略語であって、該物質が癌や感染症の治療に用いられる免疫療法剤であることが認められる。
そして、その免疫療法剤であるBRMを含んだ健康食品が開発されており、この健康食品を被請求人が製造し、これに「プロテサン」の商標が付されていることが認められる。
(2)次に、被請求人は、本件商標を使用している事実を証明するとして各乙号証を提出しているので、該証拠について検討する。
乙第1号証は、「『研修資料』『ご存知ですか食べるBRM』」との表題のパンフレット(大阪日日新聞社発行)と認められるところ、そこに示された「BRM」の文字は、「Biological Response Modifier」の略語すなわち免疫力を高める働きを持つ「生体応答調節物質」を意味する語句として使用され、また、その記載内容は、「生体応答調節物質」(BRM)の効能を説明する研修資料であるから、「BRM」の文字が特定の商品を識別する標識として使用されているものとはいえない。さらに、被請求人は、このパンフレットを営業活動の一環として作成し、ボンアールに対して配布したものであると述べているのみで、これを裏付ける他の証拠及びこのパンフレットの作成日等の明示がない。
そうすると、このパンフレットをもって、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標がその指定商品について使用されていたということはできない。
乙第2号証は、「総発売元/株式会社ボンアール」、「製造元/ニチニチ製薬株式会社」とする「健康維持食品プロテサン(乳酸球菌FK−23菌含有)」に関するパンフレットと認められるところ、その説明文中の「図1.腸内細菌の主なはたらき」に「BRM」の文字の記載は認められるが、これはあくまで腸内細菌の働きについての説明中の記述であって、該「BRM」の文字が商標として使用されているとは認識され得ないものである。むしろ、このパンフレットは、本件商標の使用に係るものではなく、健康維持食品の「プロテサン」商標についての使用といえるものである。
さらに、乙第3号証は、ニチニチ製薬及びボンアールのインターネット・ホームページと認められるが、これには、本件商標の掲載が認められない。
そして、乙第4号証は、サンプル出荷伝票及び価格表であって、「BRM−10」等の記載が認められるところ、具体的な商品が明示されていないものであるから、これをもって本件商標が第32類に属する商品に使用されていたものと認めることができない。
他に本件商標がその指定商品について使用されていたと認めるに足りる証拠はない。
結局、被請求人の提出に係る各証拠によっては、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標が日本国内において使用されていたということはできない。
また、被請求人は本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
(3)以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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